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日本質的心理学会 メールマガジン No.223号(2023)

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎学会より会員のみなさまへ
◆第20回大会準備委員会より ご挨拶
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆会務委員会より
■研究会情報
◆『認知科学』特集のお知らせ

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◎学会より会員のみなさまへ
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◆第20回大会準備委員会より ご挨拶

第20回大会は2023年11月4日-5日の日程で、立命館大学大阪茨木キャンパスで
行われます。前日11月3日夕刻からは、ウェルカム・セッションとして、ワーク
ショップを数多く企画します。大会のテーマは「世界を制作する」です。3年を
超える長期間にわたったコロナ禍もようやく終息を迎え、種々の規制も緩和され
ました。ポストコロナという新たな時代が到来したように思います。社会の隅々
にオンライン化が進み、人々の交流のあり方も大きく変化しています。高速度で
交わされるデジタル情報データの洪水に受身にさらされてしまいがちです。対話
型AIが作り上げてくれる文書、画像に感心していると、足元をすくわれそうです。
フィールドに出て、インタビューを行い、そこで感受された質を活かし記述を磨
く。ほぼ手作業、手造りで行ってきた質的研究法そのものも、これから大きく
様変わりするでしょう。
20年前、記念すべき第1回大会京都大学の会場は参加者であふれ返り、すごい熱
気であったことを思い起こします。KJ法、あの川喜田二郎ご本人が登壇されたこ
ともよく記憶に残っています。いかにも頑固一徹の声ぶり、語り口、表情は今も
印象に残っています。川喜田は「KJ法は平和を作る」と言っていました。この時
代にこそこの声を活かしたいものです。KJ法はかつて発想法と呼ばれていました。
創造や発見のための方法です。発見は無からは生まれません。まず素材が要りま
す。異質の、混ざり合いそうにない素材をまず、並べ置いてみる。そのかけ合わ
せ、調合、選択、配列を通して、元の素材とは異なる色合い、形、イメージ、そ
して言葉が生まれてきます。KJ法の根っこには、俳諧連歌のような座を囲みゆっ
たりと配合の妙を愉しむ、私たちの文化が育んできた遊び心がありそうです。
KJ法もいつの頃か発想法というより、私たちになじみの質的研究法の一つになっ
てしまいましたが、この辺りで、その発想のルーツに戻ってみるのもよいかなと
思います。類縁、近接するという感覚は意味上の近さでだけではないでしょう。
「何かしら関係するな」という直観を大切にすることが、後になって実ってくる
方法だと思います。質的研究は何かを制作するというポイエシス(詩作)の作業
そのものです。手間と時間がかかります。制作するというのは無からは生まれま
せん。素材、マテリアルを手になじませながら、並べたり、重ね合わせたり、つ
ないだりすると、そこに思わぬ感触が湧いてきます。作ることのリアリティは、
形になったものがすべてではなく、むしろその制作プロセスそのものにあるよう
に思います。天球に輝く星空のいくつかを組み合わせ図柄がふと浮かび上がる。
その発見の驚きを共にしたいですね。
大会会場の立命館大学大阪茨木キャンパスは、新大阪駅からも、大阪空港(伊
丹)からも近く、JR茨木駅から徒歩5分。阪急・大阪モノレール南茨木駅から
徒歩10分程度。至便です。対面を基本とする従来の形式で行います。多様な企画
を準備してまいりたいと思います。皆様をお迎えすること楽しみにしております。

(第20回大会準備委員長 森岡正芳)

