日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃
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日本質的心理学会 メールマガジン No.205号(2021)

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎学会より会員のみなさまへ
◆第18回大会(ソウル大会)準備委員会より
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆会務委員会より
■研究会情報
◆『新社会学研究』第7号の論文公募について
◆復興の人間科学2021 『福島原発事故10年の経験から学ぶ』のお知らせ
◆第2回 ビジュアル・ナラティヴの基本文献を読む会 ご案内
◆文化理解の方法論研究会(MC研)第35回研究会のお知らせ
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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆第18回大会(ソウル大会)準備委員会より

今回の日韓合同大会、対面での大会と異なり「受付」というものがなく、それ
ゆえ実際の参加者を正確には数えられないのですが、日本側から約350人の参加
登録があり、一方韓国側からは約130人の参加登録があったとお知らせがありま
した。両学会長の連名で日韓共同宣言も出され、日本質的心理学会の今後の国際
展開の大きなきっかけとなるであろう大会をつくりあげることができました。ご
参加いただき大会を盛り上げてくださったみなさま、本当にありがとうございま
した。
参加者アンケートには61人の方々から暖かい声をいただきました。「コロナ禍
で制限が多い中での準備は本当に大変だったと推察します。大変充実した内容で
実り多い時間を過ごさせていただくことができました」など、そのほとんどが、
今回の大会をプラスに評価してくださる内容であり、足かけ2年にわたって準備
をしてきた苦労が報われる思いがしました。
大会準備委員会のMLでは1300通を超えるメールがやりとりされました。初
の海外で行う質心大会を当初は目指したわけですが、コロナ禍という予想外の事
態にぶつかり、結局は「在宅のままで参加できるソウル大会」となりました。し
かし、大会テーマの「つなぐ、つどう」を念頭にオンラインの特性を大きく活か
すことができ、大会運営のノウハウも含めて得られたものがたくさんありました。
質的研究者のインターナショナルなコネクションを作りたいと懇親会で
Bamberg先生からはアナウンスがありましたが、来年6月のSociety of Qualitative
Inquiry in Psychologyの年次大会で”cross-global alliances” in qualitative research
といったテーマを掲げたく、その委員会に日韓からもメンバーとして入ってほし
いという声が届いています。その他にも日韓等の質的研究の国境を越えた交流が、
ここからしっかりと芽生えていくことでしょう。
今回の大会運営では、HPの管理や抄録原稿の収集などで業者への委託もしま
したが、当日のZoomの管理をし支えていたのは、大会準備委員会メンバーと立
命館大学・淑徳大学・茨城大学のアルバイト学生たちでした。コロナ禍を考慮し、
一箇所に集まってキーステーションをつくるといったこともしない分散運営だっ
たのですが、そういうことも可能なのだということを、私たち自身示すことがで
きました。
来年の大会では対面・オンライン併用のハイブリッドを希望する声が多く届い
ています。実際にどのように行われるかについては、次の大会準備委員会に委ね
られることになりますが、またよりいっそう充実したかたちができていくことで
しょう。今回の大会準備委員会を今月末には閉じ、私もこの任を降りさせていた
だきます。今回は新たなことにチャレンジさせていただき、多くの貴重な経験を
させていただきました。これまでのご理解とご協力、ありがとうございました。

(第18回大会準備委員長 伊藤哲司)

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◆『質的心理学研究』編集委員会より

11月は新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、学会や研究会も対面やハ
イブリッドで行われるようになってきました。私は12月に九州へ出張すること
になり、対面での学会参加をとても楽しみにしています。一方で、地方では都市
部からの出張者や旅行客を忌避するという話も耳にするので、出張を手放しに喜
べないという感覚もあります。外出自粛を要請されていた時は、要請に従うか従
わないかの二択でしたが、今はどちらとも言えない曖昧な状況なので、個々人の
判断が求められているように思います。
出張や旅行だけでなく、調査や研究発表の際も、対面とオンラインそれぞれの
良し悪しを考えて行動していくことになりそうです。先日開催された質的心理学
会18回大会の日韓若手交流会では、オンラインでデータを取ることの難しさが
議論され、いかにして関係性を築くのか、オンラインで相手の振る舞いをどこま
で知ることができるのかなど様々な話が出てきました。オンラインには場所に縛
られないという利便性や手軽さがありますが、目的から外れた会話がしにくい、
視線が固定されるといった交流上の難しさもあります。個人的には、対面であれ
ば電車での移動やビジネスホテルでの宿泊の中で自然とできていた心構えのよう
なものが、オンラインだと十分につくれないことに困っています。
教育場面でも、対面とオンラインの良し悪しをふまえ、新しい学びのかたちが
模索されています。私のフィールドである通信制高校は、対面と通信を組み合わ
せた学びを探求してきた学校です。先日、通信制高校の先生方と勉強会をした際
も、通信を活用したさまざまな学び方の提案がなされたり、対面が少なく生徒の
状態が見えにくい中でどうやってサポートするのかという議論が展開されたりし
ていました。学校に行って学ぶ、職場に行って働くという前提がゆらいでいる今、
どこでどのように学び、働くのかが問われているのだと思います。第22号特集
「ポスト2020 教育のゆくえ」は11月末まで投稿を受け付けています。皆様のご
投稿を心よりお待ちしております。

