日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃1┃0┃
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
日本質的心理学会 メールマガジン No.71======================2010/9/20
クッピーです。今年は酷暑の夏でしたが、近頃はようやく朝晩に涼しい風が
吹くようになってきました。ちょっと外出するのにも、やはりこれくらいの気
温が一番気持ち良いですね。大学等では秋の授業もそろそろ始まる頃でしょう
か。夏休みに十分リフレッシュした身体と頭で、勉強や読書、芸術やスポーツ
などに元気に取り組んでいきたいものですね。
▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ 学会より会員のみなさまへ
◆研究交流委員会より
○2010年度 研究奨励制度の選考結果
○2010年度 研究企画助成制度の選考結果
◆第7回大会実行委員会より
◆事務局より
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆研究交流委員会企画の研究会
○「傷つきを語ることの意味と聴くという経験 ~質的心理学における
『語り』研究の地平~」
○「サービス提供場面の質的分析 ~障害当事者参画の試み~」
■□■□会員からの情報コーナー
■ 研究会情報
◆東京フィールド研究検討会(とうふ研)第2回
◆法と心理学会第11回大会 公開企画のお知らせ
■ 著書の紹介
なし
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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆研究交流委員会より
○2010年度 研究奨励制度の選考結果
今年度で3年目となる,大学院生を対象とした研究奨励制度の選考結果が出ま
したので,ご報告いたします。今回は,7名の大学院生から応募がありました。
4名の選考委員が公正かつ慎重に審査いたしました。その結果,以下の2名の方
を採択者として選考いたしましたので,ここにご報告いたします。
1.山田嘉徳(関西大学大学院心理学研究科博士課程1年)
‘Learning process to draw upon a graduate thesis in the seminar:
Focus on the concept of “positioning” in Dialogical Self Theory’
6th International Conference on the Dialogical Self(ギリシャ,アテネ
(平成22年9月30日~10月3日)への参加・渡航費)
選考理由
山田氏は,6the International Conference on the Dialogical Self(ギリ
シア・アテネ)での発表がすでに採択済みです。国際学会における発表と交流
―とくに,対話的自己論(Dialogical Self Theory:DST)を創案された
Hurmans博士との直接的な交流―を通して,大学生の学習過程をDSTの観点から
捉えようとする研究の理論的深化が期待されます。また,DSTと複線径路等至性
モデル(TEM)との分析上のトライアンギュレーションによって,自己の変容性
のダイナミクスを記述する質的研究法の開発をめざした点も,質的研究法に対
する貢献の観点から評価される点です。総じて,近年研究が進展しつつある我
が国の高等教育研究のなかでも,とりわけ学習の質的研究の発展に対して寄与
することが期待されます。
2.小野田亮介(東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程2年)
リレー作文を通して変化する児童の人間関係および対話志向性に関する研究
選考理由
リレー作文とは,複数人が数行ずつ関わって,一つの物語を書き上げる作文
を指します。小野田氏の研究は,談話のトランスクリプト,話し合い場面を記
述したフィールドノーツ,教師や児童へのアンケート,さらにインタビューの
分析等,多様な手法から多角的に,小学校におけるリレー作文の教育的効果を
探ろうとした研究です。人間関係を苦手とする児童の存在は,教育現場の今日
的課題と言えます。児童を対象とした1学期間の継続的な調査によって,文章力
の向上はもとより,他者を理解し自分の意見を伝えようとする対話への志向性
