【企画趣旨】
質的研究に取り組んだことがある人は、一度は研究対象者との距離感、その中での自身の立ち位置に悩んだことがあるのではないか。フィールドとの長期的、継続的な関係を営む中で研究を実践する人類学者は、この問いをどのように包摂し研究を行っているのだろうか。多くの人類学者は、研究対象となる場や人々に対して全く影響を与えない部外者にはならず、かといって対象に積極的に介入をするとも限らず、研究者自身がそのフィールドに入り込む。その場の一員として生活そのものを共にしながら、参与観察を行う人類学者の研究の流儀に触れ、体感することを通じて、参加者各自が実践している質的研究のあり方を考える場としたい。
【実施概要】
〇レクチャー(30分)
人類学者が行う質的研究のあり方を理解する
-人類学者が実践する参与観察
〇グループワーク(1時間)
人類学者の参与観察を体感する。
参加者には事前ワークをしていただく予定です。
-【事前ワーク】当日までに1,000円以内の贈り物を購入する。
- 当日パートナーになった方と贈り物を交換する。
- 贈り物の交換体験(購入から交換まで)についてフィールドノーツを作成する。
〇ディスカッション(1時間)
人類学者のアプローチを、自身の研究にどのように生かしうるのかを議論する。
- 日時
2025年2月22月(土) 13時~15時30分(開場12時30分)
- 開催方法
対面(先着30名)/立命館東京キャンパス(教室5)
- お申込み
下記のフォームよりお申し込みください。参加費は無料です。事前ワークにかかる費用の他に必要な費用はありません。
- 担当
宮下太陽(株式会社日本総合研究所)・古賀佳樹(独立行政法人国立病院機構)・香曽我部琢(宮城教育大学)
講師プロフィール
- 比嘉 夏子(ひが なつこ)
合同会社メッシュワーク共同創業者。山梨県立大学特任准教授。
京都大学人間・環境学研究科博士課程修了(人間・環境学博士)。専門は人類学。ポリネシア島嶼社会の経済実践や日常的相互行為について継続的なフィールドワークを行う一方で、より実践的な人類学のありかたを模索し、メッシュワークを設立。人類学的なアプローチと認識のプロセスを多様な現場に取り込むことで、きめ細かな他者理解の方法を模索し、多くの人々に拓かれた社会の実現を目指す。著書に『贈与とふるまいの人類学―トンガ王国の〈経済〉実践』(単著、京都大学学術出版会)『地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場』(共編著、ナカニシヤ出版)等。
- 大会外企画
- 人類学の「参与観察」を体感する