日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃9┃
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役立つ情報を共有しましょうよ
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.62======================2009/12/20

クッピーです。早いものでもう年の瀬ですね。毎年この時期になると忙しい
忙しいと言いながらバタバタと年を越し、そのまま忙しい忙しいと言いなが
らなし崩し的に一年が経ってしまう、ということを繰り返している気がしま
す…。もう少しゆったりと時の流れを味わいたいところですが、なかなかそ
うもいかないのが実際ですよね。ここ数日で一気に寒くなりました。皆さま
風邪などひかれないように暖かくして、良いお年をお迎えください。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎ 学会より会員のみなさまへ

◆事務局より

◆編集委員会より

■□■□「質的研究」情報コーナー

■ 研究会情報

○ISCAR Asia2010(第2回大会)・DEE特別大会(共催)のご案内(筑波大
学)

○第9回リプロダクション研究会【不妊の語り】(仮)(日本大学)

○てんむすフィールド研究検討会第4回(名古屋大学)

○てんむすフィールド研究検討会第5回(名古屋大学)

■ 著書の紹介

○『質的研究のための現象学入門 対人支援の「意味」をわかりたい人へ』
(編著:佐久川 肇  著:植田 嘉好子/山本 玲菜)

○『てんむすフォーラム第4号「特集:行動主義」』
(てんむすフィールド研究会編)

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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆事務局より
今年も一年間、ごくろうさまでした。そして、ありがとうございました。
ただいま、役員選挙を実施しております。12/25必着ですので忘れずにご
投票ください。

来年度は、第三期の執行部が発足します。ますます良い年でありますように。

◆編集委員会より
師走の侯、大学で教鞭をとられている会員の皆様の多くは、卒業論文や修士
/博士論文のご指導が大詰めを迎えている時期だと思います。私も毎年、エスノ
グラフィーを手法にした質的心理学論文の作成に学生と一緒に取り組んでいま
すが、これらを学外の方々にも読んで頂けるような形にするのは、なかなかに
難しいことです。それでも、勇気を持って一歩を踏み出してみると、査読者の
方々との対話によって、投稿中の論文を別の角度から見つめ直したり、研究の
意味を再発見したりと、論文が共同で生成されていくことを実感します。
現在、編集委員会では、『質的心理学研究』第9号(特集「質的心理学におけ
る時間性・歴史性を問う」)の刊行に向けて、最終的な編集作業を行う一方で、
第10号(特集「環境の実在を質的心理学はどう扱うのか」)への投稿論文の査読
を進めています。同時に、第11号特集「病い、ケア、臨床」と第12号特集「文
化と発達」への投稿の呼びかけもしています。投稿手続きの詳細については、
本学会HP(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/)をご覧下さい。一般論文は随時受け
付けておりますが、第11号特集論文としての投稿締切は、2010年10月末日(消印
有効)です。この冬に練り始めた論文の構想が、春夏の熟成期間を経て、実りの
秋に投稿論文となって私たちの手元に届けられることを心待ちにしております。
皆様、どうぞよい年末年始をお過ごし下さい。
(副編集委員長・柴山真琴)

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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□

【注意!】情報提供は、こちらから連絡がとれるアドレスをご記入ください。
記事に関して、ご確認させていただく場合があります。
また、掲載情報は、簡潔に編集させていただくことがあります。
研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■ 研究会情報    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