に変容が見出されれば,社会的にも意義深い成果が得られるものと期待されま
す。テーマの新規性と共に,計画書(フィールドエントリーの状況,ラポール
形成の程度)から推察される研究の実現可能性の高さも評価される点です。
○2010年度 研究企画助成制度の選考結果
日本質的心理学会会員を代表とする研究企画を対象とした助成制度の選考結
果が出ましたので、ご報告いたします。今回は2件の応募があり、4名の選考
委員が、公正かつ慎重に審査いたしました。その結果、2件とも採択といたし
ましたので、ここにご報告いたします。
1.第3回現象学的研究方法ワークショップ事務局 ワークショップ
テーマ:「現象学の理解、現象学的研究方法の導入と分析の実践」
講 師:Amedeo Giorgi(米国セイブルック大学院大学教授)
吉田章宏(前淑徳大学教授、東京大学名誉教授)
開催地:西武文理大学看護学部講義室(埼玉県狭山市)
開催日:2010 年9 月6 日(月)~9 月10 日(金)
選考理由
現象学的研究方法の第一人者を招聘してのワークショップであり、すでに3
回目の開催を数え、周到な計画のもとで実施が決定しています。我が国におけ
る現象学的研究方法の進展に貢献することが期待されますので、本学会として
も、これを支援することを通して、現象学的研究方法の進展に貢献したいと考
えます。あわせて、本企画の成果が、現象学的研究方法にとどまらず、広く本
学会、ひいては我が国の質的研究方法の進展に寄与することを強く期待したい
ところです。以上、本企画の意義や実施可能性の点から、実施後に本学会や質
的研究法への何らかの貢献を果たすことを期待して、採択といたしました。
2.北海道ナラティヴ研究会 講演会
演 題:「エスノグラフィーとナラティヴ(仮)」
講 師:小田博志氏(北海道大学大学院文学研究科 准教授)
開催地:北海道札幌市
時 期:2011年1月下旬~2月上旬
選考理由
本助成の趣旨によく合致した申請内容であり、学会の方向性にも合致してい
ます。とりわけ、北海道地区における質的研究の普及に寄与することが期待さ
れます。予算計画も明瞭であり、実現可能性が高いと思われます。以上の理由
から採択といたしました。
(日本質的心理学会 研究交流委員会)
◆第7回大会準備委員会より
長く続いた酷暑が過ぎ去り、ようやく秋らしい季節がやってきました。2号
通信をお届けできる時期となりました。そろそろお手元に届く頃かと思います。
なお「経費節減」のお願いに応じていただいた方は、大会HPからPDF版がダウ
ンロードできますので、そちらでご覧ください。準備を着々と進め、大変魅力
的なプログラム編成をすることができました。どうぞご期待ください。
会場となる茨城大学水戸キャンパスがある水戸には、あまり馴染みがないと
いう方が多いかと思います。私も18年前に茨城大学に赴任するまでは、「水戸
黄門」「水戸納豆」「水戸泉」ぐらいしか知りませんでした。しかし、かつて
の水戸藩は御三家のひとつであり、言うまでもなく水戸は、歴史のある古い町
のひとつです。水戸藩の浪士が登場する映画「桜田門外ノ変」がまもなく公開
となり、話題を呼んでいます。ワークショップが行われる水戸芸術館は、現代
芸術をリードするユニークな施設として全国に知られています。
今回の機会に、ぜひ水戸の街散策も楽しんでいただければと思います。すで
にお知らせしてあるとおり、11月26日(金)のプレ企画では、「古地図を辿っ
て水戸を歩く」という企画もあります(講師は、茨城大学で人文地理学を担当
し、その古地図を作成した小野寺淳先生です)。ふるってご参加ください。
水戸の街情報の提供のための、大会実行委員によるブログ『そうだ、水戸へ
行こう!』も開設されました。学会参加者の皆さまに訪れてほしいお勧めの場
所や飲食店などを紹介していきます。知りたい情報のリクエストもできます。
ぜひアクセスしてみてください。
http://shitsushin.exblog.jp/
今後のスケジュールは、次のとおりです。
9月下旬 大会プログラムをホームページにて順次公開
10月10日 予約参加申込期限、プレ企画・ワークショップ・講習会申込期限
10月31日 予約参加費・諸経費払い込み期限
11月26日 プレ企画
11月27日・28日 本大会
事前申し込みが必要なプレ企画・ワークショップ・講習会への参加希望の方は、
申し込み締切後1週間以内に参加の可否をご連絡しますので(申し込み多数の
場合は抽選となります)、そのあとで振り込みをお願いします。
その他不明な点は、遠慮なく大会事務局までお問い合わせください。
