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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.159======================2018/1/24

2018年もみなさまにとって良い一年になりますようにお祈り申し上げます。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎ 学会より会員のみなさまへ

◆研究交流委員会より:質的研究セミナーのお知らせ
:フィールドワーク研究会のお知らせ

◆『質的心理学研究』編集委員会より

◆会務委員会より

■□■□会員からの情報コーナー

■ 研究会情報

◆批判心理学セッション3

◆文化理解の方法論研究会(MC研)第16回研究会のお知らせ

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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆研究交流委員会より:質的研究セミナーのお知らせ

「なぜ意味が問われるのか-質的研究における〈読むこと〉の方法探求」

・企画趣旨:質的研究はデータや研究・分析法のみに特徴があるのはありません。
問題・テーマの設定~対象との関わり方~データの収集法~分析法~結果の表現
法が一連のつながり・流れをなしています(これを横軸・X軸とします。)また、
それぞれの過程は、認識論的背景~方法論~研究手法~テクニック(例えば、客
観性批判~関わりながらの観察~参加観察~現場での居方・関わり方)という根
底から表層への垂直軸(縦軸、Y軸)を内包しています。さらに、エピソード記
述、現象学的アプローチ、グラウンデッド・セオリーなどの研究法・分析法(Z
軸)により整理することもできます。これまでのセミナーでは研究法・分析法(Z
軸)を一つ選び、その研究法・分析法から研究の流れ(X軸)と研究活動の重層
性(Y軸)を考えてきました。今回はY軸を主軸として、つまり具体的な研究活
動が根底にある見方や考え方(理論や概念)とどのように関わっているのか、さ
らに、一連の研究の流れ(X軸)がどのようにつながっていくかを考えていきた
いと思います。そこで祭りや都市計画、子どもの居場所や寄り道など現場におけ
る研究の実践(フィールドワーク)と、哲学、文化人類学、文学、宗教などの理
論や概念を結びつけながら、独自の研究を進めていらっしゃる南博文先生(環境
心理学がご専門)に講師をお願いしました。1)南博文先生の話題提供をもとに、
2)質疑応答を行い、3)その上で参加者の体験も交えて、意見交換を行いたいと
思います。質的研究について、「意味を解釈する」「読む」という活動から根本的
な問いをじっくり考え、その問いと思考が実際の研究活動につながる場を目指し
ます。
・日時:2018年3月3日(土) 12時30分~15時30分(延長~16時30分))
・場所:広島国際大学広島キャンパス8階(広島駅より徒歩10分)
(http://www.hirokoku-u.ac.jp/access/hiroshima.html)
・話題提供・講師:南博文先生(九州大学大学院人間環境学研究院教授)
・話題提供「症候的に読む –テクストから都市風景まで–」
質的な分析と呼ばれる領域で用いられる「方法」があるとすれば、その主要な一
つは、一次資料を「読むこと」であると言えると思います。ただし、何でも読む
べき素材になるか、あるいは話されたことがすなわち一次資料かと言うと、そう
ではないだろうと考えます。「意味」を読み解くという行為が要請されるには、素
材の中に不可解さや、意味理解の齟齬、ディス・コミュニケーションが含まれる
という、読まれるべき対象の側からの「問いかけ」、あるいは解読を要請するサイ
ンが備わっているだろうと考えます。それをここでは、「症候」と呼んでいます。
「症候的に読む」という表現は、アルチュセールの『資本論を読む』で使われた
テクストを読む際の構造的な視点です。フロイトを意識していますが、むしろ社
会科学一般に適用される発見的(ヒューリスティック)な観点だと思います。ブ
ルーナーの「意味の行為」論をもう少し構造的に(表層と深層との段差を設けて)
見ていく視点になるかと思います。質的研究法にはいろいろな方法論があり、そ
れぞれ共通点と特色があります。この企画では、「症候的」という観点と「読む行
為」という2つの問題系について学ぶことを通して、方法論についての考察を深
めたいと思います。3つの文献を下記に掲げました。この順序で当日の議論に関
わるものです。事前に読めるものに目を通していただければ、議論が深まるかと
思います。
・事前学習図書 文献
ブルーナー, J.S.(1999,2016新装版)『意味の復権』ミネルヴァ書房
アルチュセール, L.(1996絶版)『資本論を読む上中下』ちくま学芸文庫
(1982絶版・合同出版)
赤瀬川原平(1987)『超芸術トマソン』 ちくま学芸文庫
・タイムスケジュール:
12:30 企画趣旨説明
12:40 講演(話題提供)「症候的に読む」
14:10 休憩
14:20 講師との質疑応答・参加者による討論
15:30 終了(必要に応じて延長)
16:30 延長の終了

