日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃5┃
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役立つ情報を共有しましょうよ
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.9 ======================2005/4/20

クッピーです。サクラも散りましたが、クッピーのお気に入りの、
見事なヤマザクラは、ソメイヨシノより、ちょっぴり遅く、今が満開です。
みなさまも、いろいろな春をみつけていることでしょう。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●大会準備委員会より第2回質的心理学会は、9月8日(午後)9日(終日)

●風に聞く・風を追う:人生の質の変容をとらえる眼 岡本祐子先生
●学会より会員のみなさまへ:<事務連絡・各委員会報告>
○事務局より  「2005年度会費納入のお願い」
○編集委員会より
●「質的研究」情報コーナー:
投稿の呼びかけ・投稿要領・研究会の紹介・著書の紹介
○著書の紹介 「教育研究のメソドロジー
学校参加型マインドへのいざない」
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□■□■□■□■大会準備委員会より  日程の変更!□■□■□■□■□■

臨時メールマガジンでお知らせした通り、第2回質的心理学会は、
2005年9月8日(午後)、9日(終日)に東京大学本郷キャンパスにおいて
開催させていただきますことを、あらためて報告させていただきます。

会員の皆様には質的心理学研究第4号においてすでに日程をご案内しており、
ご迷惑をおかけすることになりましたことを深くお詫び申し上げます。

なお、参加申し込み等の詳細は今後のメールマガジンやWebサイトにおいて
近日中に、ご案内させていただく予定です。

質的心理学会第2回大会 大会委員長 秋田喜代美

お知らせ! 近々準備委員会からのお知らせがメルマガとは別に
メール配信されますので、是非ご覧下さい。

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風に聞く・風を追う:人生の質の変容をとらえる眼
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質的研究のキーパーソンに、大いに語ってもらうコーナーです。
それでは、第8回目の「語り」は、岡本祐子先生です。

☆☆☆ 岡本祐子 (広島大学大学院教育学研究科) ☆☆☆

今年1月22日、奈良女子大学で質的心理学会ワークショップが開催され、
話題提供のご依頼を受けて参加させていただいた。数年ぶりの奈良路で
あったが、私の心の世界にとっては、これまでとはいささか趣を異にした
旅であった。心理学の新しい潮流と、自分自身の「人生の峠」の感覚と。
心の中のこの二つが絶妙に響き合って、一層感慨深く感じられたからである。

青年期以来、私は、おとなの人生の危機に見えてくる心の世界に関心が
あった。心はどこへ向かって発達していくのか。心の発達・成熟の契機とは
何か。 こんな途方もないことを、学部生の頃から本気で考えていた。
こういう問題に正面から取り組もうと思えば、研究法は必然的に、「質的研究」
にならざるを得ない。若い頃から、私は、面接調査でデータを得、膨大な面接
逐語録の言葉の山に悪戦苦闘してきた。 それが「宝の山」であるという確信は
あったが、その中から何か、「普遍的な知見」を取り出すことは、なかなか
困難な道程であった。 しかしながら、自分の研究法の意味をあまり疑いもせず、

心臓強くも大胆な知見を発表してきたのは、そこから見えてくる世界が、
極めて魅力的なものであったからである。質的心理学会の誕生は、こういう
研究と研究法が正面から討議される土俵が形成されたことを意味する。
ようやくという感もなくもないが、本当に喜ばしいことである。

昨夏、私は、病を得て入院し、無事元の生活に復帰を許されたものの、
体・心・頭脳の回復にはかなりの時間を要した。若い頃から研究してきた
中年期の峠を本当に越えつつあることを実感したものである。実は、奈良
への旅は、復帰後初めての遠出であった。病気という体験は、心の中に
「異界」を形成する。これからは、光のあたる健康な世界と、水底のような
「異界」を行きつ戻りつしながら、「人生の危機の心理臨床」の研究と実践
に携わっていくことになるのだろうと、考えた。

歳月の流れの中で、学問も研究者である自分自身も変容していく。 今日、
臨床心理学も、Evidence Based Study といわれるようになった。
質的エヴィデンスを生成する研究・研究法とは、どのようなものか。
これからは、その道を幾本にも増やし、道幅を広げていくことが課題になる
であろう。 「個を深く追求した研究は、必ず普遍性をもつ」という言葉の
重みを、改めて感じている。

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学会より会員のみなさまへ
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◆◆◆事務局より 「2005年度会費納入のお願い」

すみやかに予算をたて会の活動を活発に行うためには会員のみなさまからの
会費納 入が不可欠です。よろしくお願いします。

◆◆◆編集委員会より

春、春、春ですね!今年は春の訪れが遅かったぶんだけ、花々が一気に開花
しまし た。3月には、みなさまのお手元に、春の香りと共に「質的心理学研究
第4号」が届 いたことと思います。
学会誌になって、はじめての雑誌、編集委員が総力をあげてつくりました。
いかが でしょうか。投稿論文も増え、ずっしりと分厚くなって、中身も力作が
そろっていま す。どうぞ、感想などをお寄せください。また、ぜひこの機会に
所属の図書館にも購 入おねがいします。友人も学会員にお誘いください。
特集論文は3月末で締め切りましたが、一般論文は5月末まで募集しています。
投稿 される際には、必ずHPを参照ください。投稿規定の変更や、論文
フォーマットなど、 最新情報を順次HPに掲載していく予定でいます。
心理学に限らず、さまざまな領域 の、斬新で独創的な論文をお待ちしています。

(編集委員長 やまだようこ)

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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□
【注目!】各種研究会の研究交流委員会共催(または後援)の要件についてを
HPに掲載しましたので、ご参照頂きたくお願いします。
http://quality.kinjo-u.ac.jp/kyousai-youken.html
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
*会員限定ページは,「ユーザー名 member パスワード q-kaiin」
で,閲覧可能です。総会資料,メルマガのバックナンバー等を
読むことができます。
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■ Joseph Tobin教授講演会のお知らせ━━━━━━━━━━━━━━┓

Joseph Tobin(アリゾナ州立大学教育学部教授)
講演題目「Video-cued comparative ethnography」
(ビデオを手がかりにした比較文化エスノグラフィー)

指定討論者 波多野誼余夫(放送大学)・恒吉僚子(東京大学)
通訳 門田理世(西南学院大学)
司会 秋田喜代美 (東京大学)

5月20日(金)18時から
会場 東京大学教育学部赤門総合研究棟A200
入場料 無料(教室収容人数は100名まで)

Tobin氏は、ビデオを用いた教育の比較文化研究の先駆的研究者として
” Preschool in three cultures; Japan, China, and the United
States”(1989)
の著書で国際的に著名であり、教育の質的研究法について多くの論文を執筆
されておられます。本講演では現在進行中プロジェクトを含め比較文化研究を
中心に、ビデオを用いた質的研究のあり方についてお話いただく予定です。

東京大学幼児教育研究会、東京大学教育学