日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃2┃0┃0┃7┃
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会

日本質的心理学会 メールマガジン No.28======================2007/1/20

クッピーです。新年あけましておめでとうございます。
今年の仕事は、すでに順調にスタートしていると思いますが、
新たなチャレンジは、ありますでしょうか。
本邦における質的研究は、まだまだチャレンジの連続だと
思います。学会会員全員で頑張って行きましょう。

▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● 2月24日(土)日本質的心理学会研究交流委員会企画セミナー 【再掲】
「質的研究法は教育研究をどう変えるか」

● 3月18日(日)日本質的心理学会後援
シンポジウム「心理療法・物語・文化」

● 3月18日(日)日本質的心理学会研究交流委員会後援
ワークショップ「グランデッド・セオリー・アプローチを学ぶ」

●学会より会員のみなさまへ:<事務連絡・各委員会報告>
◆◆◆編集委員会からのお知らせ
特集のありかた
●「質的研究」情報コーナー:
投稿の呼びかけ・投稿要領・研究会の紹介・著書の紹介・HPの紹介
○「次世代の学知構築システムを考える」
○わかりあうための思想をわかちあうためのシンポジウム
■ 著書の紹介
『現代のエスプリ(特集 構造構成主義の展開 21世紀の思想のあり方)』
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===(ここから改変を加えない限り転載可)==============
……………………………………………………………………………………………
日本質的心理学会研究交流委員会企画セミナー

「質的研究法は教育研究をどう変えるか」
- 第2報 -

2007年1月25日午前4時現在の申込者は160名です.定員200名まであと40名です.
参加を予定されていらっしゃる方はお早めにお申し込みください.
……………………………………………………………………………………………

主催:日本質的心理学会研究交流委員会
共催:日本教育工学会企画委員会,学習工学研究会(日本教育工学協会団体会員)

この度,日本質的心理学会研究交流委員会と日本教育工学会企画委員会,
学習工学研究会との共催の形でセミナーを企画しました.質的研究法に
ついての講義,講演と,質的データ(観察記録,インタビュー記録等)を
分析するワークショップを中心としたセミナーを予定しております.
国立大学入試の前日ではありますが,多数のご参加をお待ちしています.

1.日時

2007年2月24日(土) 11時から17時まで(10時半受付開始)

2.場所

金城学院大学 W9号館 1階大講義室
(名古屋駅から最短45分,中部国際空港から最短75分)
アクセスマップ http://www.kinjo-u.ac.jp/contents/access.html

(1)各方面から名鉄 大森・金城学院前駅まで

<JR名古屋駅から>
1)JR名古屋駅の7番,8番ホーム(中央線)から乗車し,JR大曽根で下車.
(どの電車に乗っても,大曽根まで行きます.)
2)JR大曽根駅の北口改札を出て,直進し,書店の前を左折.
3)ロッテリアの前の階段を上って,名鉄瀬戸線に乗り換え.
4)1番線ホーム(尾張瀬戸方面)から,乗車し,大森・金城学院前で下車.
*大森・金城学院前駅から会場までは,(2)参照

<中部国際空港から>
1)名鉄中部国際空港駅から乗車し,名鉄・金山駅で下車.
(どの電車に乗っても,金山まで行きます.)
2)JR金山駅 1番ホーム(中央線)から乗車し,JR大曽根駅で下車.
(名古屋方面とは逆の多治見・中津川方面に向ってください.)
3)JR大曽根駅の北口改札を出て,直進し,書店の前を左折.
4)ロッテリアの前の階段を上って,名鉄瀬戸線に乗り換え.
5)1番線ホーム(尾張瀬戸方面)から,乗車し,大森・金城学院前で下車.
*大森・金城学院前駅から会場までは,(2)参照

