締切:2010年10月末日(受付終了)
特集趣旨:本特集では、「病い、ケア、臨床」というテーマで、病いや障害と共に生きる場と密接にかかわる人々の心模様と関係の有り様をひもとくような研究を、広く募りたいと考えています。「病い、ケア、臨床」の場に立脚したものでありさえすれば、現象理解のための理論的考察でも、変化を意図した介入研究でもかまいません。ここで臨床という言葉は医療現場にかぎらず、広い意味で使っています。たとえば、病院、学校、家庭、地域などの場でおこなわれる、医療、介護、相談、指導などの専門的関わりから、私的関わりまでが含まれるでしょうし、病む人自身の語り、病む人の代弁者としての記録、病む人とその周囲の人との相互作用の解釈、ケアする人の体験の記述、心理臨床の場で従来なされてきた事例研究法の質的研究としての位置づけ、自伝やルポルタージュなどのような類縁の試みをどう位置づけるのかといった論考など、思いつくだけでもいろいろなものがあると思います。従来の質的研究の枠の中に入りきれないものもあるかもしれません。「病い、ケア、臨床」の場で生じる現象をもとにした知見を集結させ、質的研究として位置づけることを目指した特集にしたいと思います。
- 書籍
- 質的心理学研究:特集
- 【第11号】病い、ケア、臨床(森岡正芳・西村ユミ 責任編集)