日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃4┃
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
日本質的心理学会 メールマガジン No.4 ======================2004/11/20
クッピーです。名古屋の番組で、ワッキーという方が、全国を「しりとり」
で旅をしていましたが、クッピーも質的研究という大きな世界に旅立っている
ようです。質的研究の研究方法の実践的なワークショップや研究会が各地で
広がっていますね。
参加された方は、ぜひ内容を投稿していただければ嬉しいです(^^)。
▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●風に聞く・風を追う:学会ネーミング問題? 学会のネーミングは問題?
●学会より会員のみなさまへ:
○編集委員会からのお知らせ
●「質的研究」情報コーナー:
○「臨床心理行為」をよりよく記述するための質的研究法ワークショップ
○【近日開催!】質的心理学研究検討会
○オーラルヒストリーの会 第7回研究会「生きる場と語られるストーリー」
●学会ホームページの裏技紹介
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風に聞く・風を追う:学会ネーミング問題? 学会のネーミングは問題?
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質的研究のキーパーソンに、大いに語ってもらうコーナーです。
それでは、第4回目の「語り」は、サトウ先生です。
☆☆☆ サトウタツヤ (立命館大学) ☆☆☆
実は、10月号への執筆依頼をもらっていたのだが、色々あってお断りして
いた。そして、その「お断りの効力」は半年くらい有効だと考えていた。
ところが、なんと11月号への依頼が来ていたのであった。しかし、その
11月号への依頼を、10月号の依頼の繰り返しと思っていた私は、「終わった
話なのに!」と馬耳東風状態であった。しかし、実際にはそうではなく、
依頼は月ごとに更新されるということであった。
私もニューズレターなどの編集・発行に携わったことがあるから、その
編集作業の大変さは分かっている。そうした経験からしても、メルマガを
毎月1回出すということは想像を絶する頻度である。毎月の刊行を維持しよう
という努力を前にして、こちらの事情だけで断るわけにはいかない、と観念
したのであった。
さて、本題だが、学会のネーミング問題、というのがどうもあるらしい。
日本質的心理学会という名称のことである。ことさらに質的、と言う必要が
あるのか、あるいは、心理学という名称を付けると、学問領域を狭くして
しまうのではないか、ということである。
2004年03月20日(土)の日本質的心理学会設立記念集会における
シンポジウム「質的心理学が切り開く地平」の席上でも述べさせてもらった
のだが、こうした指摘は半分は外れているし半分は当たっている。
質的、と言わなければいけなかった文脈があるのだし、心理学をやってる
人たちがそれに敏感だった、というのが「半分はずれている」という部分に
あたる。実際、11月15日現在で、366人もの方がこの学会に集まって
いただいているのだから、この名称でも十分やれたことはある、ということ
になる。
名称の限定性への懸念について「半分当たっている」という部分もある。
それは、この名称に批判的な方が(それだけが理由ではないにせよ)
この学会に入りにくい、ということである。そういう方が実際どれくらいの
数いらっしゃるのかは分からない。
この学会は雑誌と研究交流が両輪となっている。これらが魅力的であれば
ネーミングは問題でない、というのが私の立場ではあったが、このごろは
変更も有りかもしれないと思うようになった。この学会に集った会員の
一人一人が内発的問題として名称変更が必要だということになったときには
真摯に検討を始めるべきだと思い始めた。
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学会より会員のみなさまへ
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◆◆◆編集委員会からのお知らせ
○第4号の編集作業は、大忙し、これから大詰めへ
来年3月に発行予定の、第4号の編集作業は大忙し、スピードアップして
作業しています。11月末には、ほぼ概要が確定し、これから大詰めを迎える
ことになります。
○第4号「特集」の予定
次のように計画しています。ご期待ください。
-特集:質的心理学のあり方-(責任編集やまだようこ/無藤隆/サトウタツヤ)
「対談 質的心理学の来し方と行方」
大橋英寿(放送大学)・やまだようこ(京都大学)
「質的心理学が切り開く地平」
-日本質的心理学会設立記念集会シンポジウムより
大谷尚(名古屋大学)・無藤隆(白梅学園短期大学)
・サトウタツヤ(立命館大学)
「TRANSFORMATIONS AND FLEXIBLE FORMS
:WHERE QUALITATIVE PSYCHOLOGY BEGINS」Jaan Valsiner(Clark University)
「質的研究の三つのジレンマ:『再詳述法』の提案による質的心理学の可能性」
無藤隆(白梅学園短期大学)
○第4号「書評特集」の予定
先日発売されました『ワードマップ質的心理学』
(無藤・やまだ・南・麻生・サトウ編、新曜社)を中心に、看護学、情報学、
社会学、生物学など多方面の方々にそれぞれの立場から多次元的なコメント
をしていただく、書評特集を組む予定です。
○第5号の予定(再掲)
第5号は、「臨床と福祉の実践」(能智正博 責任編集)というテーマで
特集を組む予定です。質的研究は心理学だけではなく、教育学、看護学、
福祉学、医学などの実践領域においても注目されており、学際的な交流と
情報交換の場をもつことでいっそうの成果が得られると予想されます。
そこで第5号では、心理臨床、医療、福祉、その他援助場面、およびそこに
関わりをもつ人の言動を対象とした質的研究論文を幅広く募集したいと思い
ます。その現場における相互作用、関わる人々の語りやライフストーリー、
調査者と被調査者の関わりなど、検討すべき問題は多岐にわたりますので、
心理学に限らず様々な分野や視点からのユニークな研究の投稿を期待します。
締切は、来年の3月末ということになっておりますが、それまでにも投稿は
随時受け付けておりますので、原稿が完成次第、委員会の方にお送り下さい
ますようお願いします。
○「質的心理学研究」を所属機関で定期講読しよう!
