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日本質的心理学会 メールマガジン No.206号(2021)

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎学会より会員のみなさまへ
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆会務委員会より
■研究会情報
◆DEE研究会「パフォーマンス心理学の拡張:ウィトゲンシュタインの像・想
像・臨床」のお知らせ
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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆『質的心理学研究』編集委員会より

新型コロナウイルスは、多くの会員の研究活動に制約をもたらし、インタビュ
ー、観察、アクションリサーチの実施が困難になっているでしょう。大学院生や
学部生、指導する先生方は、大変なご苦労をされていると思います。私自身もそ
の一人です。
しかし、私は、この時期だからこそ、できること、結果的にせざるを得ないこ
とを見つけようとしています。例えば、総説論文あるいは理論論文、既存データ
の二次分析も可能でしょう。研究活動は、蓄積された知見の不足や課題から始ま
ります。新しくデータを収集しなくとも、先人の活動を丁寧に読み込み、再構成
することによって、新しい知見をうみ出すことはできるはずです。この作業は、
システマティックレビューといった、確立された手続きをとらなくても、関連す
る先行研究を精読し続けることでもなり立つと思います。最近は緊急事態宣言が
解除され、大学においても対面式の授業や研究が再開されつつありますが、「ステ
イホーム」中に、オンラインの教育研究環境が以前より整備されたので、オンラ
イン上の文献検索も容易になったでしょう。既存データの二次分析として、例え
ば、公的機関が研究用の利用を認めているものがあります。国が行う様々な調査
のあり方を定めた「統計法」は、公的機関が収集したデータを、公益に資する知
的資源として、二次的な利用に与することを見込んでいると、解釈されています。
スタッフや予算の制約があり、地方自治体は収集したデータを十分に分析できな
いことがあります。プライバシーなどの手続きをとった上で、研究者がこのよう
なデータを分析できれば、社会貢献としても有効でしょう。無論、公的機関が有
するデータの分析が学術目的と異なることがあり、その点には注意が必要です。
新型コロナウイルスの影響が長引くにつれて、オンラインによるインタビュー
調査が試みられています。オンライン上の研究環境の整備をふまえれば、移動の
時間的あるいは経済的コストを減らすことができるので、地方に住む研究者の研
究環境が向上したり、地方をフィールドにする研究活動が活性化したりするかも
しれません。新型コロナウイルスは、研究活動に支障をもたらしていますが、コ
ロナ以前の課題を解決してくれるような、新しいスタイルを生み出すかもしれま
せん。会員の皆様のアイデアを集めれば、これが可能になると信じています。

(『質的心理学研究』副編集委員長 田垣正晋)

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◆会務委員会より

2021/12/6現在の会員数及び会費納入率をお知らせ申し上げます。
会員数:1,261名

2021年度会費納入率:89.1%(未納者 138名)
2020年度会費納入率:91.0%(未納者 114名)

☆日ごろより学会活動にご協力くださり、まことにありがとうございます。
2021年もあとわずかとなりました。本年もたいへんお世話になりまして、
どうもありがとうございました。素敵な年末年始をお過ごしになられます
ようお祈り申し上げます。来年も、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

(会務委員会 安田裕子)

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■□■□会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月15日〆切です。
http://www.jaqp.jp/kouryu/jyouhou/ 

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■研究会情報

◆DEE研究会「パフォーマンス心理学の拡張:ウィトゲンシュタインの像・想像・
臨床」のお知らせ

日本認知科学会 教育環境のデザイン分科会(DEE)では、下記のとおり研究会
を開催いたします。
パフォーマンス心理学が状況論や活動論にもたらすインパクトをテーマに茂呂雄
二先生に報告していただきます。ぜひご参加ください。

日時:2022年1月9日(日)13時から15時
開催方法:Zoom
発表者:茂呂雄二氏(東京成徳大学応用心理学部。筑波大学名誉教授)
タイトル:パフォーマンス心理学の拡張:ウィトゲンシュタインの像・想像・
臨床
概要:この10年ほどパフォーマンス心理学とソーシャルセラピューティクスを
紹介したり実践したりしてきた。この発表では、パフォーマンス論が、状況論や
活動論に対してどのようなインパクトを持つのかについて再度考えてみたい。パ
フォーマンス心理学のアイディアの一つの源泉は、ウィトゲンシュタインである。
2000年代以降、さまざまな読解の精緻化や解釈の提案が相次ぎ「新しいウィトゲ
ンシュタイン」像が用意されつつある。この新しい像は、パフォーマンス心理学・
ソーシャルセラピューティクスの意味をさらに明確化するきっかけとなることが
期待できる。それとともに、新しい議論テーマが提案されずに停滞気味に映る、
状況論と活動論に対しても、非常に強いエンジンの役割を果たすに違いない。

参加申込み: https://forms.gle/E7eJxtosYVSM78Dy7
お問い合わせ先: https://forms.gle/ahVkmPZq9RDsD6xq5

(情報提供者 土倉英志 様)

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[クッピーより]
春、夏、秋とゆったりした気温の中で過ごすうちに、冬の寒さがどのくらい厳し
いものだったか、すっかり忘れてしまっていたようです。一昨日突風と共に、冬
らしい寒さがやってきました。布団からも出たくないし、家からも一歩も出たく
ない。ぐずぐずしていたのですが、大学で育てている植物に1週間水をあげてい
ないことを思い出し、俄然身支度を始めました。待っているものや人が居る、と
いうのは本当にありがたいことです。
今年最後の定期便となります。誰かを待ったり、待ってもらったりして、年を越
えていきましょう。新しい年はもっと素敵な年になりますように。良いお年を。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
担当:當銘美菜・河合直樹・小澤伊久美・蒲生諒太・木下寛子
発行:日本質的心理学会 http://www.jaqp.jp/
発行日:2021年12月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望、または、アドレスの変更、配信の停止を希望さ
れる場合は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp-post@bunken.co.jp
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