・事前申込は不要です。当日、会場にお越しください。
・非会員の方でも関心をお持ちの方はご参加いただけます。
・問合わせ:t-kasimaアットhw.hirokoku-u.ac.jp(担当:鹿嶌)
・ウェブサイト:http://www.jaqp.jp/seminar/seminar2017.html
(順次更新する予定です)
・主催:日本質的心理学会研究交流委員会

(研究交流委員会 鹿嶌達哉)

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◆研究交流委員会より:フィールドワーク研究会のお知らせ

「社会を見据える質的研究―長期的フィールドワークと、これから」

この研究会では、15年以上にわたってフィールドワークを実践してきた4人の
研究者が登壇する。前半は、現場にくりかえし通い、そこに居る人たちとの付き
合いを重ねることをとおして、みえてきた社会の様相を伝えあう。そして後半は、
4つの研究報告をふまえ、長期的フィールドワークそのものが持つ意味や意義に
ついて、参加者全員で考える機会にしたい。

○日時:2018年3月31日(土)13時~17時 懇親会も予定
○場所:ハロー貸会議室新宿曙橋
東京都新宿区片町1-13-1 第3田中ビル2階
都営新宿線曙橋駅A4出口 徒歩3分・JR各線市ヶ谷駅 徒歩10分
https://www.hello-mr.net/detail/?obj=17
○登壇者
出口泰靖先生(千葉大学) フィールドワークの対象者:「認知症」と呼ばれる方
『あなたを「認知症」と呼ぶ前に―〈かわし合う〉私とあなたのフィールドワー
ク』を2016年に出版。
木下寛子先生(九州大学) フィールド:2001年より、ある小学校に通う。
『小学校の日々から始まる雰囲気の解釈学的現象学』を2016年度博士論文とし
てまとめる。
○企画者兼発表者
石井宏典(茨城大学) フィールド:1989年より、沖縄島北部のあるムラに通う。
「祈りの姿勢―ムラの神行事を守りつづける神人たち」(2014)以後、彼女たち
の営みの現在を伝える。
青木美和子(札幌国際大学) フィールド:障害者福祉施設
『福祉の現場における「共生」に向けたコミュニティの生成』を2016年に出版。
○詳細はメルマガ2月号でお知らせします。
○主催 日本質的心理学会研究交流委員会
○参加費:無料
○申し込み・問い合わせ先:m-aoki@ts.siu.ac.jp (青木美和子宛)

(研究交流委員会 石井宏典・青木美和子)

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◆『質的心理学研究』編集委員会より

新年明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、いかが
お過ごしでしょうか。
毎年のことですが、12月から1月にかけては卒業論文、修士論文の指導に追わ
れ、バタバタします。私の所属校では大学院進学をしない人の方が圧倒的多数で
すので、多くの人にとっては卒業論文が最初で最後の論文となります。そのため、
論文の完成度よりも自分自身の問いを見つけてもらう事、その中で学問の大切さ
を少しでも感じてもらう事を念頭に日々学生と向き合っています。学部学生には
3、4年生の2年間をかけてゼミで指導しますが、私自身が大学院時代に繰り返し
教わった「学問とは問うて学ぶこと」との言葉を伝える事から毎年ゼミが始まり
ます。学生は、自分が知りたいことが何なのかを考え、方法論について学習し、
苦闘しながらもそれぞれの問いを見つけていきます。今年も彼ら彼女ら自身の努
力と、先輩たちのぶ厚いサポートのかいもあり、バラエティーに富んだ卒業論文
のテーマが並びました。
『質的心理学研究』につきましても、おかげさまをもちまして、無事に次号の
入稿作業を終えました。特集が3本、一般論文が8本の計11本となっており、
質的心理学に新たな展開をもたらしてくれる刺激的な問いが詰まった一冊となる
予定です。皆様の手元にお届けできるのはまだしばらく先ですが、ぜひ期待して
お待ちください。また次次号の特集「ゆるやかなネットワークと越境する対話:
遊び,学び,創造」にも骨太の論文を多数ご投稿いただき、現在審査を鋭意進め
ております。一般論文も随時投稿を受付ておりますので、奮ってご投稿ください。
質的研究において理論的・方法的な最先端の領域を切り開くご論文の投稿を、
今年も編集委員会一同、心よりお待ち申し上げております。

