日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃7┃
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.36======================2007/10/20

クッピーです。第4回大会は盛況のうちに幕を閉じ、大学では後期の授業
がはじまりました。新学期をむかえてあわただしい毎日を過ごしておられ
る会員の方も多いことと思います。秋といえば、食欲と読書。美味しい料
理とお酒を楽しみつつ、研究のアイディアが広がるような生活を送りたい
ものです。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■<特集> 第4回大会実行委員会より
◆1.第4回大会を終えて(実行委員長 麻生武)
◆2.第4回大会研究発表表現奨励賞の授賞について

◎学会より会員のみなさまへ:

○学会員700名突破!

○編集委員会より:
副編集委員長からのメッセージ

●「質的研究」情報コーナー:

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<特集> ■ 第4回大会実行委員会より
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◆◆◆第4回大会実行委員会より
第4回大会HP http://www.nara-wu.ac.jp/bungaku/nara07jaqp

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◆1.第4回大会を終えて

日本質的心理学会員のみなさま、第4回大会ご参加のみなさま

日本質的心理学会第4回大会 実行委員長
麻生 武

9月29日(土)・30日(日)の2日間、奈良女子大学で日本質的心理学会
第4回大会が開かれました。2日目は雨で出足が少し鈍かったにもかかわら
ず、2日間で合計349人の方に参加して頂きました。内、会員の方が166名、
非会員の方が183名でした。また、入会して下さった方が約20名あり、質的
心理学会員の数も700名を突破し、710名ほどになりました。改めて、質的心
理学が日本の土壌に根をはり、新芽をどんどん出しつつあるという勢いを実
感しました。これも、参加して下さった方、参加できずとも有形無形に、第
4回大会や学会を支えて下さっている方々のおかげと深く感謝しています。
今回の学会テーマは「歴史性・時間性との出会い in NARA」でした。学会
前には、「質的心理学に歴史性や時間性がどのように関係しているのか?」
とのとまどいの声を耳にしたりしましたが、いざふたを開けてみると、自主
シンポジウムでも企画シンポジウムでもポスター発表でも、「歴史性や時間
性」への新鮮な問いかけが、通底音として会場に深く響いていたように思い
ます。
西アフリカのモシ王国の王の系譜を唱える太鼓の音(太鼓コトバ)は、人
間の音声よりもはるかに遠くまで届くということです。奈良で打ち鳴らされ
た「歴史性・時間性」を問う太鼓の音が、色々なところで反響し、今回参加
して頂けなかった会員のみなさまの耳にも届くことを祈っています。
大会記念講演をして下さった川田順造先生も、公演前に2つのシンポジウ
ムに参加してくださり、そのシンポの話題を受けてときを遡り原爆の投下さ
れた広島のことにも触れて下さいました。歴史と記憶の問題など深い問いが
残されました。最終日のシンポジウム「聞くこととしての時間:生きた時間
の記述」も、アルゼンチンの日本移民の聞き取りから、フランスの精神医学
者のピエール・ジャネの時間概念の再発見を通して、障害をもち不自由を生
きる人たちのパワーにいたるまで、質的心理学ならではの重層的な議論がな
されました。
学会というイベントは、答えきれない数々の問いに出会う場所だと思いま
す。その数多くの問いの中から、奈良の地と結びつき、参加者のみなさんの
記憶の中に、長く棲みつく「問い」が1つでも生まれてくることを期待して
います。そのような「問い」を抱いて、今度は筑波でお会いしょう。
無事に盛況に大会を終えることができましたこと、これもひとえに皆さま
のおかげと感謝しています。ありがとうございました。

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◆2.第4回大会研究発表表現奨励賞の授賞について
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本学会理事による厳正なる審査の結果、新設されました第4回大会研究発表
表現奨励賞は、次の方々が授賞されました。今大会は表現が視覚的に工夫され
た研究発表が数多く、結果的に1件の授賞の予定が、下記の4件になりました。
授賞にかかわらず、発表者のみなさまのご努力とご工夫に支えられ、発表会
場は熱気に包まれましたこと、ご報告致します。