(『質的心理学研究』編集監事 神崎真実)

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◆会務委員会より

2021/11/4現在の会員数及び会費納入率をお知らせします。
会員数:1,258名

2021年度会費納入率:88.4%(未納者 146名)
2020年度会費納入率:90.9%(未納者 115名)

<総会の報告>
2021年10月24日(日)オンライン開催にて日本質的心理学会の第18回総会
が行われました。参加人数は40名で、2021年10月18日現在の会員総数1,249
名の過半数625名の定足数には及ばず、仮総会となりました。仮総会では、2020
年度決算および2021年度予算案、各委員会の活動報告および活動予定などが承
認されました。
本メールが届いてから1ヶ月以内に会員の半数以上の方から異議申し立てがな
ければ、仮総会の決定は総会の決定として認められることになりますので、お含
みおきいただきますようお願いいたします。欠席者の方で、総会資料や議事録な
どが必要な方は、日本質的心理学会事務局(jaqp-post@bunken.co.jp)までお申し
出ください。
Zoom開催による第18回大会(ソウル大会)もお蔭をもちまして大盛会のうち
に終わりました。2021年度も昨年度に引き続き、コロナウイルス感染症の影響に
より全面オンラインによる実施となりましたが、韓国ともつなぎ国際大会と位置
づけた初日はとりわけ、日本語・韓国語・英語が飛び交うたいへん活気ある学会
となりましたことが、大会準備委員会より報告されました。たくさんの方にご参
加をいただけましたこと、とても有難いことと存じます。厚くお礼申し上げます。
これからも、会員のみなさまにとって実りある学会でありますよう、尽力してま
いります。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(会務委員会 安田裕子)

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■□■□会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月15日〆切です。
http://www.jaqp.jp/kouryu/jyouhou/
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■研究会情報

◆『新社会学研究』第7号の論文公募について

『新社会学研究』第7号(新曜社、2022年秋刊行予定)では、下記のとおり、
投稿論文を募集しています。どなた様も奮ってご応募ください。
【特集テーマ:ポストコロナに向けた文化社会学再考】
新型コロナウィルス感染拡大は、私たちの日常生活や文化現象にいかなる影響
をもたらしたのか。それは、他者との濃密な接触の回避、不要不急の外出の自粛、
テレワークやオンライン授業などネットを介した非対面的な労働や教育実践など、
他者と共に生きていくうえでの基幹部分に多大な影響をもたらした。では、現在、
文化社会学には、どのような進化が求められるのだろうか。現在に特徴的で固有
の文化現象分析だけでなく、そもそも文化社会学とはどのような知的実践なのか。
具体的な事例研究は言うまでもなく、その理論的考察や方法論的議論も含め提起
する論考を幅広く公募したい。
=応募方法=
投稿希望者は、論文題目、概要、独創的な主張点等を2000~2500字でまとめ、
氏名、所属、連絡用アドレスを記したエントリーシート(書式自由、PDF)を、
メールのタイトルに必ず【公募エントリー】と記した上で、『新社会学研究』
編集同人事務局へ送って下さい(nekotaro(アットマーク)gmail.com )
2021年11月26日(金曜)締切です。
【査読について等】
論文主題や主張の独創性を中心に、編集同人によって、エントリーシートを検討
します。内容によっては同人以外の社会学研究者に参考意見を求めることもあり
ます。3~4名に論文執筆を依頼する予定です。
審査通過者の論文〆切は翌2022年1月27日です。なお、最新情報は、サイト
https://js2016.blog.wox.cc/ に掲出します。

(情報提供者 樫田美雄 様)

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◆復興の人間科学2021 『福島原発事故10年の経験から学ぶ』のお知らせ

原発事故による避難生活という過酷な人生体験を小学生の時期に経験した被災
者は、今年で17歳~22歳となります。
現在大学生となった被災当事者は、あの震災をどう受けとめ、またこの10年
間をどのような社会経済状況におかれ、どのような心理状態で、どのように思考
を重ね、どのように生き抜いてきたのでしょうか。
本チームがこれまで10年間に行ってきたシンポジウムでは、「今被災者にとっ
て何が問題なのか?被災者をいかに支援すべきか?」というテーマを中心に、被
災当事者の方たちと専門家が対等な位置関係で互いに学び合う機会を作ってきま
した。中でも、本シンポジウムの特記すべき点は、震災当時小学生であった若者
の経験と考えから学ぼうとする新しい取り組みにあります。
“復興の人間科学2021”『福島原発事故10年の経験から学ぶ』~当時小学生だ
った若者達との対話から~は、下記の要領で開催されます。