<名鉄・近鉄名古屋駅から>
1)地下鉄東山線で栄駅で下車.
2)栄バスターミナル(オアシス21のりば)方面に進み,
名鉄瀬戸線栄町駅の案内表示を捜す.
3)名鉄栄町駅から尾張瀬戸方面の電車に乗り,大森・金城学院前で下車.
(どの電車に乗っても,大森・金城学院前まで行きます.)
*大森・金城学院前駅から会場までは,(2)参照

(2)大森・金城学院前駅から会場まで

1)北改札を出て,飲食店の角を左折.山の方向に横断歩道を渡り、
坂道を上ると,金城学院大学本部棟(煉瓦色の建物)に到着する.
2)階段を上り,シャロンの橋(連絡橋)をわたると、目の前に白い大きな建物が見えてくる。
その白い建物の右側の校舎(W9号館)の1階大講義室が会場.
キャンパスマップ http://www.kinjo-u.ac.jp/contents/campusmap.html

3.プログラム

11:00-11:10 開会挨拶 日本質的心理学会研究交流委員会委員長 尾見康博
日本教育工学会企画委員会委員長    村川雅弘

11:15-12:15 講義 「質的研究とは何か
-そのパラダイム,パラダイス,パラノイア- 」
名古屋大学大学院 大谷 尚

質的研究の考え方,デザイン,方法にくわえ,
その苦しみや楽しみなどについても話していただく予定です.

12:15-12:20 諸連絡

12:20-13:10 昼食(各自)
*大学食堂リリー・イーストが営業しています.

13:10-15:40 ワークショップ「質的研究手法による記録(データ)の分析」
名古屋大学大学院 大谷 尚・柴田好章・坂本将暢

実際のインタビューデータなどをもちいて,データのコーディング,
ストーリーラインの読み解き,そこからの理論化を体験する演習を
行います.

15:45-16:45 講演『質的研究─「科学的」というトラウマから逃れられたのか』
青山学院大学 佐伯 胖

長い行動主義の支配のもと,実験心理学は「科学的」たらんとして,
量的測定を基盤とした操作主義にとらわれてきたが,20世紀後半
からさまざまな分野で操作主義からの脱却がはかられてきた.
このような変革を,認知科学研究のパラダイム転換をケースにし
て,「科学的」ということの意味が一時的[崩壊」を経て,どのよう
な新しい基準になってきたのかを考え,質的研究にとっての(新し
い意味での)「科学的たらんとすること」の意味を問う.

17:00-19:00 懇親会(大学食堂 リリー・イースト)

4.会費

参加費
日本質的心理学会会員  1,000 円
日本教育工学会会員   1.000 円
学習工学研究会会員   1,000 円
上記以外の方      3,000 円
*日本質的心理学会,日本教育工学会,学習工学研究会のいずれかの会員は
参加費1,000円です.

*当日,会場で,日本質的心理学会の来年度の会費(一般 8,000円,
大学院生・学部生 7,000円)を支払い,来年度からの入会申し込みを
された方は,参加費が会員と同額の 1,000 円になります.

懇親会参加費
懇親会参加費:一般 3,000円,学部生と大学院生 2,000円,ただし,現職教員の
大学院生は一般扱い.

5.申し込み方法など

事前申し込みとし,日本質的心理学会Webサイトに設置した申し込みフォーム

http://ks.kinjo-u.ac.jp/%7Eghase/cgi-bin/quality/y_mail.cgi?id=workshop2007-02
から,申し込む.

申し込み締め切り 2007年2月8日(木)または,定員200名に達した時点

事前に必要な知識はありません.ただ,質的研究と質的データ(観察記録、
インタビュー記録等)の分析に強い関心を持っている方の参加を望みます.

ただしできれば,次のものを読んでおいてください.

・次の書の大谷担当分のうち第2編第2章-第4章 pp140-181
『質的研究法による授業研究-教育学,教育工学,心理学からのアプローチ-』
平山満義編  北大路書房

・大谷 尚(2005)質的アプローチは研究に何をもたらすか.(大谷 尚・無藤  隆・
サトウタツヤ.質的心理学が切り開く地平.pp16-36)質的心理学研究.
第4号.pp17-28 新曜社
*質的心理学研究は一般の書店で入手可能です.

