2010年度の企画



感覚の「異文化」から見る〈からだ〉と〈ことば〉〜共感覚、自閉症、幼児の体験世界〜

 

 人間は〈ことば〉の世界を生きている―これが現在の質的心理学の「常識」であり、多くの分析手法もこの前提に基づいている。しかし、元来、人間の〈ことば〉は〈からだ〉の働きに基礎を持つものとして発展してきたものである。また、どんなに〈ことば〉の世界が発展したとしても、人は最終的にはこの〈からだ〉でもって生きるほかない。そうした事実を忘れ、〈ことば〉の世界にのみ研究者の目が向くとすれば、それは人間の生に迫ろうとする質的心理学にとって大きな危機ではなかろうか。

 当企画では、〈からだ〉と〈ことば〉がいかなる関係にあるのかを改めて問い直し、人間の生を捉えるためにどういった視点が重要なのかを、3人のパネリストの講演を手掛かりにして考えていく。3人に共通するのは、〈からだ〉と〈ことば〉が特異(非定型的)な結びつき方をしているように見える人々(共感覚、自閉症、幼児など)の独特の感覚世界を参照しつつ、思索を進めていることである。

 〈からだ〉のいかなる働きから〈ことば〉が生まれ、いかにして我々の世界を作り出していくのか、さらにはそのことが〈からだ〉にいかなる作用を及ぼすものなのか―感覚の「異文化」との接触を通して、そうした問題への糸口を模索していく。

 

【日時】2011年3月5日(土) 13:00〜16:30(予定)

【会場】キャンパスプラザ京都 4F第4講義室

    http://www.consortium.or.jp/

【内容】

<登壇者>

・岩崎純一

文字や数字に色を感じる、音・味・匂いに色や形を感じる、風景に音を聴くなど、さまざまな共感覚を持つ。著書に『音に色が見える世界』(PHP新書)など。

・西村多寿子

翻訳者兼ライター。「身体的側面から見た言語習得」の探究をライフワークの一つとし、多方面で活躍。書評、論文等多数。

・村上靖彦・・・大阪大学大学院人間科学研究科。専門は現象学、精神病理学。

精神分析学にも精通。著書に『自閉症の現象学』(勁草書房)など。

<指定討論者>

・浜田寿美男

幼児、自閉症、供述分析などの研究を通して〈からだ〉と〈ことば〉の関連を探究。『私と他者と語りの世界』(ミネルヴァ書房)など著書多数。

<司会>

・大倉得史(京都大学大学院人間・環境学研究科)

 

【参加費】学会員  無料

     非会員 500円

【主催】日本質的心理学会研究交流委員会、京都大学人間・環境学研究科質的心理学研究会

【申込方法】「3月5日参加希望」と題したメールに「氏名」「所属」「連絡先」「会員・非会員の別」を明記し、下記の宛先まで送信ください。なお、会場の関係で定員になり次第締め切らせていただきます。

(宛先)大倉得史 tokushi_okura〔あっと〕yahoo.co.jp(〔あっと〕を@にしてください)

※開始・終了時間は暫定的なものです。詳細は追ってお知らせいたします。

 


 

サービス提供場面の質的分析?障害当事者参画の試み?

 

 本研修会は、保健福祉や医療現場における「サービス利用者/サービス提供者」間の軋轢や葛藤について、サービス利用者自身の語りや、サービス利用者自身が構成した映像や即興劇などの素材を用いて、質的に分析する試みや実践を検討します。そして、従来の社会福祉教育のなかでは、援助対象として受動的に扱われてきた「利用者」(人)と、教育手段として補助的に扱われてきた「教材」(モノ)に焦点をあてて、サービス場面の質的研究方法を考察して行きたいと思います。

 保健福祉・医療現場のサービス利用者と提供者間の日々の葛藤や軋轢についての相互作用分析に興味をおもちの方や、援助専門職の現任者教育や大学における社会福祉教育の学習環境のデザインに興味をおもちの方の参加をお待ちしております。

 

【日時】平成23年2月5日(土) 午前10時〜午後5時

【場所】京都文教大学 指月ホール&介護演習室

【内容】

第一部

シンポジウム「障害当事者とともに行うサービス提供場面の質的分析」

・講師 その1:自立生活運動が提起したもの(立命館大学 立岩真也)

    その2:障害平等体験(東大阪大学 三島亜希子)

第二部

ワークショップ「精神医療ユーザーたちのプレイバック体験」

・コンダクター 京都プレイバックシアター代表 各務勝博

・シナリオ提供&参加協力  NPO法人PRPきょうと 地域活動支援センター

             (III型) きょうとWAKUWAKU座のメンバー京都

【参加費】日本質的心理学会員は無料、非会員は300円(資料代)

 

注1.参加申し込みを希望される方はお手数ですが、「氏名」「所属」「連絡先」と「2月5日KBUワークショップ参加希望」と明記したFAXかメールを京都文教大学吉村宛に送信ください。なお、会場の関係で定員になり次第締め切らせていただきます。

  FAX:0774-25-2409

  Mail:yyoshimura@po.kbu.ac.jp(@を半角に)

注2.ワークショップ当日にはマイクロバスが近鉄向島と京都文教大学間を運行します。近鉄向島からワークショップ会場の往復にマイクロバスをご利用される場合は、「行き」については、「向島発:9時40分」までのバス乗車が、「帰り」については、「京都文教大学発:17時35分」までのバス乗車が便利です。 

研修会担当

京都文教大学臨床心理学部 吉村夕里

※以上は暫定的なものです。詳細は11月前後に再度お知らせいたします。

 


 

傷つきを語ることの意味と聴くという経験

 〜質的心理学における『語り』研究の地平〜

 

 12月4日のシンポジウムは、定員に達したため、受付を終了しております。なお、予約制となっているため、当日参加は受け付けておりません。ご了承ください。

 たくさんの参加申し込みをいただき、ありがとうございました。

 

 外傷体験や疾患をもつ人々がその経験を語ることはどのような意味があり、またそれを聴くということはいかなる体験なのでしょうか。さまざまな暴力被害者やマイノリティに関する研究と支援実践を有する講師から、傷つきそのものの意味、「当事者」と「支援者」のポジショナリティの問題、傷つきを語ることが誰にとってどのような意味をなすのか、などについてお話しいただきます。

 

【日時】2010年12月4日(土)13時半〜16時半(13時開場)

 

【場所】東京大学法文2号館2番大教室

http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html

 

【内容】

<問題提起>

徳田治子(企画者・高千穂大学)

「質的心理学における『語り』研究の地平:トラウマ・ナラティブを聴くという経験をめぐって」

<講演>

宮地尚子氏(一橋大学) 「トラウマの語り〜『環状島』その後」

小西聖子氏(武蔵野大学)「トラウマを語り、聴くことの意味」

<対談>

宮地尚子氏・小西聖子氏 〔聴き手:野坂祐子・徳田治子〕

 

総合司会 山崎浩司(東京大学)

企画代表 野坂祐子(大阪教育大学)

 

【参加費】無料

 

【申し込み】下記申し込みフォームにて受け付けます。定員(100名)になり次第、締め切らせていただきます。

https://ssl.formman.com/form/pc/VXe35rnCCAKWZJDC/

 

【協賛】東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」

 

【問い合わせ先】

野坂祐子(大阪教育大学)nosaka〔アットマーク〕cc.osaka-kyoiku.ac.jp