日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃
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日本質的心理学会 メールマガジン No.224号(2023)

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎学会より会員のみなさまへ
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆会務委員会より
◆研究交流委員会より
■研究会情報
◆文化理解の方法論研究会(MC研)第38回研究会のお知らせ
◆心の科学の基礎論研究会からオンラインジャーナル刊行のお知らせ
◆第25回批判心理学セッション

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◎学会より会員のみなさまへ
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◆『質的心理学研究』編集委員会より

5月の終わり、ゼミの学生と共に、自給自足の生活を目指すコミュニティにお邪
魔し、田植え作業に参加してきました。お手伝いしたのは、田植え後の補植
(ほしょく)作業。補植とは、田植え機でうまく植え付きできなかった部分に、
再び手で植え付けをする作業です。田植え用の長靴を履いて、苗をふまないよう
慎重に田んぼに入り、苗が水没したり、欠株になったりしているところを見つけ
て手で植えていきます。昨年秋は稲刈りにも参加し、コンバイン(稲刈り機)で
は刈ることのできない田んぼの端の稲を手で刈る作業を手伝いました。田植えも
稲刈りも機械を使えば短時間ですみますが、完璧ではありません。機械ではうま
くできないところを人間が補うことで米作りの大事な作業が成り立っています。
そのコミュニティでは以前は手作業が主でした。近年農地整備によって田んぼが
大きくなったこともあり、機械による作業が増えました。機械が入ると手作業の
よさが失われてしまうのではないかと思いましたが、機械が入っても人間のする
ことがまったくなくなるわけではありません。人間だからできることは残ってい
ます。たっぷりと水が張った田んぼには、補植で整えられた苗が美しく並び、
静かにその生長を待っているようでした。
日本質的心理学会発足20周年を記念した臨時特集「現場研究報告」には、多くの
方から投稿いただきました。なお、24号特集「『障害』と『病い』をめぐる質的
研究」の投稿も現在募集中です。締め切りは10月末日までとなっております。
また、すでに臨時メルマガでもお知らせいたしましたが、この2023年6月1日より
『質的心理学研究』の審査システムが変更されました。新システムは、
Editorial Managerです。ご投稿くださる会員の方にはご面倒をおかけして恐縮
ですが、何卒ご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。臨時特集を
含め2023年5月31日までに初回投稿された論文については2023年度末まで旧シス
テムで審査を継続する予定です。今年度から再投稿期限が、半年に短縮されてい
ますので、ご注意ください。なお、どうしても事情がある場合、理由とともに申
し出て認められれば期限の延長が認められる場合があります。
引き続き、特集論文、一般論文ともに多くのご投稿をお待ちしております。

(『質的心理学研究』副編集委員長 菅野幸恵)

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◆会務委員会より

2023/6/6現在の会員数及び会費納入率をお知らせ申し上げます。
会員数:1,231名

2023年度会費納入率:69.6%(未納者 374名)
2022年度会費納入率:89.4%(未納者 130名)

☆雨の恵みと合間の晴れの両方を、楽しむことのできる季節ですね。
いろんな日常が日常として経験できることの素晴らしさを、忘れないように
と思います。みなさまのご健勝とご活躍を心よりお祈りいたします。

(会務委員会 安田裕子)

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◆研究交流委員会より
【研究交流委員会企画  サトウアヤコ「日常記憶地図」ワークショップ開催の
お知らせ】

日本質的心理学会 研究交流委員会では、大会前企画として、このたびサトウ
アヤコさんをお招きし、「日常記憶地図」のワークショップを開催します。
「日常記憶地図」は、サトウアヤコさんが展開する、地図を用いた想起と記憶の
ワークショップです<https://my-lifemap.net>。参加者は、自分がある時期によ
く行っていた場所や道を地図上でたどりプロットしていきます。そして、普段意
識に上ることの少ない、場所や日常の風景を想起し、それらを他者と共有してい
きます。地図はこの「個人による想起」「想起内容の共有」といった各ワークを
促しつなぐものとして作用します。このワークの体験を通して、地図による共同
的な想起や記憶の継承の可能性、防災・復興における効果、まちづくりや組織変
革への援用、ヴィジュアル・ナラティヴや語りとの関連性など、複数の視点から
の意見交換が進むことを期待します。
ワークショップは2回に分けて実施します。一つはオンライン開催です。全国
どこからでもご参加いただけます。もう一つは、被災地での記憶の継承を視野に
入れ、福島県双葉町で実施します。双葉町は、東日本大震災後の原発事故により、
全町避難が県内で唯一続いていた自治体でしたが、2022年に一部避難指示が解除
となり、現在約70人の住民が町での生活を始めています。双葉町では震災前後の
町を知る方々(町職員)にもご参加いただきます。未だ帰還が果たせない土地の
記憶とわたしたちはどう接するのか。フィールドだからこそ得られる気づきがあ
るものと思います。みなさまのご参加をお待ちしています。
なお、ワークショップの特性上、また、双葉町開催については町のご負担も考
慮に入れ、人数を絞って実施します。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