6.本セミナーに関する問い合わせ先
金城学院大学 長谷川元洋
メールアドレス:ghase@kinjo-u.ac.jp
携帯電話:186090-8074-8882
(番号非通知拒否にしています。番号を通知したく無い方は
公衆電話からおかけください)

===(ここまで転載可)========================

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シンポジウム「心理療法・物語・文化」

日程:3月18日(日曜日) 午後1時~5時

場所:東京大学(本郷)医学部教育研究棟の鉄門講堂(赤門入ってすぐ)

主催:東京大学臨床心理学コース下山研究室

後援:東京大学大学院付属心理教育相談室
日本質的心理学会

申込方法:名前/所属/電話/ファックス番号を記載のうえ、
メールにてシンポ係アドレス sympo@p.u-tokyo.ac.jp に申し込み

参加費:2000円(学生:1000円)

定員:150名(定員になり次第締め切り)

 

第1部 講演  (通訳付)

1.イントロダクション 「心理療法・物語・文化」
下山晴彦    (東京大学)

2.招待講演1 「西洋文化における心理療法の発展:ナラティヴの観点から」
John McLeod (英国 アバティ大学)

3.招待講演2 「日本文化における物語と心理療法」
北山修     (九州大学)

第2部 シンポジウム (通訳付)

司会 下山晴彦

4.指定討論1 「心理療法の統合の立場から」
平木典子  (跡見学園女子大学)

5.指定討論2 「社会構成主義の立場から」
野口裕二  (東京学芸大学)

6.全体討論

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企画名:ワークショップ「グランデッド・セオリー・アプローチを学ぶ」

講師:戈木クレグヒル滋子氏(首都大学東京 健康福祉学部教授)

日時:2007年3月18日(日)12:00~17:00

会場:中京大学心理学部研究棟(3号館別館)5階

〒466-8666愛知県名古屋市昭和区八事本町101-2

(地図)http://www.chukyo-u.ac.jp/koho/gaiyo/map/n-map3.html

(アクセス)http://www.chukyo-u.ac.jp/koho/gaiyo/map/kotu-n.html

*公共の交通機関のご利用をお願い致します。

企画内容

グラウンデッド・セオリー・アプローチは,質的研究の中でも代表的
な研究方法の一つです.データに基づいて(grounded)分析を進め,デ
ータに基づいた複数の概念(カテゴリー)を体系的に関係づけ,研究領
域に密着した理論を生成しようとする研究方法です.分析は,3つの
Codingからカテゴリー関連図の作成に進みます.その後,それを基にし
てさらにデータ収集を行います.今回のワークショップでは,カテゴリ
ー関連図作成までの一連の分析の流れを体験します.
講師の戈木クレイグヒル滋子先生は,グラウンデッド・セオリー・ア
プローチの創始者の一人であるストラウス先生から直接トレーニングを
受けられ,その後コービン先生のご指導のもとに研鑽を積まれました.
現在は,幅広い領域において,学部生から研究者に至るまで広くご指導
に当たられています.
質的研究を目指す多くの皆さまのご参加をお待ちしています.

参加費: 3000円

申し込み:事前に下記までお申し込みください.(2007年3月1日まで)

situsin@h-h-c.com (中部質的心理学研究会事務局)

付記:グランデッド・セオリー・アプローチについて基本的な知識があ
ることを前提とします.ご存知ない方は,以下のテキストのいずれかを
事前に購読されてから参加されることをお勧めします.また,ワークシ
ョップ開催前の1月,2月ににテキストをもとに勉強会を開きますので,
必要な方は事務局までお尋ねください.

