日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃9┃
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
日本質的心理学会 メールマガジン No.59======================2009/9/25
クッピーです。皆さま、札幌・北海学園での大会、お疲れ様でした。実行委
員、関係者の方のご尽力により、非常に有意義で、快適な2日間を過ごさせ
ていただくことができました。心よりお礼申し上げます。クッピーも含め、
北海道の涼しい風とおいしい食べ物に、「少し太った」という方も多いので
はないでしょうか。まだまだ本州は暑いですが、少しずつ秋の気配も漂って
きています。十分に体調を整え、元気に秋学期を迎えたいものですね。
▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ 学会より会員のみなさまへ
◆研究交流委員会より:研究奨励制度、地方研究企画助成制度の選考結果
◆事務局より
◆編集委員会より
■□■□「質的研究」情報コーナー
■ 研究会情報
○日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会第56回
大会での講演のお知らせ(大阪大学)
○ガーゲン先生ご夫妻 講演会のお知らせ
■ 著書の紹介
○『質的研究法キーワード』(Bloor,M. & Wood, F.著)
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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆研究交流委員会より:研究奨励制度、地方研究企画助成制度の選考結果
<研究奨励制度>
今年度で2年目になる大学院生を対象とした研究奨励制度の選考結果が出まし
たので、ご報告いたします。今回の募集には9名の大学院生からの応募がありま
した。5名の選考委員が公正かつ慎重に審査した結果、以下の2名を採択者とし
て選考いたしましたので、ここにご報告いたします。
1. 橋本望 東京大学大学院教育学研究科 臨床心理学コース博士課程
「家族の自死を巡るやりとりの諸相に関する研究」
(選考理由)
自死者遺族における家族の自死についての意味づけが他者(筆者)との相互
作用の中で生成される過程を明らかにすることで、「自死をめぐるやりとりの
諸相」そのものと、その過程で生成される行為や経験の質を明らかにしようと
する研究です。SHGによるサポートが有効でない場合を出発点に、重要な研
究方向を志向しています。フィールドへの着目、研究方法の位置づけ、研究計
画共にすぐれています。このテーマでのインフォーマント探しは困難であり、
様々な難しさを抱えながらも研究に挑む姿勢が評価できます。今後の研究の展
開に期待がもてます。
2. 加藤直子 総合研究大学院大学先導科学研究科 博士課程
「大規模科学研究プロジェクトに所属する若手研究者の戦略に関する質的研究」
(選考理由)
任期付雇用の中で、大規模研究や学内運営を支えながら、自分の研究や研究
上の立場をつくりだしていく若手研究者は、近年きわめて厳しい労働条件下に
生き、研究活動を進めています。テーマが通常の学問分類に収まらない意欲的
なものであるため、これまで研究助成もなかなか得られにくかったことと想像
できます。多くの問題を抱えながらもこれまで質的に研究されることがなかっ
たフィールドのもつ社会的構造や政策的影響を明るみにすることで、処遇や研
究環境の改善の礎石となることを期待します。
<地方研究企画助成制度>
また、昨年に引き続き、以下の企画に対して助成を行うことになりました。
1.新潟質的分析研究会
企画概要「看護職員のための質的研究 ーアドバンスド コースー」
<選考委員> 大家まゆみ 青山征彦 松本健義 樫田美雄 梅崎高行
◆事務局より
日本質的心理学会第6回大会は好評のうちに終了いたしました。ご参加いただ
いた皆様、準備していただいた会員の皆様、どうもありがとうございました。
日本質的心理学会第6回総会は、北海学園大学にて2009年10月12日に行われ
ました。
今回から、無料弁当付き総会という形式をとったため、76名の参加を得るこ
とができました。予算・決算などいずれも参加者の承認を得て可決されました。
ただし、参加者が会員の過半数に満たなかったため残念ながら仮総会になり
ました。資料閲覧をご希望する方は事務局までご請求ください。このメルマガ
の発行後1ヶ月間、ご意見ご質問を受け付け、異議が過半数に達しない場合に
は仮総会の決定を総会決定にさせていただきます。
なにとぞよろしくお願いします。
◆編集委員会より
さる9月12日・13日、北海学園大学で第6回日本質的心理学会が開かれました。
北海道の空気はさわやかで、街を歩けば空間のおおらかな拡がりを感じさせら
れ、懇親会会場の豊平館では明治時代のゴージャスさを身近に感じることがで
き、くつろげる学会でした。アイヌの人たちの音楽やソーラン節を現代風にア
レンジした南中ソーランなどを堪能させていただいたことも感動的でした。小
島先生を始めとするスタッフのみなさまがた、ありがとうございました。
編集委員会主催のシンポジウム「よりよい質的研究を目指して――『質的心
理学研究』への投稿から掲載まで」は、12日朝一番に開かれました。かつて「
修正再審査」を経て「掲載」になったプロセスや、「修正再審査」から「掲載
見送り」になったプロセスを、3人の話題提供者の方々が、ある意味勇気をもっ
て、生々しい形で発表して下さいました。そこから日頃なかなか言語化されな
い査読プロセスに関して、従来より深いレベルでの議論がなされました。
そこで査読者側の何人かが強調したのは、「査読は投稿者と査読者との対話
である」ということと、「査読の基本構造は仲間集団による仲間の論文の査読
だ」ということでした。前者に関しては「掲載」に至った投稿者の多くはそれ
に賛同してくれました。問題は後者です。「掲載見送り」は、それはどこか「
対等でない関係」が存在することを感じさせてしまう危険性があります。査読
者から投稿者へ「掲載見送り」のメッセージは、一方通行です。それを「対話」
だとは、なかなかみなせないでしよう。また、「掲載見送り」は、査読者と投
稿者の間に大きなズレがあることを顕在化します。「掲載見送り」には、「質
的心理学会」という仲間集団の中に論文の「価値」「論理」「方法」に関して
不一致が存在していることを示しているのです。しかし、当然のことながら、
査読者に何か絶対的な権利や正統性があるわけでは決してありません。ヘビー
な議論がなされました。続編が必要かもしれません。
第10号特集のテーマは「環境の実在を質的心理学はどうあつかうのか」(南
博文・佐々木正人責任編集)で、締め切りは10月末日です。「掲載見送り」を
恐れず、勇気とファイティング・スピリッツをもって是非ご投稿下さい。
(編集委員長 麻生武)
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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□