[日時/会場]
(1)オンライン開催(zoomを使用)
2023年7月22日(土) 13:30-15:30
(2)福島県双葉町開催(対面)
2023年8月17日(木) 13:30-18日(金)12:00
会場: 双葉町内(最寄駅:常磐線双葉駅)
※詳細についてはフライヤー(リンク)をご確認ください。

[募集人数]
(1)オンライン開催 32名
(2)福島県双葉町開催 9名

[参加前の準備] 参加に際して事前に準備いただくことがあります。
(1)使用する地図の用意[オンライン・双葉町参加者共通]
(2)1時間程度の個人ワークの実施[オンライン・双葉町参加者共通]
※詳細についてはフライヤー(リンク)をご確認ください。

[応募方法]
以下の応募フォームよりお申し込みください。応募前に、必ずフライヤーの情報
を確認してください。

<https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSemdR_QHa7kJseO7CLWkzrgruLCb7jswdpgFZH02k5gcSWR-A/viewform?usp=sf_link >

※応募の締め切りは7月1日(土)です。
※オンライン開催、双葉町開催のいずれか一つに参加できます(両ワークショッ
プへの応募は可能ですが、応募の際に優先順位をお聞きします)。
※応募多数の場合は抽選となります。応募締め切り後、「参加確定」「落選」を
ご連絡します。
※本ワークショップは日本質的心理学会の会員限定企画です。応募時に日本質的
心理学会の会員番号の入力が必要です。

[問合せ先]研究交流委員会 安斎聡子(a_anzai@ccs.aoyama.ac.jp

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■□■□会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月15日〆切です。
<https://jaqp.jp/mail-magazine-offer>

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■研究会情報

◆文化理解の方法論研究会(MC研)第38回研究会のお知らせ

文化理解の方法論研究会では、文化について関心を持つ有志が集まり、文化と
(文化的)他者との対話的共生をめぐる理論・実践について議論を行っており
ます。研究者に限らず、広く皆様のご参加をお待ちしております。
(研究会HP:<http://rcsp.main.jp/mc/index.html>)
●日時:2023年7月8日(土) 14:00~18:00
●場所:zoomによるオンラインミーティング
●お申し込み方法・連絡先など:参加費用は無料です。MC研のメーリングリス
トに未登録の方は、事前に以下のURLからお申し込みください。当日のミーティ
ングIDとパスワードをお送りします。<https://forms.gle/aPVrKf9mTVp4Ey6V9>
●zoomシンポ「多文化の<人と人の関係>イメージ:私をつつむ母なるもの」
母との未分化一体の世界から、やがて子が自分を切り離し、自立した後でまた
個と個として関係を結ぶ。欧米発の発達の見方としてなじみ深い図式はどこま
で妥当なのでしょうか。日本の女子大生に母子の関係イメージを描いてもらう
ことで、個として切り離せない「私」をつつむ「母」との関係が浮かび上がり
ます。しかもそのイメージには日本という枠を超えた普遍性が現れているのだ
としたら?やまだようこさんが出版された「私をつつむ母なるもの:多文化の
「人と人の関係」イメージ」(新曜社)をめぐり、議論を行います。
●話題提供 やまだようこ(京大名誉教授・立命館大学:生涯発達心理学
・もの語り心理学・文化心理学)
●論点提起
1. 横山草介(東京都市大学:質的心理学・文化心理学)
2. 呉宣児(共愛学園前橋国際大学:環境心理学・文化心理学)
3. 山本登志哉(発達支援研究所:文化発達心理学・法心理学)

(情報提供者 渡辺謙仁様)

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◆心の科学の基礎論研究会からオンラインジャーナル刊行のお知らせ

