2020年度の研究交流委員会企画は、アクションリサーチをテーマに過去2回実施してまいりました。このたび、アクションリサーチの立場から研究活動に取り組まれている八ッ塚一郎先生(熊本大学)を講師としてお呼びし、3回目の研究会を下記の通り開催する運びとなりました。ご興味のある方のご参加をお待ちしております。

タイトル

「存在としてのアクションリサーチ:御用学者はアクションリサーチの夢を見るか?」

趣旨

アクションリサーチという言葉から浮かび上がるのはどのようなイメージでしょうか。「足しげく現場に通い、汗を流して実践し、時に人々と酒を酌み交わす研究スタイル」、「現場を変えることが至上命題の“過激”なアプローチ」など、人それぞれ違ったイメージがあるのではないかと思います。「研究者と研究対象(フィールド)の間に一線を引いて対象を客観的に研究」する論理実証的な考え方に、きっぱりと決別するのがアクションリサーチの原点であることは言うまでもありません。しかし私たちは、「いかに頻繁に現場を訪れ、当事者とディープに関わり、現場の改善に貢献できたか」という点ばかりに目を奪われて、アクションリサーチの本質までも過剰に解釈し過ぎていないでしょうか。「それって、現場の荒波に耐えられる鋼のメンタルと、プライベートも喜んで研究活動に捧げられる奉仕の心の持ち主だけが許される研究スタイルでしょ? 私にはちょっとそこまでは…」などといった、躊躇いや尻込みの思いを抱いておられる方も、もしかしたら少なくないかもしれません。
この研究会では、一人ひとりのアクションリサーチ像を改めて問い直すことを通して、アクションリサーチの「間口を広げる」ことを目指します。「間口」には、リサーチの対象や方法、アクションの種類やその深度など、多くの意味が重ねられています。アクションリサーチに関する八ッ塚先生ご自身の豊富な経験をもとに、「実はこれもアクションリサーチなのでは?」という刺激的な問いかけがなされるはずです。「それって本当にアクションリサーチなの?」と、思わず問い返したくなるかもしれません。むしろ、そうした素朴な問いを端緒として、アクションリサーチの基本的な考え方やその可能性、多様性を、参加者のみなさまと一緒に学び合う場にしたいと考えています。
過去2回の企画にご参加いただいた方はもちろん、今回初参加となる方も大いに歓迎いたします。従来の研究会と比べて少しばかり「異質」な場とお感じになるかもしれませんが、その「異質」こそ、質的研究を大いに盛り上げるための重要なエネルギーとご理解いただき、ご自身の研究を新たな視点から捉えなおす機会としての“異文化体験”を、ぜひお楽しみいただきたいと考えております。多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

登壇者

八ッ塚一郎先生(熊本大学)

司会

河合直樹(札幌学院大学)

日時

2021年3月14日(日) 15:00-17:00

場所

ビデオ会議システムZoomを使います。
接続先のURLは、お申し込みいただいた方にメールにてご連絡いたします。

申し込み方法

以下のリンクから必要事項をご入力下さい。
申し込みフォーム
なお、申し込みは先着20名様までとさせていただきます。ご了承ください。

連絡先

jaqp_event_ar2020@googlegroups.com (担当[代表]:河合)

参加費

無料

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