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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.65======================2010/3/20

クッピーです。陽気はもうすっかり春、と思いきや急に冷え込んだり、荒れ
模様だったりと寒暖の差が激しい今日この頃ですが、皆さまお体など壊され
ていないでしょうか。ただ、桜が開花した地域もあるそうで、やはり春は確
実にやってきているようです。新年度に向けて何かとあわただしい時期では
ありますが、満開の桜を楽しみに今月も張り切っていきましょう。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎ 学会より会員のみなさまへ

◆研究交流委員会より:共催企画のご案内

◆事務局より

◆編集委員会より

■□■□「質的研究」情報コーナー

■ 研究会情報

○裁判員時代の法教育におけるゲーミング・シミュレーションの可能性と展望
(青山学院大学)

○ワークショップのお知らせ(京都文教大学)

■ 著書の紹介

○『臨床場面のポリティクス――精神障害をめぐるミクロとマクロのツール』
(吉村夕里著)

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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆研究交流委員会より
研究交流委員会が共催する以下のようなセミナーが開催されます。ふるって
ご参加ください。
○Wendy Stainton Rogers教授 セミナー -アブダクティブ心理学:質的研究
と量的研究の境界を超えて-
【日時】2010年4月27日(火曜日) 18:00-20:00
セミナー後に懇親会を予定しています.
【会場】明治学院大学白金校舎 本館10階大会議室.交通アクセスは,次のサイ
トをご参照ください( http://www.meijigakuin.ac.jp/access/)
【講師】Wendy Stainton Rogers氏:イギリスのオープン・ユニバーシティ教授,
国際批判健康心理学会ISCHP会長.
【通訳】笹尾敏明氏(国際基督教大学)
*講師紹介:Wendy Stainton Rogers教授
イギリスのオープン・ユニバーシティの健康社会医療学部 健康心理学科長.
国際批判健康心理学会会長.健康と福祉の領域で政策や実践を変え’現実を変え
る’ために,批判心理学の立場から様々な活動をしておられます.国際批判健康
心理学会の創設メンバーで,健康心理学における批判的アプローチを主導する
研究者です.現在の主な研究関心は,健康に関わる理論と研究方法と倫理の相
互関係の探究,特に新らしい’探究の論理’を作り上げることです.
主要な編著書は下記のとおりです.
Wendy Stainton Rogers 1991 Explaining Health and Illness: An Exploration
of Diversity, Prentice-Hall.
ウェンディ・ステイントン・ロジャース,デニス・ヒーヴィー,エリザベス・アッ
シュ編著 福知栄子他訳 1993 児童虐待への挑戦  法律文化社
Wendy Stainton Rogers & Rex Stainton Rogers 2001 The Psychology Of Gender
And Sexuality, Open University Press.
Wendy Stainton Rogers 2003 Social Psychology: Experimental and Critical
Approaches, Open University Press.
Carla Willig & Wendy Stainton-Rogers(Eds.) 2007 The SAGE Handbook of
Qualitative Research in Psychology, Sage.
【講演の要旨】
心理学における量的研究と質的研究の対立は,見せかけの問題に過ぎません.
心理学は極めて幅広い多様なディシプリンです.心理学者が問う広範なリサーチ
クエスチョンを解明するには,量的方法と質的方法の双方のアプローチが必要と
されています.両者のどちらが優れているかが問題なのではなく,’探究の論理’
こそが問われるべきです.研究活動は帰納と演繹と,解釈あるいはアブダクショ
ンによって営まれており,アブダクションが重要です.
アブダクションは仮説の検証ではなく,仮説の生成を目指すアプローチを提唱
した哲学者チャールズ・パースが初めて用いた概念です.今まさに起きている現
実を理解するには,大胆な冒険のように研究を行うことが大切です.アブダクシ
ョンが重要な役割を果たします.批判心理学者は研究対象とされた人々とコミュ
ニティに敬意を表し,社会正義を実現しようとしています.そのためにもアブダ
クションを活用できるのです.
この講演で私が構想しているアブダクティブ心理学を,詳しく説明したいと考
えています.Qメソドロジーやその他,様々な研究例を紹介します.講演が活発な
議論を促し,参加者がお互いによく知りあう機会となるように願っています.
【問い合わせ先】五十嵐靖博(山野美容短期大学):veh03661@nifty.com
伊藤武彦(和光大学):take@wako.ac.jp(@を半角に)
明治学院大学大学院心理学研究科 主催 日本質的心理学会研究交流委員会 共催