(テキスト)
1.ワードマップ:グランデッド・セオリー・アプローチ
戈木クレイグヒル滋子著  (新曜社)
2.質的研究方法ゼミナール
戈木クレグヒル滋子著  (医学書院)

主催:中部質的心理学研究会
後援:日本質的心理学会研究交流委員会

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学会より会員のみなさまへ
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◆◆◆編集委員会からのお知らせ

特集のありかた

新しい年、新たな飛躍の年にしたいですね。
第7号特集「バフチンの対話理論と質的研究(茂呂雄二・やまだようこ、
責任編集)」の締め切り(2007年3月末)が近づいてきました。意欲的な
論文をお待ちしております。どうぞふるって投稿してください。なお新規
に学会員になられる方は、1月末までの入会が必要ですので、お近くの方
に伝えてあげてください。

第8号特集「地域・文化間交流-フィールドを繋ぐ質的心理学(矢守克也・
伊藤哲司、責任編集、2007年12月末)」、第9号特集「質的心理学におけ
る時間性・歴史性を問う(麻生武、責任編集、2008年10月末)」では、
順次締め切りを変更します。ご注意ください。

今までも一般論文は、随時受け付けていましたが、第7号から締め切りを
なくすことにしました。一般論文は、いつでもご投稿ください。

『質的心理学研究』では、特集がひとつの目玉になっています。特集を組
むことによって、特定のテーマに焦点化して渦をつくり、多方面からの議
論を活発にします。さらに、その領域の新しい独創的なテーマを生みだす
先端的ガイドの役目もします。特集は、新しい問題意識のもとでユニーク
な研究を生成していくために創造的な働きをするのです。

『質的心理学研究』では、学会誌として投稿論文で特集を組むという、あ
まり例がない難しい試みにチャレンジしています。特集を組む学術誌は、
あらかじめテーマと著者を編集者が決めたうえで、依頼論文で構成される
ことがふつうだからです。たとえば、定評のある学術誌『心理学評論』
『児童心理学の進歩』『教育心理学年報』『教育学年報』などを思い浮か
べてください。そのような事情は、Culture & Psychologyなど、海外の学
術誌の特集でも同様です。

特集を依頼論文で構成するのであれば、あらかじめ内容が想定できますし、
査読期間も短くてすみます。しかし、会員の自由な投稿を募ったうえで特
集を組むのですから、まったく予定が立ちません。しかも質の高い高水準
の内容をめざしているので、査読は一般論文と同様に厳しくて手加減なし、
査読や論文修正に時間も手間も予想以上にかかります。したがって、裏方
の編集作業は、強行軍の連続で苦行といってもよいかもしれません。

しかし、今後も投稿論文で特集を組み続けたいと思っています。みなさん
のご理解とご協力をえて、「さすがは『質的心理学研究』だね」「この雑
誌でないと読めない内容だね」と言われるような、意義ある特集をつくっ
ていきたいと願っています。

「質的心理学研究」編集委員長 やまだようこ

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■□■□「質的研究」情報コーナー<情報提供は、15日までにお願いします>
□■□

【注意!】研究会などの情報は、直前の変更が、学会ホームページに掲載
されていることがありますので、出席される方は、開催直前に
HPで確認されることをお薦めします。

【注目!】各種研究会の研究交流委員会共催(または後援)の要件についてを
HPに掲載しましたので、ご参照頂きたくお願いします。
http://quality.kinjo-u.ac.jp/kyousai-youken.html
【情報!】メールマガジンの情報コーナーは、月刊のため情報が遅れることが
あります。そこで、できる限りホームページでも情報を提供します
ので、ホームページの定期チェックをお願いします。
*会員限定ページは,「ユーザー名 member パスワード q-kaiin」
で,閲覧可能です。総会資料,メルマガのバックナンバー等を
読むことができます。
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■ 研究会の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

次世代人間科学研究会(最終回)

「次世代の学知構築システムを考える」

日付 2007年2月11日(日)
場所 早稲田大学西早稲田キャンパス19号館3階311教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/index.html

【タイムスケジュール】

開場 12:20

開会の言葉 清水武(12:55)

