ご挨拶

日本質的心理学会 第23回大会(東京大会)

日本質的心理学会 第23回大会(東京大会)は、2026年10月31日(土)〜11月1日(日)に東京大学本郷キャンパス(教育学部棟他)で開催いたします。本大会は、2005年9月に開催された第2回大会以来、実に21年ぶりの東京大学での開催となります。本郷キャンパスの銀杏並木が徐々に色づき秋の終わりを感じさせる時期に、多様な領域の研究者・実践者のみなさまを再び本学でお迎えできること、たいへん楽しみにしております。

今年の大会のテーマは、2005年の第2回大会のテーマである「語り」をさらに発展させた内容を志向し、「語りを視る、黙(しじま)を聴く」としました。このテーマに込めましたのは、言葉として現れる明示的な「語り」のみならず、非言語的な振る舞いや些細なしぐさ、言葉にならない沈黙も「語り」の一部として、それをいかに理解するのかを問う、質的研究が得意とする柔軟でしなやかな眼差しを大切にしたいという想いです。

みなさまもご存知の通り、質的研究のユニークで創造的な数々の方法論や、質的心理学が捉えようとする重層的で複雑な人間の営みには、近年様々な分野から一層の注目が集まっています。そんななかでいかに人々の「語り」を複眼的に捉え、いかにそれと向き合うのかという問いはますます重要になっております。多様な研究者・実践者のみなさまとの活発な議論があってこそ、豊かに探究される問いです。質的研究というレンズを通じ、より深く「視る」ことができ「聴く」ことができるように、学際的かつ協同的な理論知・実践知を更新していければと思います。

そこで今年の東京大会では、(1)ナラティブ研究にも深い造詣をお持ちの文化人類学者である野村直樹先生(名古屋市立大学大学院名誉教授)をお招きした招待講演、(2)大会テーマと響き合う大会準備・実行委員会企画シンポジウム、(3)学会委員会企画のシンポジウムや常任理事会主催のシンポジウム、(4)会員のみなさまが取り組んでおられる研究・実践成果をご発表頂くポスター発表、(5)例年多くのお申し込みをいただき盛況となっている会員企画シンポジウム、の5つを中心に魅力あふれるプログラムを用意しております。また、多領域の質的研究の技法に関する講習会も複数実施しますので、そちらもぜひご期待ください。

プログラムの詳細につきましては、大会HPにて随時ご案内・更新してまいります。なお、学会HPのリニューアルに伴いまして、今年から大会HPの形式も刷新され、学会HP内での公開となります。

会員のみなさまには何かとご不便をおかけする場面もあるかと存じますが、中身の濃い有意義な大会となりますよう、大会準備・実行委員一同、誠心誠意準備を進めてまいります。多くのみなさまのご参加を心よりお待ちしております。

日本質的心理学会 第23回大会準備・実行委員会委員長
能智 正博(東京大学大学院教育学研究科)