◆事務局より
2010年3月末までの会員数は912名。2009年会費納入率 : 70%です。
4月からいよいよ理事会として第3期目。新理事長のもと、事務局も脱皮を図りた
いと思っています。
新年度からもよろしくお願いします。

◆編集委員会より
年度末を迎えました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。『質的心理学研
究』第9号がお手元に届いたころかと思います。今回もまた、中身がしっかりと
詰まった論文をいくつも掲載することができました。
今回の号が、麻生武編集委員長のもとでの最後の号になります。私も、副編集
委員長としての役割を、能智正博さん・柴山真琴さんとともに、この3月までど
うにか務めさせていただきました。そのような立場になって、本当にいろいろな
面で学ばせていただきました。
『質的心理学研究』は、そのときの編集委員自身が投稿することも少なくなく、
もちろんそうした編集委員による投稿論文も、通常の査読プロセスに乗せられま
す。私自身も経験がありますが、査読結果が返ってくるときはドキドキで、とき
に思いがけない指摘をされて、むしろ査読者の見解を問いただしたくなるときも
あります。
しかし実は、複数の査読者の評価も割れることが少なくないのです。そのよう
なときは、結論としてどのようにまとめて投稿者に返すかという議論が、編集委
員会の中でなされます。そうしたプロセスそのものが、評価基準が必ずしも単純
ではない質的研究においては、とりわけ大事だと考えています。
査読結果を投稿者に返したあと、修正論文が再投稿されないままになってしま
うことがあります。査読者の熱意にあふれたコメントに応えるのが、少々重荷に
なってしまうのかもしれません。しかし、それをどうにか跳ね返していくくらい
のしぶとさが、質的研究者には求められるのではないでしょうか。
質的研究は対話です。対話の傍観者では面白くなく、少々しんどくても当事者
であり続けてこそ、醍醐味が味わえます。どうぞみなさま、これからもぜひご一
緒に。なおこの3月で、麻生武さん、小島康次さん、茂呂雄二さん、やまだよう
こさん、山本登志哉さん、矢守克也さん、それに私が、編集委員を退任します。
4月からは、斉藤こずゑさん、澤田英三さん、無藤隆さん、渡邉芳之さんが新た
に着任します。編集監事は、砂上史子さんが退き、村上幸史さんが加わります。
そして能智正博さんが、3代目の編集委員長を務めることになりました。
能智新編集委員長のもと、『質的心理学研究』のまた新たな展開がなされてい
くことを、一会員として期待したいと思います。
(副編集委員長・伊藤哲司)

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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□

【注意!】以下の情報は原則として会員の皆さまから投稿された情報をそのま
ま掲載しております。したがって、掲載された研究会は必ずしも日
本質的心理学会と関連するものではありません。内容・条件等を各
自にてご判断の上、ご参加ください。
【注意!】情報提供は、こちらから連絡がとれるアドレスをご記入ください。
記事に関して、ご確認させていただく場合があります。
また、掲載情報は、簡潔に編集させていただくことがあります。
研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■ 研究会情報    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

○裁判員時代の法教育におけるゲーミング・シミュレーションの可能性と展望
【会場】青山学院大学6号館1階模擬法廷
【日時】2010年3月28日(日)14時-17時
【企画趣旨】目下、法教育への関心が高まっている。そこで問題になっているの
が、法教育の「担い手」(教諭かリーガルプロフェッションか、あるいはその他
か)と「教材」(どのような教材を用いるか)の問題である。ゲーミングによる法
教育は、この2つの焦点を乗り越える展望を示唆している。また、法教育へのゲ
ーミングの導入は、リーガルプロフェッションが小中高の教員に一方的に教授す
るのではなく、法曹養成教育などにも応用できる、協働のための土壌となる可能
性を秘めている。本シンポジウムでは、法教育の手法としてのゲーミングに着目
し、その発展と課題について議論する。具体的には、小学校、高等学校の教員の
立場から、法教育にゲーミングを取り入れる際に期待する内容や条件などについ
て話題提供を受け、さらに法教育およびゲーミングの開発に従事する研究者、法
教育全般に関わってきた研究者から、それぞれゲーミングの可能性について指定
討論を行う。
【パネリスト】
・守屋博三(名古屋高等学校)
「高等学校における法教育:ゲーミングを用いた授業の経験から」
・新井竜太郎(大阪市立諏訪小学校)
「小学校においてゲーミングを用いた法教育をする上で乗り越えるべき課題」
【ディスカッサント】
・井門正美(秋田大学)
・江口勇治(筑波大学)
【司会】
久保山力也(青山学院大学)
【参加方法】
無料。会場の都合がありますので、下記の連絡先に事前にお申し込みください。
【参加申し込み先】
久保山力也 rikiya26@hotmail.com (@を半角に)
(情報提供者 荒川歩様)