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◆『質的心理学研究』編集委員会より

5月になり、新緑の季節を迎えました。私の勤務している大学のキャンパスには、
たくさんの竹が生えています。通勤のときにたまたま見つけた、土からわずかに
ニョッキと出ているタケノコを4月の初旬から観察してきました。見つけてから
一週間もすると、竹皮が次から次へと積み重ねられていって、食べ頃の大きさま
で成長してきました。タケノコの成長していく姿に愛着のわいてきたこともあり、
掘り起こさずにそのまま見守っていました。「雨後のタケノコ」という言葉があ
りますが、雨の日には、独特な土の匂いを周囲に漂わせながら、力強く立ってい
る姿がありました。いまはだいぶ成長してしまい、もう食べられないくらいの大
きさになっています。これから緑色の稈が伸びてくることでしょう。NHKの朝の
連続ドラマの主人公に影響されたのか、その生きる佇まいを様々に見せてくれた
タケノコに面白さを感じるようになりました。古事記や竹取物語などの日本の
古典にも竹は取り上げられてきており、私たちに何かしらの魅力を感じさせると
ころがあるようです。
人と人とが共に生きる現場にも多様な魅力があります。研究としてその場の息吹
をどうにか描き出し、理論として世に問う営みがこれまでなされてきました。
日本質的心理学会20周年を記念した臨時特集「現場研究報告」の投稿締め切りは
5月31日となっています。残すところあと10日余りとなりました。最後の詰めの
段階にある方から、投稿しようかどうか迷っている方まで、現場の面白さが詰ま
った数多くの投稿をお待ちしております。
なお、24号特集「『障害』と『病い』をめぐる質的研究」の投稿も現在募集中で
すが、締め切りは10月末日までとなっております。ご留意ください。一般論文も
随時受け付けております。
末筆ではございますが、石川能登での地震に被災されましたみなさまに、心より
のお見舞いを申し上げます。被災されました地域、職場、そしてご家庭では、復
旧に向け大変なご苦労の日々をお過ごしのことと拝察いたします。会員のみなさ
まのご健康と、一日も早い被災からの復興を心よりお祈り申し上げます。

(『質的心理学研究』副編集委員長 勝浦眞仁)

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◆会務委員会より

2023/5/9現在の会員数及び会費納入率をお知らせ申し上げます。
会員数:1,216名

2023年度会費納入率:54.7%(未納者 550名)
2022年度会費納入率:88.8%(未納者 136名)

☆晴天がよく見られる、心地のよい季節となりましたね。会員のみなさまには
日ごろより本学会へのご理解とお力添えをいただき、まことにありがとう
ございます。早々に、2023年度の会費を納入くださったみなさま、どうも
ありがとうございます。ご対応に感謝いたします。おいそがしくされている
日々かとは存じますが、これからお支払いいただけます方も、どうぞ、
よろしくお願い申し上げます。

(会務委員会 安田裕子)

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■□■□会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月15日〆切です。
<https://jaqp.jp/mail-magazine-offer>

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■研究会情報

◆『認知科学』特集のお知らせ

『認知科学』誌にて、以下のような特集を企画しました。ぜひご応募ください。
事前エントリーは、2023年7月10日(月)までになっています。なお詳細は、
日本認知科学会のウェブページ
(<https://www.jcss.gr.jp/journal/>)でご確認ください。

特集タイトル:価値に向き合う認知科学:対話・身体・記述
掲載予定巻号:31巻3号(2024年9月発行)
特集エディタ:新原将義(武蔵大学)、伊藤崇(北海道大学)、
青山征彦(成城大学)

企画趣旨(紙幅の関係で省略しています):
本特集では、ある価値をめぐる対話の実践やそこでの身体の重要性にフォーカ
スする論文を広く募集する。具体的には、幼児教育を含む教育現場、医療や福祉
の現場、NPOや市民団体といった市民活動の現場におけるフィールドワークや
アクションリサーチにおける対話のプロセス、フェミニズムをはじめとした身体
やジェンダーをめぐる論考、身体と人工物のインタラクションにおける価値の問
題などを取り上げた研究を想定している。

(情報提供者 成城大学 青山征彦様)

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[クッピーより]
おととし、近所に住む1人暮らしの女性と知り合いになり、出勤途中で世間話を
する間柄になりました。彼女は私の倍ほどの年齢で、明るい色の服が似合い、
几帳面で、韓流ドラマに詳しく、ときどき我が家のインターホンを連打します。
しかし昨冬、急にお会いする機会がなくなりました。よくお孫さんが様子を見に
来ているから大丈夫…と思いながらも、私にとって落ち着かない日々が続きまし
た。ゴールデンウィークのある日、インターホンが鳴りました。受話器を取って
応答しているのに、立て続けに何度も。ドアの向こうにはやっぱり彼女がいて、
二人でひとしきり再会を喜び合いました。骨折のため数か月入院していたと話す
彼女は、嬉しいことに以前よりも元気そうでした。初夏を迎え、我が家のイン
ターホンはまた出番が増えそうです。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
担当:當銘美菜・荘島幸子・沖潮満里子・坂本希世
発行:日本質的心理学会 https://www.jaqp.jp/
発行日:2023年5月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望、または、アドレスの変更、配信の停止を希望さ
れる場合は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp-post@as.bunken.co.jp
●質的研究に関する研究会や公募等の情報提供および共催のご依頼は、下記の
フォームからお知らせください。いただいた情報は、メールマガジン等に掲載し、
共催については委員会内で検討のうえ、お返事差し上げます。
https://jaqp.jp/mail-magazine-offer
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