日本質的心理学会第7回大会準備委員会事務局
E-mail: jaqp7info@gmail.com
Tel/Fax: 029-228-8651(茨城大学教育学部金丸隆太研究室)
(第7回大会準備委員長・伊藤哲司)
◆事務局より
9月13日付けの会員動向は以下のとおりです。
●会員数 : 960名
●2010年会費納入率 : 58%
茨城大学での第7回大会のときに1000人目の方をお迎えできると良いです
ね。さて、2011年度の第8回大会は広島で行われます。2012年度の開催校も9/
23の理事会で決定されると思います(正式決定は総会で)。決まり次第お知ら
せいたします。
◆『質的心理学研究』編集委員会より
今年は日本各地で記録的な猛暑となりましたが、皆様、この夏をいかにお過
ごしでしたでしょうか。
去る9月5日に、第2回編集委員会が東京大学で開催されました。外の猛暑
も忘れるほど、3時間の長きにわたり、様々な報告や審議が行われました。報
告事項としては、第10号発刊に向けての論文審査状況や書評原稿の依頼状況な
どが確認されました。現在、第10号掲載に向けて改稿中の会員の皆様、なるべ
く早い時期の再投稿をお待ちしております。また、第7回大会での編集委員会企
画自主シンポジウムの概要についても報告されました。大会HPには既に掲載さ
れておりますが、第12号特集への投稿準備企画も兼ねたシンポジウムに、一人
でも多くの会員の皆様がご参加下さることを願っております。
審議事項としては、査読者間で査読結果が分かれた場合の対応などについて、
活発な議論がなされました。「『質的心理学研究』だからこそ掲載できる、よ
り多くの優れた論文を掲載していこう」という方向で、引き続き、丁寧な審査
をしていくことが確認されました。また、第13号特集案についても議論されま
した。特集企画趣旨については、更なる議論を経て、第10号の巻末に掲載予定
ですので、どうぞお楽しみに。
さて、第11号特集「病い、ケア、臨床」(森岡正芳・西村ユミ 責任編集)の
締切が、1ヵ月後(10月末)に迫ってきました。準備をされている会員の皆様、投
稿をお待ちしております。なお、一般論文は、随時受け付けております。査読
を迅速に行い、査読結果をなるべく早く投稿者にお返しするためにも、「原稿
作成の手引き」を熟読の上、「チェックリスト」を添付して投稿下さるようお
願い致します。詳細につきましては、本学会HPをご覧下さい。
(学会HPアドレス:http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/)
(『質的心理学研究』副編集委員長 柴山真琴)
◆研究交流委員会企画の研究会
○「傷つきを語ることの意味と聴くという経験 ~質的心理学における『語り』
研究の地平~」
外傷体験や疾患をもつ人々がその経験を語ることはどのような意味があり、
またそれを聴くということはいかなる体験なのでしょうか。さまざまな暴力被
害者やマイノリティに関する研究と支援実践を有する講師から、傷つきそのも
のの意味、「当事者」と「支援者」のポジショナリティの問題、傷つきを語る
ことが誰にとってどのような意味をなすのか、などについてお話しいただきま
す。
【日時】2010年12月4日(土)13時半~16時半(13時開場)
【場所】東京大学法文2号館2番大教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html
【内容】
<問題提起>
徳田治子(企画者・高千穂大学)「質的心理学における『語り』研究の地平:
トラウマ・ナラティブを聴くという経験をめぐって」
<講演>
宮地尚子氏(一橋大学) 「トラウマの語り~『環状島』その後」
小西聖子氏(武蔵野大学)「トラウマを語り、聴くことの意味」
<対談>
宮地尚子氏・小西聖子氏 〔聴き手:野坂祐子・徳田治子〕
総合司会 山崎浩司(東京大学)
企画代表 野坂祐子(大阪教育大学)
【参加費】無料
【申し込み】下記申し込みフォームにて受け付けます。定員(100名)になり
次第、締め切らせていただきます。
https://ssl.formman.com/form/pc/VXe35rnCCAKWZJDC/
【協賛】東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
【問い合わせ先】
野坂祐子(大阪教育大学)nosaka〔アットマーク〕cc.osaka-kyoiku.ac.jp
○「サービス提供場面の質的分析 ~障害当事者参画の試み~」