日時:2021年11月28日(日)10時~18時(無料・入場自由)
場所:早稲田大学大隈記念講堂(地下1階)小講堂 および ZOOM同時開催

ZOOM参加の場合ネット申し込み制となっております。
こちらのページの下部よりお申し込みのリンクがございます。

【シンポジウム開催告知】2021年11月28日(日) “復興の人間科学 2021”『福島原発事故10年の経験から学ぶ』~当時小学生だった若者達との対話から~

(情報提供者 日高友郎 様)

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◆第2回 ビジュアル・ナラティヴの基本文献を読む会 ご案内

2021年11月23日(火・祝) 13時-18時 (Zoom開催)
主催 日本発達心理学会分科会「ナラティヴと質的研究会」
企画 横山草介・やまだようこ・家島明彦
ビジュアル・ナラティヴの基本文献を読む会に関心のある方は、すべての本を
読んでいなくても結構ですので、自由にご参加ください。下記のフォームで参加
申込みをいただきますと、開催日の前にズーム招待をお送りします。
参加申込みフォーム https://forms.gle/8ezKqFpr7eYSruxY9
申込み締め切り 2021年11月21日(日)

「ビジュアル・ナラティヴの基本文献を読む会 第2回」
2021年11月23日(火・祝)13時-18時
13時-13時半 参加者の自己紹介
13時半-15時 報告と討論1
報告者 横山草介(東京都市大学)
ロラン・バルト『映像の修辞学』(ちくま学芸文庫)
15時半-17時 報告と討論2
報告者 やまだようこ(立命館大学)
ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(慶応大学出版会)
『世界制作の方法』(ちくま学芸文庫)
17時-18時 総合討論

予告「ビジュアル・ナラティヴの基本文献を読む会 第3回」
2021年12月19日(日) 14時-18時 (Zoom開催)
ニール・コーン『マンガの認知科学-ビジュアル言語で読み解くその世界』
(北大路書房)

(情報提供者 横山草介 様)

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◆文化理解の方法論研究会(MC研)第35回研究会のお知らせ

文化理解の方法論研究会では、文化について関心を持つ有志が集まり、文化と
(文化的)他者との対話的共生をめぐる理論・実践について議論を行っており
ます。研究者に限らず、広く皆様のご参加をお待ちしております。
(研究会HP:http://rcsp.main.jp/mc/index.html )
●日時:2021年12月18日(土) 15:00~19:00(いつもより1時間遅いです)
●場所:zoomによるオンラインミーティング
●参加方法:参加費用は無料です。MC研のMLに未登録の方は、事前に以下の
アドレスまでご連絡ください。当日のミーティングIDとパスワードをお送りし
ます。(mcshinki[at mark]yahoo.co.jp [at mark]を@に変えてご送信ください)
●発表(15時~)ヨーロッパの習俗における愚者とバフチン・カーニバル論:
異質な文化的背景を持つ他者とのサステイナブルな対話の実現を目指して
発表者:田島充士(東京外国語大学)
内容:バフチンの対話理論は、異質な文化的背景を持つ他者同士のコミュニケー
ションのあり方を問うものとして著名である。その中で重きをなすのが、社会的
ルールを理解出来ない愚か者としての立場を偽装することで、異質な外部世界の
視点から権力者批判や社会批評を行う「愚者」および、この愚者が活躍する「カ
ーニバル」に関する議論である。これらの議論を理解する上で、ヨーロッパにお
いて脈々と受け継がれてきたこの愚者についての知識は欠かせない。本発表で
は、発表者がヨーロッパ各地の現地調査で収集してきた愚者に関する諸資料を紹
介し、その視点から、バフチン・カーニバル論の現代社会に対する適用可能性に
ついて検討する。異質な文化的背景を持つ他者とのサステイナブルな相互交流の
あり方について、諸資料の分析を通じた概念モデルを提供する予定である。
コメンテーター:高田明(京大)・森岡正芳(立命館大)

(情報提供者 渡辺謙仁 様)

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[クッピーより]

寒さがじわじわと押し寄せ、木々の葉が赤くなり黄色くなりして葉を落とす季
節です。大学の近くの水辺に葉が浮いて、美しい模様を描く様子に目を見張りま
した。「赤や黄色の色さまざまに水の上にも織る錦」とは、束の間の美しい光景を
捉えたものだったのだと今頃になって気づかされます。幼いころには「オルニシ
キってなんだろう」と笑い、わけもわからずに口ずさんだ呪文のような言葉が、
時を隔て、風景と言葉が共に意味をもって鮮やかに現れてきました。学会大会は
賑やかに鮮やかに過ぎていきました。稔り多き冬の季節を迎えられるように、多
くの言葉を蓄え、口ずさみながらこの季節を楽しめたらよいですね。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
担当:當銘美菜・河合直樹・小澤伊久美・蒲生諒太
発行:日本質的心理学会 http://www.jaqp.jp/
発行日:2021年11月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望、または、アドレスの変更、配信の停止を希望さ
れる場合は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp-post@bunken.co.jp
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