○ISCAR Asia2010(第2回大会)・DEE特別大会(共催)のご案内
このたびDEEとの共催となりました。特別ゲストにジェームズ・ワーチ先生を
迎えて、下記の要領でISCAR Asia2010(第2回大会)・DEE特別大会(共催)を
開催しますので、ふるってご参加ください。
【日時】2010年1月4日 月曜日
【場所】筑波大学学校教育局(〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1 地下鉄
丸ノ内線茗荷谷駅徒歩3分)
http://www.tsukuba.ac.jp/access/otsuka_access.html
【参加費】ISCAR、DEE会員は無料、そのほかの方からは当日500円を申受け
ます。
【申込】茂呂までメイルでお願いします。会場狭小のため150人で打ち切り。
ymoro@human.tsukuba.ac.jp
【プログラム】(暫定版です、今後変更もあり得ます。)
午前1 9:00から10:30
セッション1 教師の学びと子どもの学び
宮崎清孝(早稲田大学)石黒広昭(立教大学)有元典文(横浜国立大学)
高屋景一(國學院大學)
セッション2 ・医療現場における新しい学習・発達・ネットワーク
山口悦子(大阪市立大学病院)原田悦子(法政大学)
午前2 10:45から12:15
セッション3 新しいつながりとしてのサブカルチャー
岡部大介(武蔵工大)石田喜美(筑波大)土橋臣吾(法政大学)
柳町智治(北海道大学)
セッション4 インターローカリティー:地域社会をつなぐ
矢守克也(京都大学)中村雅子(東京都市大)
ラウンドテーブル 韓国社会と日本社会のリゾーム化:今後の共同研究へ
むけて
朴東燮(釜山大学校)茂呂雄二(筑波大)ジェームズ・ワーチ(ワシン
トン大)
午後1  13:15から14:45
講演 James V. Wertsch (Marshall S. Snow Professor in Arts and
Sciences. Director, McDonnell International Scholars Academy.
Washington University in St. Louis) Mediation as a Core
Construct in Sociocultural Analysis
午後2 15:00から17:30
シンポジウム 流動的なメディア社会のバウンダリ―クロッシング
上野直樹(武蔵工大)香川秀太(筑波大)茂呂雄二(筑波大)
杉万俊夫(京都大学)ジェームズ・ワーチ(ワシントン大)
伊藤崇(北海道大学)
(情報提供者 茂呂雄二様)

○第9回リプロダクション研究会【不妊の語り】(仮)
【日時】2010年1月23日(土)12時30分~16時30分
【場所】日本大学 文理学部 3号館2F 3204教室
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/index-con/access_f.html
【演題・報告者】報告順序は変更になることがありますのでご了承下さい。
●安田裕子(京都大学大学院 教育学研究科教務補佐)
演題:不妊治療で受胎しなかった女性の,子どもをもつ選択の語り
―不妊治療をやめる選択を捉えて
●竹家一美(京都大学大学院 教育学研究科 博士課程)
演題:不妊をめぐる女性たちの語り
―「子どもを持たない人生」という選択
●竹田恵子(大阪大学大学院 人間科学研究科博士後期課程)
演題:生殖医療技術に対する専門家の視線
―医療者と科学者への聞き取り調査より
●白井千晶(早稲田大学ほか非常勤講師)
演題:第三者がかかわる不妊治療に関する語り
【共催】・リプロダクション研究会
http://homepage2.nifty.com/~shirai/html/repro.html
・科学研究費補助金・若手研究(A) 研究代表者 安田裕子
「不妊治療経験者の選択と岐路、その支援―多様な親子関係を築く女
性と子どもの語りから」
【参加申し込み】当日参加も歓迎いたしますが、資料を希望の場合は1月20
日までにお申し込み下さい。なお、参加費・資料代は500円になります。
こちらよりお申し込みをお願いします。
http://homepage2.nifty.com/~shirai/html/inquiry.html
以下をご記入下さい。
1.第9回リプロダクション研究会参加申し込み
2.氏名
3.所属・肩書き
4.今回の研究会で特に関心のある報告
5.今回の研究会をどこで知ったか
6.メールアドレス
※事務作業軽減のため、返信は省略させていただきますのでご了承下さい。
(情報提供者 安田裕子様)

○てんむすフィールド研究検討会第4回
【日時】2010年1月30日(土)10時00分~17時30分
【場所】名古屋大学 先端技術共同研究施設(この施設はオートロックです。
そのため、参加メールをいただいた際に、入室方法等をお知らせいたします。)