みなさまの所属大学や機関などで、ぜひ「質的心理学研究」を定期的に
講読してください。学会の機能の中枢である雑誌を、ぜひ所属機関に入れて、
多くの方々に読んでいだけますようご協力お願いします。
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■□■□ 「質的研究」情報コーナー
□■□
【注目!】各種研究会の研究交流委員会共催(または後援)の要件についてを
HPに掲載しましたので、ご参照頂きたくお願いします。
http://quality.kinjo-u.ac.jp/kyousai-youken.html
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■□日本質的心理学会研究交流委員会の主催するワークショップのご案内
【「臨床心理行為」をよりよく記述するための質的研究法ワークショップ】
日本質的心理学会研究交流委員会では、ワークショップを東京と関西で企画
しています。ワークショップには、学会員はもちろん非会員もご参加いただけ
ます。臨床心理学や臨床実践にご関心のある方、あるいは、質的研究法の適用
可能性や、実践と研究との関係にご関心のある方など、みなさまのご参加を、
お待ちしています。
* なお、本ワークショップは、各日とも、臨床心理士資格認定協会の
定める1日ワークショップとして申請予定です。臨床心理士の方が
受講されますと、1日につき2Pが認められます。
【詳しくは、メールマガジン 臨時No.5(2004年11月13日発行)をご覧ください】
<1>臨床心理活動の実践に即した質的研究法の探究
■日時: 12月18日 (土) 受付 午前11時45分より午後12時25分
■会場: 青山学院大学(青山キャンパス11号館2階1123教室)
■申し込み締め切り 2004年12月8日(水)
<2>心理臨床の場をいかに記述するか?:質的研究法からの提案
■日時:2005年1月22日(土) 受付 午前11時45分より午後12時25分
■会場:奈良女子大学(文学部北棟N103教室)
土曜日のため、南門は閉門しています。近鉄1番出口側の正門
をご利用ください。
■申し込み締め切り 2005年1月7日(金)
○申し込み方法
「日本質的心理学会Webサイト http://quality.kinjo-u.ac.jp/ 上の
「ワークショップのご案内」ページから、申し込みフォーム(東京会場/
関西会場別)を利用し、必要事項を送信してください。
■ 研究会の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
□■質的心理学研究検討会
「質的研究ってどうやって研究するの?」
「質的研究では分析視点をどのように定めるのだろうか??」
質的研究に関心があるものの、どのようにアプローチしたらよいかがわから
ない、このようにお悩みの方はいらしゃいませんか?研究手法などについて、
一緒に考え議論することを通じて、本研究会が、質的研究への学びを少しでも
深める機会になればと思っています。発表者は修士論文に取り組んでいる方々
です。興味・関心をお持ちのみなさま、奮ってご参加下さいませ!