(『質的心理学研究』編集委員会副委員長 川島大輔 )

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◆会務委員会より

2018/1/10現在の会員数及び会費納入率をお知らせします。
会員数:1,165名

2017年度会費納入率:89.0%(未納者128名)
2016年度会費納入率:89.0%(未納者127名)

☆日頃からの学会運営へのご協力を、まことにありがとうございます。
本年も、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。
会員のみなさまにとりまして、ますます素晴らしい実り豊かな一年と
なりますよう、お祈り申し上げます。

(会務委員会 安田裕子)

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■□■□会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月15日〆切です。
http://www.jaqp.jp/mmsubmit.html
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■ 研究会情報

◆批判心理学セッション3

日時:2月4日(日),午後2時から
会場:静岡大学東京事務所.同事務所は東京工業大学キャンパス・イノベーショ
ンセンター内,6階612号室(エレベータを出て左側正面)
話題提供1:増田 匡裕(和歌山県立医科大学) 「コミュニケーション学でもら
った“玉手箱”を心理学の“浜辺”で開けてみると(その1):バフチンの対話論に
基づく「対人関係の弁証法理論」が知られていない。」
話題提供2:百合草 禎二(主体科学としての心理学研究所) 「Tolman, C. W.
(1994). Psychology, society, and subjectivity: An introduction to German
Critical Psychology London,UK:Routledge を読む」
話題提供3:五十嵐 靖博(山野美容芸術短期大学) 「原子力発電所事故のディ
スコース分析(2):猪苗代湖ズの『プライド。祈るように叫んだ歌』をめぐって」
話題提供4:小田 友理恵(法政大学大学院) 「心理学の『科学性』について:科
学史と心理学史を踏まえた,主観性と客観性に関する考察」
話題提供5:田辺 肇(静岡大学) 「批判心理学を教育に活かすには?:精神保
健福祉史,心理学史,心理学論における(3)“心のモデル”の伝え方」

主催:(公社)日本心理学会 批判心理学研究会

参加費:無料
アクセス:JR山手線・京浜東北線,田町駅下車.芝浦口徒歩1分
(http://www.cictokyo.jp/access.html)
所在地 : 〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6.
※当日,建物玄関ロビー等に開催掲示はありませんので6階612号室までお越し下さい.

(情報提供者 いとうたけひこ 様)

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◆文化理解の方法論研究会(MC研)第16回研究会のお知らせ

文化理解の方法論研究会では、文化について関心を持つ有志が集まり、文化と
(文化的)他者との対話的共生をめぐる理論・実践両面からの議論を行ってい
ます。研究者に限らず、広く皆様のご参加をお待ちしております。
(研究会HP:http://rcsp.main.jp/mc/index.html)
【日時】2018年2月17日(土)14:00~18:00(終了後に懇親会を予定)
【会場】青山学院大学 青山キャンパス 8号館3階 W30C教室
【参加方法】参加を希望される際には、事前に渡辺忠温(研究会幹事:
mcshinki[at mark]yahoo.co.jp [at mark]部分を@に変えて送信ください)
までご連絡ください。(*参加費用は無料です)
【発表1(14:00~)】「世界」の共有と語りの揺れ動き方について:供述分析
の視点から
発表者:山本登志哉(発達支援研究所)
内容:ギブソンの概念に「探索」と「不変項」があるが、供述にみられる揺れ
動きを、取調における「客観的な事実」=「不変項」の共有と「世界の共同生
成」をめぐるせめぎあいと見ることで、その特徴から供述の真偽を判別する可
能性を論ずる。
【発表2(16:00~)】日韓の大学生の友人関係-日韓の対の構造における語り
から見る文化の立ち現れ-
発表者:朴聖希(大阪教育大学)
内容:本研究では、日韓で差を感じうる友人とのやり取りについて、留学経験
者の意見と質問紙調査をもとに3つのテーマを設定し、日韓の現地の大学生の
語りから、各国の友人づきあいの背後にある意味づけや論理を明らかにしよう
と試みた。

(情報提供者 渡辺忠温 様)

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[クッピーより]

今年のお正月に、餅つき機を購入しました。機械でついたとはいえ、やはりつき
たてのお餅は美味しいです。ついつい食べ過ぎてこのお正月で2キロ体重増加してし
まいました。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第159号担当:荒川歩・宮本匠・青木美和子
発行:日本質的心理学会 http://www.jaqp.jp/
発行日:2018年1月24日
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れる場合は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp-post@bunken.co.jp
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