第一部 学会の現状と展望(12:55~14:30)
司会 松嶋秀明(滋賀県立大学)
話題提供 無藤隆(白梅学園大学)
話題提供 菅村玄二(日本学術振興会)

第二部 次世代型学術媒体モデルの提示(15:00~16:30)
司会 荒川歩(名古屋大学大学院)
話題提供 京極真(江戸川医療専門学校)
話題提供 西條剛央(日本学術振興会)

第三部 さらなる議論に向けて(17:00~18:00)
司会 荘島宏二郎(大学入試センター)
総論 池田清彦(早稲田大学)
総合ディスカッション

閉会の言葉 西條剛央

【企画趣旨】
もともと研究は個人的な営みである。研究によって個人の疑問を
解決できればよかった。しかし,研究に公共性が求められ,何らか
の学界システムが必要となった。それゆえ,現在は,各種学会や学
術雑誌が学界の発展を担っているのは疑いようがない。そしてこれ
からもそうした役割を果たし続けるであろう。

しかし、改善すべき点は多く指摘されているのも事実である。さ
らに、業績重視の傾向やインターネットなどの急速な発展によって
時代は大きく変化している中で、学会や学会誌,学術誌も新たなあ
り方が求められている。個別の研究活動が重要なのは論をまたない
が,それを育むための基盤となるシステムを考案していくことも大
切だ。次世代の創造を志した次世代人間科学研究会の最終回では、
次世代の学知構築システムを建設的に考えてみたい。

現実を踏まえない理念は虚妄だが,理念なき現状肯定しているだ
けではシステムは硬直化していく。システムを維持すればいいとい
うものでもないが,変えれば良いというものでもない。現実を踏ま
え,変えるべきではない点,変えるべき点などを精査しつつ、斬新
なアイディアを取り入れることによって,学知発展の基盤を支える
画期的なシステムについて皆さんと一緒に考えていきたい。

第一部では、数多くの学会の運営に携わってきた無藤隆氏に、こ
れまでの学会の長所と限界、そして現実的制約を踏まえながら,こ
れからの学会システムに求められることを語って頂く。次に,世界
40ヶ国以上が参加している国際学会である

 

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わかりあうための思想をわかちあうためのシンポジウム
(第一回構造構成主義シンポジウム)

<日付> 2007年3月11日(日)
<場所> 早稲田大学西早稲田キャンパス14号館201教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/index.html

<コンセプト>
世の中「信念対立」が満ち溢れている。政治,教育,医療といった世の中
で議論が紛糾している論件の多くが、終わりのない信念対立の様相を呈して
いる。構造構成主義は,こうした信念対立を巧みに解消しつつ、新たな道筋
を見出していくための思想的体系である。今回のシンポジウムは,構造構成
主義という「わかりあうための思想」を参加された皆様と「わかちあう」と
いうコンセプトのもとで開催される。

第一部では、養老孟司氏をお招きして、我々日本人の多くが「無思想とい
う思想」をもっているということを自覚することが無用な信念対立を回避す
るためにいかに役立ちうるのか、またそれを深く自覚するための考え方につ
いて講演して頂く。

第二部では、生物学から科学論、教育,社会システムまで幅広いテーマの
著書を出されている池田清彦氏,現象学を中心として多様な哲学的思考に精
通する竹田青嗣氏、また二人の思想的エッセンスも組み込みつつ構造構成主
義を創始した西條剛央氏をお招きし、身近な信念対立の問題がなぜ起こるの
か,そしてそうした信念対立を解き明かすための考え方,対処法までをわか
りやすくお話していただく。

第三部は、信念対立に悩まされることの多い医療現場における問題に焦点
化する。京極真氏はチーム医療と異職種間連携について、斎藤清二氏は医学
と臨床実践、高木廣文氏には看護学に、構造構成主義を導入した新たな枠組
みについてそれぞれ論じていただく。それを踏まえて指定討論の先生方に議
論をしていただき、また会場の皆さんの意見も拝聴しながら、建設的に議論
を展開していきたい。
皆様の参加を心よりお待ちしております。

