日┃本┃質┃的┃心┃理┃学┃会┃メ┃ル┃マ┃ガ┃
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役立つ情報を共有しましょうよ
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日本質的心理学会 メールマガジン No.254号(2025)
▽▼ 目次 ▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎学会より会員のみなさまへ
◆『質的心理学研究』編集委員会より
◆研究交流委員会より
◆会務委員会より
◎会員からの情報コーナー
■研究会情報
◆しんりがく研究会『続・「心」とはなにか——パーソナリティ心理学から
みた心』のお知らせ
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◎学会より会員のみなさまへ
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◆『質的心理学研究』編集委員会より
私の勤務校では、3年生後期から卒業研究を目指したゼミナール活動が始まりま
す。ここ数年、ゼミメンバーの初顔合わせでの会話はもっぱら、人を16個のパー
ソナリティーに分類する性格診断テストのMBTIに関してです。「MBTI、何タイ
プ?」から始まって、各メンバーのタイプを一通り聞く間、「やっぱりね」や「え、
意外!」など、MBTIのタイプとその子の印象を照らし合わせて大盛り上がりで
楽しみながら知り合い始めるようです。隣でそのやりとりを見ていると、私の学
生時代、一人ずつ緊張しながら自分の趣味や特技、アルバイトやサークルなどの
情報を伝えていた古い時代(?!)の自己紹介よりもその場で一瞬にしてある程
度、その子のことが「わかる」感覚を共有しているようです。いったん、その子
が何タイプかを把握しておいてから具体的な付き合いの中で理解を修正・上書き
していくのかもしれません。
MBTIのタイプ把握による友人理解もそうですが、学生たちの自分の経験の捉え
方にも面白さを感じさせられています。「バッド(Bad)入る」、「無双状態」など
自分の現状(前者は何をしてもうまくいかず落ち込んでいる状態、後者は何をし
ても上手くいく気がするような絶好調な状態)を客観視してカジュアルに表して
他者と共有したり、就職活動など辛いことを乗り越えている渦中を「奮闘記」と
表して距離を取り冷静な自分を保とうとしたり…。こうした学生の姿からは、他
者の理解にしても、自らの理解にしてもまず靄がかかった状態を枠取りし、取り
出して名前を付け、いったん「わかる」化しようとする試みが感じられます。こ
れまで私は「実感としてのつながり」を研究テーマに、「わかる」こと、「つな
がる」ことについて考えてきましたが、様々な属性を持つ人々が許容されるべき
とされる多様性が叫ばれる現代、より「わかる」ことによる安心感が求められて
いるのではないかと考えさせられています。
MBTIなどの性格診断には、もちろんエンタメ的な要素もあって盛り上がる側面
もあると思いますが、保育・教育職というケアに関わっていく学生には、「わかる」
ことがすべてではないこと、安易に言葉に落とし込むことなく「わからなさ」の
経験を大切にすること、その中でこそ生まれる気づきに目を向けてほしいと私自
身ゼミナールでできることを試行錯誤しています。
『質的心理学研究』では、現在、第27号特集「『アート』を活用した質的研究」
(2026年10月末締切)の投稿を募集しています。また、一般論文は随時受け付
けております。みなさまのご投稿をお待ちしております。
(『質的心理学研究』編集委員 藤井真樹)
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◆研究交流委員会より
研究交流委員会から、2つお知らせがあります。
1つは、メールマガジンの原稿締切変更について、
もう1つは、研究交流委員会企画の開催予告について、
です。
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◇メールマガジンの原稿締切変更(毎月15日 → 毎月10日)
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メールマガジンに掲載する情報の提出期限を毎月10日に変更いたします。
ご理解・ご協力の程、よろしくお願いいたします。
https://jaqp.jp/mail-magazine-offer
(研究交流委員 家島明彦)
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◇開催予告:研究交流委員会企画 2026/2/21(土)午前@オンライン
「AIと人間の“聞く力”:ケアへの問いかけ」
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研究交流委員会では、「AIと人間の“聞く力”」に着目したレクチャー
&ワークショップをオンラインで開催予定です。
定員や参加申込方法等については現在調整中ですが、ご関心のある方は
是非とも来年2/21(土)午前の予定を空けておいていただければ幸いです。
【企画名称】研究交流委員会企画「AIと人間の“聞く力”:ケアへの問いかけ」
【開催日時】2026年2月21日(土)9:00〜12:00予定
【開催方法】オンライン(Zoomミーティング)
【参加資格】なし(会員に限らず誰でも参加可、定員を設定する可能性あり)
【参加費用】無料
【参加方法】学会ウェブサイトやメールマガジンを通じて後日お知らせ予定
【企画概要】
本企画では、高橋史先生(信州大学)を講師としてお迎えし、高橋先生に
よるご講演とワークショップ、ディスカッションを通じて、生成AIの登場
によって変わっていくであろう「ケア」や「聞くこと」のかたちについて
考えます。
心理支援の教育・実践・研究の場で用いられている生成AIツールを実際に
体験しつつ、参加者の皆さんとともに、生成AIとともにある「ケア」や
「聞くこと」について議論していきます。
近年、生成AIは単に、情報整理や文章作成支援に用いられるのみならず、
悩み相談や精神的なサポートのためにも用いられています。人々が日常
的に行う「ケア」において生成AIが重要な役割を果たしつつあるのです。
一方、心理臨床領域における生成AIの活用には独自の課題も存在します。
本企画では、高橋先生がかかわってきた事例を中心に、生成AIが変えて
きた心理支援・心理教育の具体例を紹介します。続いて、相談現場にお
けるAI活用の利点と限界、支援者-クライエント関係に与える影響、誤
情報や過度依存によるリスクについてもお話しいただきます。