本研修会は、保健福祉や医療現場における「サービス利用者/サービス提供
者」間の軋轢や葛藤について、サービス利用者自身の語りや、サービス利用者
自身が構成した映像や即興劇などの素材を用いて、質的に分析する試みや実践
を検討します。そして、従来の社会福祉教育のなかでは、援助対象として受動
的に扱われてきた「利用者」(人)と、教育手段として補助的に扱われてきた
「教材」(モノ)に焦点をあてて、サービス場面の質的研究方法を考察して行
きたいと思います。
保健福祉・医療現場のサービス利用者と提供者間の日々の葛藤や軋轢につい
ての相互作用分析に興味をおもちの方や、援助専門職の現任者教育や大学にお
ける社会福祉教育の学習環境のデザインに興味をおもちの方の参加をお待ちし
ております。
【日時】平成23年2月5日(土) 午前10時~午後5時
【場所】京都文教大学 指月ホール&介護演習室
【内容】
第一部
シンポジウム「障害当事者とともに行うサービス提供場面の質的分析」
・講師 その1:自立生活運動が提起したもの(立命館大学 立岩真也)
その2:障害平等体験(東大阪大学 三島亜希子)
第二部
ワークショップ「精神医療ユーザーたちのプレイバック体験」
・コンダクター 京都プレイバックシアター代表 各務勝博
・シナリオ提供&参加協力 NPO法人PRPきょうと 地域活動支援センター
(III型) きょうとWAKUWAKU座のメンバー京都
【参加費】日本質的心理学会員は無料、非会員は300円(資料代)
注1.参加申し込みを希望される方はお手数ですが、「氏名」「所属」「連絡
先」と「2月5日KBUワークショップ参加希望」と明記したFAXかメールを京都文
教大学吉村宛に送信ください。なお、会場の関係で定員になり次第締め切らせ
ていただきます。
FAX:0774-25-2409
Mail:yyoshimura@po.kbu.ac.jp(@を半角に)
注2.ワークショップ当日にはマイクロバスが近鉄向島と京都文教大学間を運
行します。近鉄向島からワークショップ会場の往復にマイクロバスをご利用さ
れる場合は、「行き」については、「向島発:9時40分」までのバス乗車が、
「帰り」については、「京都文教大学発:17時35分」までのバス乗車が便利で
す。
研修会担当
京都文教大学臨床心理学部 吉村夕里
※以上は暫定的なものです。詳細は11月前後に再度お知らせいたします。
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■□■□会員からの情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
【注意!】以下の情報は原則として会員の皆さまから投稿された情報をそのま
ま掲載しております。したがって、掲載された研究会は必ずしも日
本質的心理学会と関連するものではありません。内容・条件等を各
自にてご判断の上、ご参加ください。
【注意!】情報提供は、こちらから連絡がとれるアドレスをご記入ください。
記事に関して、ご確認させていただく場合があります。
また、掲載情報は、簡潔に編集させていただくことがあります。
研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■ 研究会情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆東京フィールド研究検討会(とうふ研)第2回
第2回とうふ研を下記の要領にて行います。参加希望の方はご連絡ください。
また、次々回の研究検討会にて検討希望の方はご連絡ください。
【日程】11月6日(土) 10時半~17時半(研究会後、懇親会あります)
【場所】武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 12号館8階第4会議室
【アクセス方法】
(1)雰囲気を楽しみたい人は、西武鷹の台駅から玉川上水散歩道を歩く。
(2)早くて楽がいい人は、JR国分寺駅からバスを利用する。国分寺駅のバス停
はちょっとわかりにくい。地図のプリントアウトが必要。
【発表者1:小林洋平(名古屋大学)】
「競技スポーツにおける困難な体験の一考察:自己の体験から」
競技スポーツにおいては、困難な体験が数多く存在します。本研究は、困難な
体験における選手当人の心理状態を明らかにすることが目的です。私自身が競技
スポーツにおける困難な体験を経験しているため、方法として、私自身の体験に
ついて面接を行い、困難な体験における選手当人の心理状態を描き出すことを試