<タイムスケジュール>
10:00 開場
10:20 開会の言葉 池田清彦
第一部 (10:30~11:50)
無思想の意識化
10:30 特別講演 養老孟司
11:30 質疑応答
11:50 昼休み(60分)
第二部 (12:50~15:10)
現代社会の信念対立を解き明かす
12:50 鼎談 池田清彦・竹田青嗣・西條剛央
14:50 質疑応答
15:10 休憩(30分)
第三部 (15:40~17:50)
構造構成主義の医療領域への展開 <下記に詳細あり>
司会 川野健治
15:40~16:40 話題提供 京極 真・斎藤清二・高木廣文
16:40~17:10 指定討論 池田清彦・井原成男
17:10~17:50 ディスカッション
17:50 閉会の言葉 西條剛央
懇親会 18:30~20:30

<シンポジウム参加費>
無 料
<懇親会参加費>
・予約参加3000円 / 当日参加4000円

<申し込みについて>
当日は混雑が見込まれますので,参加される方はメールによる事前
予約をお願いいたします。また,定員をオーバーした場合には,先着
順で予約参加者を優先させていただきますので,お早めに予約される
ことをお勧め致します。

【申し込み先】 structuralconstructivism@gmail.com

上のアドレスに,件名を「第一回構造構成主義シンポジウム」とし,
下記の情報を記入してお送りください。
●参加者氏名(ふりがな):
●メールアドレス:
●懇親会参加:有・無(該当する方を明記)
●メールマガジンへの登録:有・無(該当する方を明記)
(メールマガジンでは,今回のシンポジウムの追加情報,ならびに年
に数回,構造構成主義に関連する最新情報が発信されます。)

<構造構成主義公式ホームページ>
http://structuralconstructivism.googlepages.com/

構造構成主義の最新情報については公式ホームページにアクセスし
てください。
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第三部 構造構成主義の医療領域への展開
ファシリテーター 川野健治(国立精神・神経センター精神保健研究所)
話題提供 京極 真(江戸川医療専門学校)
話題提供 斎藤清二(富山大学)
話題提供 高木廣文(東邦大学)
指定討論 池田清彦(早稲田大学)
指定討論 井原成男(お茶の水女子大学)

<企画趣旨>
医療領域では,エビデンスに基づいた実践,ナラティブ・アプローチ
などのように,理論的,方法論的な議論が活発化しつつあるある。しか
し、それと同時にエビデンスVS。ナラティブといった新たな信念対立も
生じているようである。近年,そうした問題意識から人間科学領域で体
系化された構造構成主義の影響もあって,医療領域における様々な対立
構造を解消する理路が整備されつつあり,学術論文としても発表される
ようになってきた。
今回のシンポジウムでは,構造構成主義を医療領域に応用してきた研
究者を話題提供者に招き,それぞれの問題提起に対してどのような切り
口で構造構成主義を応用し,どのようなことが解決されつつあるのかを
論じていただく。話題提供者の京極真氏には,構造構成主義を応用して,
チーム医療における信念対立を乗り越える理路を切り開いていただく。
斎藤清二氏には,患者および医療者の客観的側面と主観的側面をともに
尊重する人間科学的医学について論じていただく。高木廣文氏には,看
護研究におけるサイエンスとアート,あるいは質と量の対立を回避する
理路を論じていただく。それらを踏まえ,井原成男氏には小児科臨床・
臨床心理学の立場から、池田清彦氏には生物学,あるいは構造主義科学
論の立場から指定討論を行っていただく。その後,フロアーも含めて建
設的な議論を展開していきたい。