○ワークショップのお知らせ
本ワークショップでは、障害をもつ人が体験しているケア現場の実話を素材と
して、プレイバックシアターを開催します。プレイバックシアターとは、観客が
実話を語り、その場でアクターたちが即興劇を演じる(プレイバックする)という
演劇の原点のような手法です。今回のプレイバックシアターでは、テラー(語り
手)とコンダクター(語りの聴き手)、アクター(演技者)、そして観客が一体と
なり、ケアの受け手の体験をプレイバックすることによって、ケアにおける実際
の場面から、ともに「感じ」、「考え」、「学ぶ」機会を提供します。
【日時】2010年 3月20日(土) 午後1時~午後5時半(開場:12時半~)
【場所】京都文教大学 介護演習室(光暁館1階)
611-0041 京都府宇治市槙島町千足80(TEL 0774‐25‐2400)
http://www.kbu.ac.jp/kbu/access/index.html
【内容】(1)ケアの場面のプレイバック体験
(2)意見交換
【講師】京都プレイバックシアター代表 各務勝博
注)事前申し込み制・参加費無料
【プログラム】
(1)介助の場面のプレイバック体験  午後1時~5時
身体障害の介護サービス場面についての実話をプレイバックシアターの手法で参
加者全員が追体験します。
(2)ティータイムと交流会 午後5時~5時半
※注1)参加申し込みを希望される方はお手数ですが、「氏名」「所属」「連絡
先」と「3月20日KBUワークショップ参加希望」と明記したFAXかメールを京都文教
大学吉村宛に送信ください。なお、会場の関係で定員になり次第締め切らせてい
ただきます。
FAX:0774-25-2409  Mail:yyoshimura@po.kbu.ac.jp(@を半角に)
※注2)ワークショップ当日にはマイクロバスが近鉄向島と京都文教大学間を運行
します。近鉄向島からワークショップ会場の往復にマイクロバスをご利用される場
合は、「行き」については「向島発:12時40分」までのバス乗車が、「帰り」につ
いては「京都文教大学発:18時05分」までのバス乗車が便利です。
※)本ワークショップは、平成21年~23年度 科学研究費補助金(基盤研究C)「社
会福祉教育のナレッジデザインへの利用者の参画とコミュニティ形成に関わる研究」
(研究代表者 吉村夕里)に基づくものです。
(情報提供者 吉村夕里様)

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■著書の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

○『臨床場面のポリティクス――精神障害をめぐるミクロとマクロのツール』
吉村夕里 20091220 生活書院,263p http://www.arsvi.com/b2000/0912yy.htm
(情報提供者 吉村夕里様)

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[クッピーより]
第65号はいかがでしたか。学会からのお知らせや会員の皆さまからの研究会
情報など、実は結構役に当メルマガを、これからもどんどんご活用ください。
メルマガに対する意見やアイデアも含め、皆さまからの投稿を心よりお待ちし
ております。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第65号担当:大倉得史・野坂祐子・坂本將暢
発行:日本質的心理学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/
発行日:2010年3月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
●メールマガジンに掲載する研究会等の情報やアイデアを募集しております。
情報提供・投稿は、各号15日までにお願いします。
http://wwwsoc.nii.ac.jp//cgi-bin/jaqp/yomi-mailer/y_mail.cgi?id=info
(メールソフトによっては、改行されていることがあります)
●アドレスの変更、配信の停止を希望される場合は、お手数ですが学会事務局
までご連絡ください。
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