みました。面接を通して、今まで自分が気づいていなかったことなど、様々な発
見がありました。その発見を含めた折り重なった体験を論文にしたいと思ってい
ます。
みなさまからご意見をいただき、有意義な議論をさせていただければと思って
おりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【発表者2:下條千恵(青山学院大学)】
「介護という仕事について:やりがいに焦点をあてて」
介護についての研究はバーンアウトや感情労働などネガティブな部分が取り沙
汰される多く,やりがいや喜びについては従来の研究ではほとんど焦点を当てら
れていません。本研究では介護の現場の人々の語りを面接によって聞くことによ
って,喜びややりがいなど彼らを精神的に支え,仕事に従事することができる心
理的背景の仮説生成としたいです。
質的研究自体が初めてですので、至らない点ばかりで荒削りの段階での発表に
なるかと思います。みなさまからご意見を戴き、ご助力を賜りたく存じます。
【発表者3:田中綾美(関西大学)】
「フィクションにおけるリアリティ」
理論上、全てのアーティストは、作家自身が有する何らかの『リアリティ』(
現実感覚、世界認識)を、虚構世界を構築することで描き出そうとしているとい
うことがいえるように思います。受容する側は、作家と『リアリティ』を共有す
ることができなければその作品から喜びを得ることはおそらくできないでしょう
し、話の筋を合理的に理解することすらかなわないようなケースも想定されます。
今回は、小説においてどのような『リアリティ』が表現されているのかについて
の発表です。
今現在、私は、英文学と芸術哲学を専門としており、今回の発表も、みなさん
が学んでおられる心理学研究におけるそれとは若干隔てられた関心に基づいたも
のになるかと思います。専門性の差異によって、当日の議論に若干の支障が出る
ことが想定されますが、みなさんの具体的な作品経験に照らし合わせて聞いてい
ただけるように、できる限り合理的な解釈を提供できるように準備をしていきた
いと思います。
一個の文化産物が、他者の一つの現実認識を表したものであるという事実を思
い出す時、私は人間の認識能力の働きに尽きせぬ驚異を感じます。まだまだ思索
が不十分なテーマについての発表でご迷惑をおかけすることになると思いますが、
どうぞよろしくお願いします。
【参加費/参加方法】
無料。事前に下記の連絡先にご連絡ください。
【連絡先】
m-kotaro@mx.ibaraki.ac.jp 松本光太郎宛 @を半角に変えてください。
【主催】
荒川歩(武蔵野美術大学)、徳田治子(高千穂大学)、松本光太郎(茨城大学)
(情報提供 松本光太郎 様)
◆法と心理学会第11回大会 公開企画のお知らせ
**********転送歓迎************
■開催日 : 2010年10月16日(土)・17日(日)
■会場 : 立命館大学 朱雀キャンパス JR二条駅すぐ
■所在地:〒604-8520 京都市中京区西ノ京朱雀町1
二つの公開企画が行われます。一般の方も無料で入場できますので、ぜひおい
でください。(二つの企画の日時を間違えないようお願いします)。
【特別公開企画】 シンポジウム
「司法臨床」の可能性 ― 司法と心理臨床の協働をめぐって
第1日目 2010年10月16日(土) 15:30‐17:30 立命館大学朱雀キャンパス
大講義室 企画:廣井亮一(立命館大学)・サトウタツヤ(立命館大学)
司会・指定討論:サトウタツヤ(立命館大学)
パネリスト
「司法臨床の概念―我が国の家庭裁判所を踏まえて」:廣井亮一(立命館大学)
「治療的司法の観点から―カナダの問題解決型裁判所」:村本邦子(立命館大
学)
「加害者治療の観点から―暴力加害者への治療セッション」:中村正(立命館
大学)
「弁護士の立場から―司法臨床の実践知」:中川利彦(和歌山弁護士会)
企画趣旨
現代社会が抱える深刻な課題である、少年犯罪、児童虐待、DVなどの問題は、
法と心理臨床に密接に関わることが特徴である。このような問題に対して、従
来の、司法と心理臨床の各機関の機能的分業に留まらず、両者の実質的な協働
によって、司法的機能と心理臨床的機能の交差領域に生成する問題解決機能を
「司法臨床」と呼ぶ。これを踏まえてこのシンポジウムにおいては、以下の観
点から両者の協働の必要性とそれに伴う諸課題について検討しながら、我が国
における「司法臨床」の可能性を議論する。
まず、司法的機能と心理臨床的機能を併せ持つ、我が国の家庭裁判所を取り上
げ、「司法臨床」の概念を整理し、その問題点と実現の困難性を提示する。そ