このほど『こころの科学とエピステモロジー』Vol.5(2023)を刊行しました。
<https://sites.google.com/site/epistemologymindscience/home>  
<https://www.jstage.jst.go.jp/browse/epstemindsci/-char/ja> 
——————–特集 人文死生学——————–
〇原著 南学正仁 「なぜ私が死ななくてはならないのですか?」:科学とし
ての医療が崩れるとき
〇最近研究事情瞥見 水島淳 反出生主義の精緻化と〈生まれてこない方がよ
かった〉という嘆きのケアを考える
〇研究随想 渡辺恒夫 異世界転生は可能なのか?:可能世界・フッサール現
象学・5次元主義的物語論
〇書評・久場政博 新山喜嗣著『死~生命はなぜ死を受け入れたのか、また、
私は死ねばただ無になるのか』(春秋社、2022年)/・重久俊夫 『死』(新
山喜嗣著・春秋社、2022)を読む:死んだ後も私はあるのだろうか?
〇ゲストエディター解説 新山喜嗣 「特集 人文死生学」の読み方
——————–一般論文・記事———————-
〇編集委員会 第4回「こころの科学とエピステモロジー奨励賞」結果報告
〇溝口元 黄信者(2022)「Indigenous Psychologyの視座からみる大正期の雑
誌『変態心理』」への心理学史・学術史からのコメント
〇渡辺恒夫 他者問題とその無限の射程:西研からの反批判に答える
〇書評 芹場輝 生態学宣言:田中彰吾『自己と他者:身体性のパースペクテ
ィヴから』を読む
〇映像メディア時評 特集 土居豊 「京アニ作品の死生観」論 2 音楽ア
ニメの死生観~『けいおん!』『響け!ユ ーフォニアム』の場合】

(情報提供者 渡辺恒夫様)

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◆第25回批判心理学セッション

日時:7月23日(日)、午前10時開始
開催形式:Zoomによるオンライン開催

発表者
和田香織(カルガリー大学)「医療化される悲嘆:正常と異常の線引きをめぐる
考察」

発表要旨:ICD-11とDSM-5-TRの最新改訂版において、「遷延性悲嘆障害」(複
雑性悲嘆)が正式に採用された。これにより、「正常」とみなされない悲嘆や
喪失反応が精神疾患して分類されることになった。しかしその一方で、「正常」
な悲嘆とは具体的にどのようなものであり、それは誰にとっての「正常」なのか。
悲嘆が疾患として概念化されることで、どのような社会的な影響が生じるのか。
本発表では、疾患概念の社会的構築性や悲嘆の文化的な規範に着目しつつ、悲嘆
の医療化の矛盾や諸要素を解きほぐす。

参加費:無料
主催:日本心理学会批判心理学研究会

参加を希望される方は下記のグーグルフォームから、前日までに申し込んでくだ
さい。
<https://forms.gle/iBse1RTEDigTVN6S8>

(情報提供者 いとうたけひこ様)

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[クッピーより]
梅雨の晴れ間の公園に、小さな男の子と、サッカー日本代表のTシャツを着た
小学生がいました。鯉やメダカが泳ぐ池へシロツメクサを投げ入れる男の子のこ
とを、魚は花を食べないのに…と思って眺めていたら、小学生は「お魚はお花を
食べないけど、お花をおうちに飾るよね」と、男の子に言いました。そして、
「大きくなったら何になりたい?サッカー選手になりたいなら、僕が教えてあげ
るよ」と声をかけました。男の子の「バスの運転手になりたい」という返答は想
定外だったようで小学生は目を丸くしましたが、すぐに笑顔になり「バスの運転
手さんは色んなところに行けるから、とってもいいと思う」と応じていました。
つかの間のやりとりの清々しさは、最近持て余していた窮屈さを、さっと吹き飛
ばしてくれました。あの小学生の度量の広さは、目下の憧れです。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
担当:當銘美菜・香曽我部琢・坂本希世
発行:日本質的心理学会 <https://www.jaqp.jp/>
発行日:2023年6月20日
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れる場合は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp-post@as.bunken.co.jp
●質的研究に関する研究会や公募等の情報提供および共催のご依頼は、下記の
フォームからお知らせください。いただいた情報は、メールマガジン等に掲載し、
共催については委員会内で検討のうえ、お返事差し上げます。
<https://jaqp.jp/mail-magazine-offer>
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