京極 真(江戸川医療専門学校)
信念対立は私たちの日常的な態度から生じる。特に,異なる考え方の
人々が集まり,交流をすると信念対立は生じやすくなる。医療とはチー
ムアプローチそのものである。チームアプローチは,異なる考え方に根
ざした人々の共同作業である。まさに医療は,信念対立の温床となりや
すい構造となっている。医療現場でそうした対立が生じると,医療サー
ビスの質は低下する可能性がある。したがって,いかにして不毛な対立
を低減するかが課題となる。その一助となるメタ理論が構造構成主義で
ある。構造構成主義を視点にすれば,自らが絶対化してきた信念を一旦
相対化し,信念対立を巧みに回避しつつ,より妥当な医療を提供できる
可能性を開くことができる。私が提案する構造構成的医療論(SCHC)は,
医療の信念対立を解消するために構造構成主義を継承したものであり,
信念対立という呪縛にガンジガラメにされた医療者を解き放つ契機にな
る理路と考えられる。

斎藤清二(富山大学)
人間科学的医学は,人間の客観的側面(生物学的側面)のみならず、
主観的・相互交流的側面も積極的に扱うことを志向する。医療・医学に、
構造構成主義をメタ理論として継承することで,現在まで科学の対象と
考えて来られなかった。主観的・相互交流的な臨床実践の多くを,科学
的営みとして位置づけることができる。そのことによって,苦しんでい
る患者を前にして「検査結果が判明するまで対応できませんから,もう
少し待って下さい」といわざるを得ないような医療の現状を改善するこ
とが可能になるだろう。もちろん,広義の科学性を保証したからといっ
て,臨床現場で経験される全ての問題が解決されるというようなことを
主張しているわけではない。しかし,少なくとも,現代の医学(科学)
と医療(実践行為)の乖離によって引き起こされる問題の、かなりの部
分が解消されると考えられる。

高木廣文(東邦大学)
「看護学はサイエンスでありアートである」とよく言われる。看護
実践ではサイエンスとアートは車の両輪のように理解されることが多
い,しかし,看護研究では,サイエンスとアートの対立という問題に
陥りやすい。その問題は,サイエンスは客観的,科学的な量的研究を
方法論とするため確かな知見を得られるが,アートは主観的,解釈的
な質的研究を方法論とするためいい加減な知見を提供する,という批
判として顕在化する。看護研究の発展を踏まえれば,このような対立
関係の構図は明らかに好ましいものではない。構造構成主義を看護学
に応用すれば,関心相関的に目的に応じて研究方法を選ぶことで無用
な対立関係を避けられる可能性は高くなる。研究上の無用な対立をな
くすために,構造構成主義の考え方を看護研究法の授業で教え,また
量的研究法の教育でも単に統計学的仮説検定法のみを講義するだけで
なく,記述的方法を重視する探索的データ解析法をより重視した講義
を行うことも必要である。看護研究では,質的研究法と量的研究法を
統合的に理解できるような教育・研究体制が必要である。

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■ 著書の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

『現代のエスプリ(特集 構造構成主義の展開 21世紀の思想のあり方)』
西條剛央・京極真・池田清彦(編著)
定価¥1450(本体¥1381))至文堂 発行年月:2007年1月/A5判/総頁数:228頁
構造構成主義とは最新の認識論であり,科学論であり,思想的枠組みでもあ
る。その特長は,信念対立を巧みに回避しながら,多様な枠組みを十全に機能
させるメタ性にあり,そうした特性から「使えるメタ理論」として様々な領域
に普及しつつある。構造構成主義という新たな思想的動向をその目で見定めて
みて欲しい。〔至文堂HPより〕

養老孟司,内田樹,甲野善紀,竹田青嗣,池田清彦,他豪華執筆陣による書
き下ろしです。是非,お読みいただきご意見いただければ幸いに存じます。

至文堂
http://www.shibundo.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=9784784354757

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[クッピーより]

第28号はいかがでしたか?新年会シーズンですね。今年は、暖かいけど、
やはり夜は寒いです。幸いにもインフルエンザは、流行ってませんが、
皆さま、風邪をひかないように。

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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
第28号担当:長谷川元洋・本山方子・湯浅秀道
発行:日本質的心理学会 http://quality.kinjo-u.ac.jp/
発行日:2007年1月20日
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