■最優秀表現奨励賞
杉浦 淳吉さん(愛知教育大学)
「ゲーミングにおける感情の表出と共有――『感情キューブ』の開発と実
践」

■優秀表現奨励賞(発表番号順)
西江 仁徳さん(京都大学大学院)
「チンパンジーはどのようにして「学ぶ」のか――道具使用場面における
相互行為分析からみたチンパンジーの「こころ」と社会性」

河村 奈美子さん(札幌市立大学・奈良女子大学大学院)
「認知症高齢者へのアニマル・セラピー
――犬と控えめに交流をする参加者の言葉から見る心の動き」

荘島 幸子さん(京都大学大学院・日本学術振興会特別研究員)
「性同一性障害という身の在り方とその変容――当事者の語りから」

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◎ 学会より会員のみなさまへ
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◆◆◆事務局より

学会員700名突破!

学会中に多くの方にご入会いただき、学会員が700名を突破しました。これも
一人一人のみなさんの地道な努力のおかげです。600名記念も昨年の学会でし
た。学会から学会までの約一年間で100名の方が入会していただいたことにな
ります。700番目にあたる方には色紙をお渡ししましたが、その色紙に鹿の切
り抜きなどのデコレーションをしてくれた大会スタッフの方に感謝感謝です。
また、大会運営について、麻生武さんをはじめとする奈良女子大学の先生方
・院生さんたちにもこの場を借りてお礼申し上げます。
(事務局・サトウタツヤ)

◆◆◆編集委員会からのお知らせ

○編集委員会より

秋の実りを楽しめる季節になりました。私が勤める大学でも後期の授業が始
まり、キャンパスにも賑わいが戻ってきました。昨年度から学科編成が変わっ
たことに伴う新カリキュラムが本格的に始まり、社会学や文化人類学を専門と
する同僚と「フィールド人間学」という名称を創案して、共同の授業や実習を
展開しつつあります。質的研究=フィールドワークではもちろんありませんが、
近接領域の研究者からも、学生たちと一緒に私も多くのことを学んでいければ
とあらためて思っています。
それから、9月下旬に奈良女子大学を舞台に開催された第4回日本質的心理学
会に参加されたみなさま、お疲れさまでした。編集委員長でありかつ今回の大
会委員長という大役を務められた麻生さん――私たち編集委員長・副委員長の
間では、すべて「さん」づけで呼びあっているのです――を始め、準備に携わ
ってくださった皆さまに、心から御礼申し上げます。古都奈良の落ち着いた雰
囲気の中で「歴史性・時間性との出会い」をテーマに開催された今回の大会は、
心地よい余韻を残してもくれました。私自身、久しぶりに若草山の鹿がいる風
景にあらためて身を置いて、自然と社会の関わりなどについて、ちょっとした
インスピレーションを得たように感じています。
ところで編集委員会では、論文投稿時に、投稿原稿の分量や形式等々のこと
をあらかじめ厳密に整えていただくためのチェックリストを用意しました。前
例に必ずしもとらわれない形式の論文も質的研究では許容されるはずだという
観点からは、もしかするとこのようなチェックリストに違和感を覚える方もお
られるかもしれませんが、他誌に比べて分量制限の幅も広いなど、多様なスタ
イルを許容していこう姿勢は変わっていません。とはいえ長すぎる論文などは、
機関誌の出版のコストなどに跳ね返ってくることも事実であり、また査読・編
集をスムーズに進めるためにも、このようなチェックリストが必要だと判断し
ました。ご理解をお願いします。なおこの投稿時チェックリストは、今年12月
投稿文から適用されます。
また同時に、日本語・英語以外で書かれた文献を引用する場合等に対応しや
すいように、「『質的心理学研究』投稿論文原稿作成のための手引き」の一部
(「3。文献の引用方法と文献リストの作成」)に改正を加えました。「質的
心理学研究」では、多様な論文を受け入れていくという当初からの共通理解が
あり、引用文献についても、日本語・英語以外の言語で書かれたものが排除さ
れる謂われはないと考えています。なお具体的な改正版は、近日中にHP上で公
開される予定ですので、そちらをご参照ください。
現在、第7号(2008年春発刊予定)の編集を順調に進めています。それから
前回のメルマガでもお知らせしましたが、第8号(2009年春発刊予定)の特集
「地域・文化間交流――フィールドを繋ぐ質的心理学(矢守克也・伊藤哲司
責任編集)」への投稿締め切りが今年末(2007年12月末)と迫ってきていま
す。この特集では、特定のフィールドへのこだわりでローカルな知を生みだす
だけでいいのかという批判が存在していることを受けて、ローカルな知を広く
開いていくための取り組みや、それを支える理論的・方法的基盤を追究します。
フィールドを繋ぐこと――インター・ローカリティ――をキーワードに、斬新
な論文を募集していますので、複数のフィールドをまたにかけたダイナミック
な研究論文をぜひお寄せください。一般論文も含めて、みなさまからの投稿を
お待ちしております。
(副編集委員長 伊藤哲司)