日時:2004年11月28日(日)午前11時~午後3時30分
場所:立命館大学 創思館 プロジェクト研究会室403・404
アクセスマップ
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/annai/profile/access/
キャンパスガイド
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/annai/profile/campus/kinu.html
(創思館は、芝生の広場の横にある丸い建物です。正門からすぐの所です。)
企画:立命館大学人間科学研究所
「対人援助のための人間環境デザインに関する総合研究プロジェクト」
コメンテーター:滋賀県立大学 松嶋秀明 氏
立命館大学 荒川歩 氏
発表者:
●入川常美氏(立命館大学 応用人間科学研究科 臨床心理学領域)
「老年期における発達課題と基本的信頼感との関連について」
●小宅理沙氏(立命館大学 応用人間科学研究科 対人援助領域)
「中絶・出産の社会的決定要因」
●齊藤聖子氏(立命館大学 応用人間科学研究科 臨床心理学領域)
「娘の立場から見た母親の介護体験」
●古屋佳子氏(立命館大学 応用人間科学研究科 臨床心理学領域)
「他者の援助を職業とすることの意味―バーンアウト再考からの
考察」
(なお、発表順序には変更があります。)
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□■オーラルヒストリーの会 第7回研究会
共催・科学研究費プロジェクト「語りをとらえる質的心理学の方法」
どうぞ自由に、どなたでも直接会場へお越しください。
無料です。予約も不要です。
1.日時
2004年12月12日(日) 13時~17時
2.会場
京都大学文学部新棟 第3講義室
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/map.html
3.コーディネーター
やまだようこ(京都大学)・サトウタツヤ(立命館大学)
4.共通テーマ
c
5.報告
<第1報告>
能智 正博(東京女子大学文理学部)
「失語症をもつ方のライフストーリー
―どのように聴くか、どのように語るか」
司会 徳田治子(九州女子短期大学)
<第2報告>
石井宏典(茨城大学文学部)
「戦場(いくさば)の跡を縫い合わす―那覇・新天地市場の女たち」
司会 荒川歩(立命館大学人間科学研究所)
6.報告要旨
<第1報告要旨>
ライフストーリー研究のデータは面接で語られた内容を中心とすることが多
いのだが、例えば言語障害をもつ人の場合などは、語りデータがしばしば大
幅に制限される。しかし、彼らも独自の視点に基づく独自のライフストーリー
をもつはずである。
今回の報告では、失語症で言語表出が非常に限られた一事例について、
長期的な観察と行動データ、映像データ、周囲の人からの面接データなどを
総合することにより、その事例の体験する「生きる場」に関するストーリーを
再構成していく試みを紹介する。
<第2報告要旨>
戦場となって焼き尽くされた那覇の街が復興する過程で、「新天地市場」と
呼ばれる衣料品卸市場が形成された。闇市を管理する目的で設置された公設
市場の周辺に、衣料売りの女性たちが群れだしたのが始まりだった。市場として
整備されたとき、一人当たりの売り場面積は幅60cmに奥行き90cmと決められた。
自分の身体と製品をふた山ぶん置けるだけの空間だった。1960年代の最盛期
にはここに400名をこえる女性たちがひしめき、みなが身を擦り合わせて座るさま
は、「まるで養鶏所の鶏のようだった」という。彼女たちは、品物を売り終えると
生地を買って家に帰り、それを裁断して一台のミシンを頼りに縫製し、翌日の
午前中に市場に売りに出るというサイクルを繰り返した。やがて、各地で小売業
を営む人たちが、沖縄本島に限らず、宮古、八重山、奄美など、琉球弧の島々
から押し寄せるようになった。
新天地市場は、戦争による喪失を抱えた者たちが互いに身を寄せ合い、懸命
に働きつづけつくりあげてきた場所である。ここでは、それぞれの家族を営む
一人ひとりの女たちが、出身集落ごとに結びつき、同じ台に座る者同士でも繋
がり合いながら、市場全体としてもまとまるという重層的な共同体を形成して
きた。身を擦り合わせるなかで生まれた活力を、彼女たちの語りから伝えたい。
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学会ホームページの裏技紹介
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日本質的心理学会HPの左側、上側のフレームを消す裏技です。
これにより、広い画面で日本質的心理学会の情報画面を見ることができます。
方法はホームページ内のリンククリックする時に、左クリックではなく、
『右』クリックして、『新しいウィンドウで開く』を選択すれば、フレーム
のない画面が開きます。
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[クッピーより]
第4号はいかがでしたか?交流委員会のメンバーは、主催ワークショップ
の準備で、大忙しです。クッピーもウロウロしているのですが、役にたって
いませんね。毎日が寒くなってきていますので、会員のみなさま、お体に
気をつけて頑張ってくださいネ。
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第 号担当:長谷川元洋・本山方子・湯浅秀道
発行:日本質的心理学会 http://quality.kinjo-u.ac.jp/
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●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【 学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
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