の上で、治療的司法の原理に基づくカナダの問題解決型裁判所の取り組みを報
告し、リーガル・クリニックへの展望を考える。さらに、家庭など親密圏にお
ける暴力(DV、虐待)加害者に対して、司法と臨床の協働によってどのよう
な治療実践モデルを構築できるかについて検討する。最後に、裁判所や法律相
談業務における弁護士活動をもとに、その実践知を踏まえた「司法臨床」のパ
ラダイムを整理し、我が国における「司法臨床」の展開と実現を期したい。
*特別公開企画は、一般の方も無料でご参加いただけます。
【特別公開企画】 招待講演
「心理学に基づく適切な施策のあり方:拘禁者に対する取調べ録画をめぐって」
“Psychological science and sound public policy:On video recording
custodial interrogations.”
講演者:オハイオ大学ダニエル・ラシター(Daniel Lassiter)教授
(立命館大学招聘教授)
第2日目 10月17日(日) 16:00~17:00 大講義室
*講演は英語ですが、日本語による解説があります。
講演者のご紹介
ラシター教授は現在、オハイオ大学心理学部で教鞭をとる。1984年にヴァージ
ニア大学で心理学博士の学位を取得。社会心理学をフィールドとして、人の態
度決定に含まれる情報への理解や把握に関わる研究を主要テーマとしている。
全米科学財団の支援で研究を進めており、人が他人の行動を認識する過程への
関心から、模擬陪審を使って被疑者自白のビデオ録画から人がどのように事実
を認定したり任意性を判断するかを測定するプロジェクトを進めてきた。この
プロジェクトにかかわる社会心理学的な研究成果は数多くの論文として既に19
80年代から刊行され続けてきており、被疑者取調べのビデオ撮影方法として被
疑者フォーカスの映像が引き起こす偏見(バイアス)に警鐘を鳴らしている。
そうした実践的な成果は、ニュージーランド警察で採り入れられていて、同国
では取調官と被疑者を対等に撮影するイコール・フォーカス方式が採用される
に至っている。
ラシター教授は2010年10月、立命館大学招聘教授として来日して大学院の授業
を担当していただきます。それにあわせ、学会でも特別に講演していただき一
般の皆様にも公開いたします。
ラシター教授の研究成果を紹介した文献としては以下を参照。 指宿信「取調べ
録画制度における映像インパクトと手続法的抑制策の検討」判例時報1995号
(2008.4)3~11頁
ラシター教授のホームページ:http://lassiter.socialpsychology.org/
*特別公開企画は、一般の方も無料でご参加いただけます。
(情報提供 サトウタツヤ 様)
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■著書の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
特にありません。
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[クッピーより]
第71号はいかがでしたか。少しでも見やすく、分かりやすい形を目指して当
メルマガも微修正を重ねております。今後とも皆さまからの意見やアイデアを
お待ちしております。寒暖の差が徐々に大きくなってくる季節ですので、どう
ぞお身体に気をつけてお過ごしください。
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第71号担当:大倉得史・野坂祐子・坂本將暢
発行:日本質的心理学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/
発行日:2010年9月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
●メールマガジンに掲載する研究会等の情報やアイデアを募集しております。
情報提供・投稿は、各号15日までにお願いします。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/toiawase.html
(メールソフトによっては、改行されていることがあります)
●アドレスの変更、配信の停止を希望される場合は、お手数ですが学会事務局
までご連絡ください。
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