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巻頭言 川島大輔 質的心理学研究の挑戦
特集 プロフェッショナルの拡大,拡張,変容
(責任編集委員:近田真美子・中坪史典)
- 鈴木智之・池尻良平・池田めぐみ・山内祐平 若年労働者のパーソナリティ特性表現に関する共通性と独自性──職場における活躍と伸び悩みに着眼して
- 加藤望 一時預かり担当保育者はどのように子どもの情緒を安定に導くのか?──「抱っこ」の判断を巡る専門性に着目して
一般論文
- 日高直保: AYA世代がんサバイバーのレジリエンスに関する質的研究──Kさんのライフヒストリーから
- 辻本昌弘: 社会科学における生活史研究,再考
- 橋本あかね: 学校制度の外側で展開されるフリースクールの両義性──活動を休止した設立者の語りの分析から
- 今井多樹子・高瀬美由紀: 看護実践能力向上に不可欠な臨床看護師の学習行動の探求
- 桃枝智子: クラス替えを伴い進級した幼稚園年中児の仲間関係──旧成員との関係継続と新成員との関係生成
- 岩﨑美奈子・井原成男 青年期女性の語りにみる移行対象の心理的役割の変遷──手放されない移行対象に焦点をあてて
- 眞崎光司: 批判的思考態度の形成を支える輪読実践のエスノグラフィ
- 山下世史佳・虫明眞砂子・松本健義: アマチュア声楽家の歌によるライフストーリー──歌うことによる人生のかたちづくり
- 神林哲平: 小学生における日常的なきく経験の現象学的探究──サウンド・エデュケーションの発展的実践事例「きくこと日記」の教育的意義
- 小野友紀: 園児の食事活動への参加過程──園児はどのように自分の食事量を盛り付けるようになるのか
- 舩木伸江・矢守克也・中村翼: もうひとつの被災──大災害の当日生まれの青年の苦しみと回復過程
- 渡辺恒夫: 夢の物語論的現象学分析──手作りの科学としての夢研究をめざして
- 濱谷雅子・島田恵・岡本有子・河原加代子: 足病変のケアを目的とした訪問看護師の療養者との関わり
- 東村知子・鮫島輝美: 医療的ケア児の保育を可能にする「分けない」実践──看護師が設立した保育園のフィールドワークから
- 佐野真弓: 教師の発問に対処する学習者間の相互行為──初級日本語の一斉授業における相互行為分析
- 山下朋美: 対話的ビブリオセラピーの体験過程の検討──対人援助職を目指す大学院生のグループから
BOOK REVIEW
《書評特集》アジアの質的心理学
特集にあたって (田垣正晋)
- [日本]アジアからの質的心理学をうみだす? 沖潮満里子: 伊藤哲司・呉宣児・沖潮満里子(編)『アジアの質的心理学─日韓中台越クロストーク』
- [韓国]韓国の小学校のリアリティの記述から質的研究の魅力を示す? 韓圭錫: 金永千(著)『4つの学校物語─韓国初等学校の教室生活と授業』
- [台湾]社会変革のための質的研究? 李?昕: 胡幼慧(編)『質的研究─理論・方法および台湾本土の女性研究実例』
- [ベトナム]ベトナムにおける質的研究の拠り所? ゴ・フォン・ラン: グエン・スアン・ギア(著)『社会科学における質的研究─認識論,方法論と研究方法のいくつかの問題』
- [中国]Recommending the Book for Beginners in Qualitative Research: Introducing Qualitative Research in Psychology? Aruna Wu & Shuangshuang Xu: Willig, C. (2013) Introducing Qualitative Research in Psychology (B. Guo, S. Wang, & Y. Zhao, Trans.).