【注意!】情報提供は、こちらから連絡がとれるアドレスをご記入ください。
記事に関して、ご確認させていただく場合があります。
また、掲載情報は、簡潔に編集させていただくことがあります。
研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■ 研究会情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
○日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会第56回大
会での講演のお知らせ
日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会第56回大
会は、10月10日、11日、12日の3日間にわたって、大阪大学(吹田キャンパス)
で開催されます。
http://www.wdc-jp.biz/jssp/conf2009/
1日目にはKenneth Gergen先生の特別講演「A Social Constructionist
Psychology: Creativity,Reflection,and Practice」、韓国の趙 恩慶先生
(翰林大学校)の講演「韓国における刑事裁判への社会心理学の応用」があり
ます。
(情報提供者 サトウタツヤ様)
○ガーゲン先生ご夫妻 講演会のお知らせ
日本質的心理学会後援でガーゲン先生ご夫妻の講演会を開きます。ぜひご参加
ください。
ガーゲン先生ご夫妻 講演会のお知らせ
社会構成主義で著名なケネス・ガーゲン先生(スワスモア大学教授)とメア
リー・ガーゲン先生(ペンシルバニア州立大学名誉教授)が来日するのにあわ
せて、公開講演会を行います。
主催 立命館大学人間科学研究所
立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム
「法と心理学」研究拠点の創成
後援 日本質的心理学会/対人援助学会準備会
時 2009年10月12日(祝・月) 開場 14時00分
所 立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム(地図24番)
地図 http://www.ritsumei.jp/campusmap/index_j.html
この講演会は、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサー
チ・センター整備事業「臨床人間科学の構築-対人援助のための人間環境研究-」
プロジェクトの研究成果として広く社会に発信するものです。
事前申し込みは不要ですが、出席ご希望の方はlecture1012@gmail.comあてに
メールいただけると幸いです(タイトルは「ガーゲン講演会」)。満席の場合
には事前連絡者を優先します。
タイムテーブル(両先生の演題はいずれも仮題です)
14:30 14:40 開会の挨拶
14:40 15:40 メアリー先生講演「フェミニズム心理学のためのナラティブ方
法論」
15:40 16:40 ケネス先生講演「文化・歴史的視点からみた心理療法」
16:40 17:00 休憩
17:00 17:40 総合的な議論
講演は短く区切らせていただき、ファシリテータによる日本語解説と参加者の
シェアリングをはさみます。
<立命館大学人間科学研究所・問い合わせ先>
lecture1012@gmail.com(担当:上村)
(情報提供者 サトウタツヤ様)
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■著書の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
○『質的研究法キーワード』(金子書房)
上淵寿(監訳) 上淵寿・大家まゆみ・小松孝至・榊原知美・丹羽さがの・
野口隆子・野坂祐子・山本良子(訳)
Bloor,M. & Wood, F.(2006). Keywords in qualitative methods: A
vocabulary of research concepts. Sage. の全訳である本書は、質的研究を
行うすべての学問分野から62の用語を精選し、その定義と特徴、研究例を挙げ
ながら解説したものである。質的研究は方法論のみならず、あくまで実践であ
り、その過程においては現場とのさまざまな葛藤が伴うことは、実践者なら誰
もが感じることであろう。
本書は訳題どおり「キーワード」についての解説であるが、たんなる用語の
理解にとどまらず、用語や概念の実践的意味について述べられたものである。
そのため、初めて用語に接する方にとっては、質的研究の基本的な考えや議論
を網羅的に知ることができ、すでに研究を行っている方にとっても、概念の成
す意味を再認識するのに有用であると思われる。
各項目には、「関連ワード」と「キー・リーディングス」がついているため、
誰でも関心のあるキーワードから読み進め、関連事項を学ぶことができる。「
キー・リーディングス」では、古典といわれる質的研究から近年の研究論文ま
で幅広くリストアップされているうえ、訳書ではさらに、出版されている邦訳
書や訳者による参考文献も付記されている。
質的研究のオリエンテーションとして、さらに質的研究を深めるためのツー
ルとして、広く活用いただきたい。
(書籍情報)http://www.kanekoshobo.co.jp/np/isbn/9784760826254
(情報提供者 野坂祐子様)
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[クッピーより]
第59号はいかがでしたか。今後とも「見やすい、面白い、役に立つ」、そん
なメルマガにしていきたいと思います。皆さまからのアイデアやご意見をどし
どしお寄せください。編集委員一同、心よりお待ちしております。
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第59号担当:大倉得史・野坂祐子・荒川歩
発行:日本質的心理学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/
発行日:2009年9月25日
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●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
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情報提供・投稿は、各号15日までにお願いします。
http://wwwsoc.nii.ac.jp//cgi-bin/jaqp/yomi-mailer/y_mail.cgi?id=info
(メールソフトによっては、改行されていることがあります)
●アドレスの変更、配信の停止を希望される場合は、お手数ですが学会事務局
までご連絡ください。
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