これらを踏まえ、生成AI時代における「ケア」の技法とはいかなるも
のか、「ケア」や「聞くこと」においてAIと人間がどのように役割分
担しうるのか、といったテーマについて、参加者を交えて議論していき
ます。
質的心理学に関心のある研究者はもちろんのこと、心理臨床の実践家、
教育関係者、そして、広く生成AIの活用に関心のある人々にとって、生
成AI時代の研究や実践のあり方を展望する機会となることを目指します。
【プログラム(予定)】
〇レクチャー(120分)
〇小休憩(10分)
〇グループワーク(各25分、計50分)
・模擬クライエントAIで面接練習をしてみよう
・AI時代における人間の専門性
【講師プロフィール】
高橋史先生(信州大学)http://ftakalab.jp/
認知行動療法(CBT)を専門とし、心理支援の実践知とAI技術を架橋
する研究を精力的に進めていらっしゃいます。先生の研究室では、面接
技法の学習に生成AIを活用したトレーニング、相談前後の情報整理の効率
化、支援者教育へのAI導入など、心理支援の質を飛躍的に高める“実践的
AI活用”を推進されています。さらに、一般社団法人AIメンタルヘルスケア
協会(AIMH)理事として、AI導入に伴う倫理・法制度・社会的課題
(ELSI)の整理にも携わり、心理支援領域におけるAI活用の健全な発展と
制度的基盤の構築に貢献しておられます。
【お問合わせ】 info_jaqp_koryu2025@googlegroups.com
(研究交流委員会 担当:古賀、宮下、竹内、岡部、石田)
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◆会務委員会より
2025/12/7 現在の会員数及び会費納入率をお知らせいたします。
会員数:1,363名
2025度会費納入率:68.4%(未納者 431名)
2024度会費納入率:92.3%(未納者 105名)
早いもので、2025年もあと僅かとなりました。
本年も、学会活動にご協力とご理解をいただき、まことにありがとうございました。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(会務委員 川島大輔)
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■□■□ 会員からの情報コーナー
・以下の情報は会員の皆さまから寄せられたものをそのまま掲載しています。
・必ずしも日本質的心理学会と関連するものではありません。
・情報提供については以下のサイトをご覧ください。毎月10日締切です。
https://jaqp.jp/mail-magazine-offer
※ 先月より締切を変更しています。ご注意ください。
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■研究会情報
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◆しんりがく研究会『続・「心」とはなにか——パーソナリティ心理学からみた
心』のお知らせ
「心」という概念をめぐって、古くから様々な議論がなされてきました。しかし、
今日においても「心」を扱う諸学問の間で、「心」が指すものや「心」のとらえ
方について見解が一致していないように思われます。そのような中、2025年1月
から4月にかけて、「心」という概念が何を意味するのか、そしてその意義につい
て、心理学を中心に「心」を扱う諸学問それぞれの立場から考える特集『「心」と
は何か』が金子書房noteにおいて組まれました。
今回の研究会ではその特集を受け、引き続き「心」とは何かを考えたいと思いま
す。同特集にご寄稿された著者以外の方々に、ひろく「心」とはかについて、そ
のお考えをおうかがいしたいと思います。
複数の立場から「心」を眺めることで、心理学はいかにして「心」をとらえるこ
とができるのか。心理学的であると同時に、存在論的な問題設定のアリーナを、
しんりがく研究会で開きたいと思います。
●申し込み及びイベント詳細:https://ap260124.peatix.com/
●発表者:下司忠大(立正大学心理学部対人・社会心理学科専任講師)
※司会は仲嶺真(荒川出版会)が務めます。
●日時:2026年1月24日(土)14時〜
●会場:オンライン(Zoomを利用)
●参加費:1,500円
●問い合わせ先:荒川出版会 arakawa.press@gmail.com
(情報提供者 仲嶺真様)
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[クッピーより]
寒くなりましたね~
おでんなどの鍋物がおいしい時期になりました。
この前、赤羽の立ち飲みおでん屋に行ってきました!!
はじめに、だしわりの熱燗を飲むために熱燗のカップ酒を購入し、ある程度飲ん
でから出汁を入れてもらう流れのため・・・
初めの方は日本酒のみなのでアルコール度数が高いのですが、後から出汁をいれ
てしまうため度数が低くなります。
ちょっとアルコールに物足りなさを感じて、もう一つカップ酒を買ってしまいま
した(笑)
このように、はじめに高めの強度の経験をしたあとに、低い強度の体験をすると
いまいちに感じることを『対比効果』と言いますが、
まさか赤羽の立ち飲み屋で経験するとは!!
そして、さらにもう一つカップ酒に手を伸ばしてしまう感じは「薬物依存の構造」
なのでは・・・
Σ(゚∀゚ノ)ノキャーと思いつつ、おでんのゆで卵を割って、その黄身を出しに
入れて崩した出汁割カップ酒を、カップ酒をチェイサーに飲み干してしまいした。
皆様、アルコールは程々に・・・よいお年をお迎えください!!
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編集:日本質的心理学会研究交流委員会
担当:岡部大祐・古賀佳樹・石田喜美・香曽我部琢・張暁紅
発行:日本質的心理学会 https://www.jaqp.jp/
発行日:2025年12月20日
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JPASSマイページ https://jpass.online/
●学会に関するご意見・ご要望は、お手数ですが学会事務局までご連絡ください。
学会事務局アドレス jaqp@jpass.online
●質的研究に関する研究会や公募等の情報提供および共催のご依頼は、下記の
フォームからお知らせください。いただいた情報はメールマガジン等に掲載し、
共催については委員会内で検討のうえ、お返事差し上げます。
https://jaqp.jp/mail-magazine-offer
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