20号発刊記念臨時特集企画「現場研究報告」
- 東村知子: 第20号発刊記念臨時特集企画「現場研究報告」
- 綾城初穂: 修復的実践としての生徒指導――修復的対話という視点から
- 石田喜美: 現代日本の司書・図書館関係者におけるネットワークと創造性
- 矢守克也,舟橋宗毅,岡田夏美,原夕紀子,中野元太: 巣ごもりフィールドワーク――コロナ禍におけるリモート防災実践の現場から
- 中村聖子,上田敏丈: 保育の記録におけるF-SOAIP援用の有用性の検討
- 小松智子: 発達障害学生の就職プロセスにソーシャル・サポートが与える効果?事例分析を通して
- 曽山いづみ,大西真美,杉本美穂,大瀧玲子,山田哲子,福丸由佳: 離婚を経験した家族に対する心理教育,FAITプログラムのオンライン試行実践
- 横山愛: 教師は指名されていない児童の発話をどのように授業に活かすのか――授業計画が変更される場面に着目した事例分析
- 松原悠,矢守克也: 大規模災害からの復旧戦略検討における「タイムライン・メディエーション」手法の開発
- 木谷岐子: 自閉スペクトラム症の女性当事者同士による対話の効用――「自分」が語り出される,まさにその時に着目して
- 日高直保: ある乳がんサバイバーにおける対話の意義――Aさんのライフヒストリーを通じた考察
- 村上幸史: 日系社会における「運資源物語」
- 園部友里恵: 何が現職教員学生を「学習者になること」から妨げるのか――模擬授業実践における学部新卒学生との経験差に着目して
- 中野元太,矢守克也: アクションリサーチのチェーンド・ビジュアル・エスノグラフィ―防災実践の多声的・多角的現実の表現
- 酒井晴香,栗原翔吾,齋藤有史,原仲碧: スポーツ・コーチングにおける言語使用の分析可能性―サッカー競技における「テンポ」と「リズム」の2語に着目して
- 杉山高志,矢守克也: 「Days-After」の視座を用いた現場研究――「未来へのメモワール」の実践活動を例に
- 宮本匠,石塚直樹: 被災者による復興省察と災害伝承のための予備的考察――“久夫の独り言”の意義と可能性
- 坂井田瑠衣,坊農真弓: 盲ろう者にマルチモダリティを伝える指点字通訳者のワーク
- 中山博晶,長津結一郎: 障害のある人が「役者」になることの意味――A文化センターでの演劇ワークショップを事例に
- 山本敦: ピアノレッスンにおいて指導の焦点となる演奏音への指さし――記号論的領野に着目した身体的実践へのアプローチ
- 妹尾麻美,三品拓人,安田裕子: 子どもを「産む」と決めること
- 直井玲子: なぜ私たちはインプロとジェンダーの実践研究をしなければならなくなったのか――「ザ・ベクデルテスト」との出会いをめぐる相互インタビューから
- 森弥生: 東北地方における吃音当事者の課題と支援ニーズ――テーマティック・アナリシス法を用いた青年期当事者の語りの分析
- 古屋由美: 言語機能の協同改善を目指す場としての言語聴覚療法――IRE連鎖に着目した相互行為分析
- 山田哲子: 知的障がい者家族の親亡き後に備える心理教育プログラムの実践――心理および司法の専門家の協働の試み
- 坂井志織: 病い経験の可視化・共有化の社会的実験――地域住民参加型「生き活きカフェ」プログラムの開発実践
- 上西智子: 長期海外インターンシップ参加学生のオンラインコミュニケーションにおける用途の変化と居場所の拡大
- 尾見康博: 部活が中学生を不登校へと追い詰めるプロセスに関する事例研究
- 宮原資英,増田貴人: 発達障害児の療育支援現場におけるエスノグラフィー――楽しそうな運動活動から身体的リテラシー育成のニーズを探る
- 田中千尋: 複線径路等至性アプローチにみる看護教員の力量形成プロセス――臨床現場から立ち上がった問いと対峙し続ける教員の語りから
- 市川奈緒子: 園長はいかに持続可能なインクルーシブ保育を創出しているのか――保育を支える陰の努力の解明
- 信重綾: ひきこもり支援機関における社会復帰に向けた支援の変遷過程――回復事例に基づく検討
- 西山萌: 認定こども園における進級児・新入園児のかかわりの分析――コロナ禍での3歳児クラスの事例から
- 永杉理惠: 障害のある子どもの即興による音楽表現活動――ある打楽器奏者の特別支援学級におけるワークショップから
- 書籍
- 質的心理学研究:目次
- 質的心理学研究 第20号