■ 話題提供者1 荒川歩(名古屋大学)
「脱・公正論」
合理的であること、公平であること、損をしないこと、誤りをしないことは、
一見正しそうであり、このことは多くの心理学者にとって自明すぎて疑問の余
地はない。このことに疑問を呈したところで、感情的な反応が返ってくるのは
想像に易く、想像するだけで疲れる。しかし、そもそもなぜ「合理的」でなけ
ればならないのか、損をしてはならないのか、誤りをおかしてはいけないのか、
その先に想定される、合理的で損や誤りが許容されない世界を、人々は本当に
求めているのだろうか。発表者は法学部に所属して、「正義」という言葉を頻
繁に聞くようになった。多くの心理学者は「正義」と聞くと笑うが、正義につ
いて考えたい。
というわけで、論として構成するために意見をいただければと考えています。

■ 話題提供者2 勝山知香(中京大学)
「音楽療法場面における自閉症児Mくんとの関係性の変容~コ・セラピストの
視点から~」
自閉症をもつMくんの個人音楽療法に、コ・セラピストとして4年間関わって
きました。その中からいくつかの場面をエピソード記述の形で取り上げ、関係
性の深化や関わり手のあり方について、またそこで果たされていた音楽の役割
について、あれこれと考えを巡らせているところです。少しでも出来事の本質
に迫っていけるよう、さまざまな角度からご意見をいただければ幸いです。

■話題提供者3 小林洋平(名古屋大学)
「スポーツ選手は困難な状況をどのように克服していくのか‐スポーツ選手14
名のレジリエンス」
スポーツ活動には、チームメイト・指導者との軋轢、試合での重大なミス、
怪我などの様々な困難な体験が存在します。選手たちがこれらの困難な状況を
どのように克服していくのか(レジリエンス)について、困難の克服体験を持
つ選手14名を対象にインタビューを行いました。
この14名のインタビューデータを基に、スポーツ選手が困難を克服し(乗り
越え)ていく過程とは、いったいどのようなものなのかを描き出していきたい
と思っています。具体的には、困難を克服していく過程の中で、どんなことを
考え、行動したのか、環境との関係性、困難の克服に伴う個人の変化などにつ
いて切り込んでいきたいと考えています。
質的研究については、まだまだ半人前ですので、至らない点が多々あるかと
思います。みなさまとの議論を通して、より良い研究にしていきたいと考えて
おりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【参加費/参加方法】無料。事前に下記の連絡先にご連絡ください。
■ 連絡先
k-matsumoto@esi.nagoya-u.ac.jp 松本光太郎宛 @を半角に変えてください。
(情報提供者 松本光太郎様)

○てんむすフィールド研究検討会第5回
【日時】2010年3月6日(土)10時00分~17時30分
【場所】名古屋大学 先端技術共同研究施設(この施設はオートロックです。
そのため、参加メールをいただいた際に、入室方法等をお知らせいたします。)

■ 話題提供者1 今尾真弓(名古屋大学)
「慢性の病気にかかるということ-ある患者の語りを通して」
慢性疾患に罹患された方々へのインタビューを通して、患者さんが、治らな
い病気を位置づけていくプロセスについての研究を行ってきました。 今回は、
インタビューの対象となった方々の中から、ある1人の方のインタビューを取
り上げ、その方の心的過程を描き出すことを通して、病気の経験に迫ることを
試みたいと思います。何分、初めての試みですので、至らない点が多々あるか
と思いますが、ご意見をいただき、有意義な議論をさせていただければと思い
ます。

■ 話題提供者2 松本光太郎(名古屋大学)
「こわすことを躊躇するかたちに関する心理学的考察」
ある時、施設に居住する高齢の女性と一緒に外へ出た際、外はどしゃぶりの
雨でした。彼女は施設の玄関先でザンザンと降る雨をまっすぐに見つめていま
した。私は横に立ったまま、特に言葉を交わすこともなく、しばらく時間を過
ごしました。車イスに座る彼女は時折お尻のできものの痛みで顔を歪めます。
そのたび室内に戻ろうかと私は声をかけるのですが、彼女はやんわりと断り、
雨を見つめ続けました。雨を見つめる彼女の姿はかたちを成していて、完成し
ていました。私はそのかたちをこわすことを躊躇して、ただ待っていました。
雨を見つめる彼女とそのかたちをこわすことを躊躇する私が並び、互いに隣
でたたずむ、このことについて心理学的考察を試みたいと思います。よろしく
お願いします。