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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□

【注意!】情報提供は、こちらから連絡がとれるアドレスをご記入ください。
記事に関して、ご確認させていただく場合があります。
また、掲載情報は、簡潔に編集させていただくことがあります。
研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
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■ 研究会の紹介  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
公開フォーラム
「患者の語り」が医療を変えるPart2
~“がん体験をめぐる語り”のデータベースを作ろう!
「がん患者の語り」データベースとは、がんの診断を受けた方々の語りを
映像や音声の形で集め、インターネットを通じて、同じ病気の診断を受け
た方々やその家族、友人、そしてがん医療に携わる人々の情報源として提
供する、新しいがん情報ウェブサイトです。最初に診断を受けたときの気
持ちや治療法の選択において参考にしたこと、闘病中に困ったこと、生活
への影響などについての患者さんのお話を系統的に集めて、簡単に閲覧で
きるような形で保存して、ウェブ上で検索できるようにすることをめざし
ています。
このプロジェクトは、英国Oxford大学で作られているDIPEx(Database
of Independent Patient Experiences)という「健康と病いの語りのデ
ータベース」がモデルになっています。英国のDIPExには、がんだけでなく、
慢性疾患やスクリーニング検査などの体験も含めて、30種類以上、1,500人
を超す人々の語りが納められています。
本フォーラムでは、この新しいプロジェクトについてご紹介するととも
に、自らのがん体験を踏まえて社会に向けてメッセージを発信してこられ
た方々をお迎えし、がん体験を語ることの意味やその社会的影響について
考えたいと思います。
日時:2007年11月23日(祝) 13:00~17:00(受付12:30~)
場所:東京大学(弥生キャンパス・農学部内)弥生講堂・一条ホール
定員:200名
参加費:無料
お問い合わせ
http://www.dipex-j.org/inquiry.html
公開フォーラムのお申し込み
http://www.dipex-j.org/japan/application.html
(情報提供:大阪府立大学看護学部 和田恵美子様)

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[クッピーより]

第36号はいかがでしたか?このメルマガも、内容、デザインともによりよいも
のにしていきたいと思っておりますので、ぜひアイディアをお寄せください。
担当一同お待ち申し上げております。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第36号担当:永田素彦・長谷川元洋・本山方子・湯浅秀道・荒川歩
発行:日本質的心理学会 http://quality.kinjo-u.ac.jp/
発行日:2007年10月20日
●メールマガジンは、学会からの配信専用ですので返信できません。
●学会に関するご意見・ご要望は以下のWebページからお願いします。
【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
●メールマガジンに掲載する研究会等の情報やアイデアを募集しております。
情報提供・投稿は、各号15日までにお願いします。
http://quality.kinjo-u.ac.jp/~quality/cgi-bin/yomi-mailer/y_mail.cgi?id=info
(メールソフトによっては、改行されていることがあります)
●アドレスの変更、配信の停止を希望される場合は、お手数ですが学会事務局
までご連絡ください。
●このメールマガジンに記載されている内容の一部または全てを無断で転載・
複写・転送・再編集することは、著作権の侵害となりますので、お控えくだ
さいますようお願い申し上げます。また、転載を希望する場合は、学会事務
局にご連絡下さい。   【学会事務局アドレス jaqp@shiraume.ac.jp 】
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