■ 話題提供者3 山本一成(京都造形芸術大学)
「挑戦可能な環境の発見」
保育園でフィールドワークを行ってきました。子どもたちによる「挑戦」と
呼びうる行為が起こっている環境を、生態心理学の理論を援用しながら記述す
る研究を修士論文でまとめました。事例や考察の伝え方など、さらに内容を深
めていきたいと考えていますので、ご意見やご指摘をいただければ幸いです。

【参加費/参加方法】無料。事前に下記の連絡先にご連絡ください。
■ 連絡先
k-matsumoto@esi.nagoya-u.ac.jp 松本光太郎宛 @を半角に変えてください。
(情報提供者 松本光太郎様)

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■著書の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

○『質的研究のための現象学入門 対人支援の「意味」をわかりたい人へ』
編著:佐久川 肇
著:植田 嘉好子/山本 玲菜
2009年11月発行 医学書院
現象学をゼロから理解する質的研究超入門書
現象学はムズカシイ!? でも、真にクライエントのためになりたいと支援し、
研究を志す人に、現象学的理解は欠かせません。それができれば、どれだけ自
信をもって実践・研究に当たれることでしょう。同じように悩んだ著者が、温
め続けてきた構想「ゼロからわかる現象学」を、1冊の本にしました。支援職の
目線で読み解く現象学です。(医学書院Medbookホームページより抜粋)
■目次■
Part A 質的研究のための「現象学入門」
対人支援の「意味」を理解したい人への研究の手引き
序章 現象学的研究方法をわかりやすく学ぶには
第I章 学問の原理とは-ゼロから始めよう
第II章 「支援」から見た科学と現象学
第III章 支援の研究になぜ「実存」の理解が必要か
第IV章 「支援」における現象学的研究の基本
第V章 現象学的研究の実践 現象学的方法をどのように習得するか
第VI章 現象学的研究の具体例
第VII章 支援領域における現象学的研究の課題
Part B のぞいてみよう!質的研究
現象学の位置づけとその意味
1.質的研究とは何か
2.代表的な質的研究方法の紹介
3.質的研究法の関係図式
(情報提供者 植田嘉好子様)

○『てんむすフォーラム第4号「特集:行動主義」』
てんむすフィールド研究会編
2009年2月1日に名古屋大学で催されたシンポジウム「心理学の軌範=行動主
義とは別のあり方を考える」の記録を以下のURLで公開しています。

http://www.k2.dion.ne.jp/~kokoro/tenmus/
方法論的行動主義は、心理学のなかに深く根付いています。そしてそれが唯
一の「科学的=正しい」方法として受け入れられているように思います。そこ
でこの企画では、1.行動主義が浸透する前の心理学の状況を検討し、何が失
われたのかを吟味し、2.現在の行動主義の影響を整理し、行動主義とは異な
る心理学の可能性について議論しました。普段は議論されることのない心理学
の前提について議論ができたと思います。 ぜひご一読ください。
<主な中身>
行動主義の何が問題なのか(渡邊芳之)オルタナティブのためのコンティンジ
ェンシー再考:徹底的行動主義と文化心理学をつなぐもの(サトウタツヤ)行
動主義がくつがえしたもの-おおい隠したもの(松本光太郎)指定討論(戸田
山和久)
(情報提供者 荒川歩様)

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[クッピーより]
第62号はいかがでしたか。今月はたくさんの情報をお寄せいただきました。
今後ともぜひ当メルマガをご活用ください。皆さまからの情報提供に加え、メ
ルマガに対するアイデアやご意見もお待ちしております。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第62号担当:大倉得史・野坂祐子・荒川歩
発行:日本質的心理学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaqp/
発行日:2009年12月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
●メールマガジンに掲載する研究会等の情報やアイデアを募集しております。
情報提供・投稿は、各号15日までにお願いします。
http://wwwsoc.nii.ac.jp//cgi-bin/jaqp/yomi-mailer/y_mail.cgi?id=info
(メールソフトによっては、改行されていることがあります)
●アドレスの変更、配信の停止を希望される場合は、お手数ですが学会事務局
までご連絡ください。
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