●エスノグラフィーセミナー第2弾開催決定!『質的心理学研究法セミナー』

研究交流委員会は会員の技能習得ニーズに答えるべく、『質的心理学研究法セミナー』を開催しています。第7回セミナーでは、昨年の第5回セミナー「看護実践のエスノグラフィー入門」に引き続き、エスノグラフィーをテーマにしたセミナーを開催します。昨年度の参加者の方はもちろん、初めての参加者の方も大歓迎です。みなさま奮ってご応募ください。

○第7回 質的心理学研究法セミナー『エスノグラフィー研究のデザイン』

概要

エスノグラフィーは、人びとが生きている現場を明らかにするための方法論です。今回はエスノグラフィー研究のデザインの仕方を学びます。研究デザインとは、ある研究の設計図にあたる、重要なものです。これができれば見通しよく研究を進めることができるようになります。設問、理論枠組み、データの収集と分析などの要素をまとめて研究デザインを構想します。
エスノグラフィー研究をデザインする上で大切なのは、エスノグラフィーの基本的な発想の仕方、すなわちコンセプトを理解することです。それがないと、ちぐはぐなデザインになりかねません。そこで、今回はエスノグラフィーのコンセプトをまず学び、それからそれに相応しい研究デザインの仕方を具体的に実習します。
すでにエスノグラフィー研究を始めているが実際の進め方がよくわからないという方、あるいは仕事や研究の現場で「この問題にエスノグラフィーを適用してみたい」という具体的な関心をもっている方が受講されれば、効果的と思います。
講師の具体例も交え、またみなさんそれぞれの現場での経験もお話いただいて、双方向的に進めます。エスノグラフィーを、現場で使えるツールへと一緒にきたえ上げていきましょう。

日時

2014年3月8日(土) 10:00~16:00

場所

京都光華女子大学

講師

小田博志(北海道大学大学院准教授)

現在、北海道大学大学院文学研究科准教授。専門は人類学、平和研究、質的研究方法論。

大阪大学大学院人間科学研究科後期課程単位取得退学。ハイデルベルク大学医学部で博士号取得(Dr.sc.hum)。

著書に『エスノグラフィー入門?〈現場〉を質的研究する』(春秋社、2010年)、『質的研究の方法?いのちの“現場”を読みとく』(波平恵美子と共著、春秋社、2010年)など。

訳書に『がんを超えて生きる』(R・ヴェレス著、共訳、人文書院、1999年)、『新版質的研究入門』(U・フリック著、監訳、春秋社、2011年)がある。

個人ウェブサイト「小田博志研究室」:http://www13.ocn.ne.jp/~hoda/

特設ウェブページ「エスノグラフィー入門・プラス」:http://www13.ocn.ne.jp/~hoda/ethnography.html

テキスト

小田博志 2010 『エスノグラフィー入門―<現場>を質的研究する』春秋社

当日スケジュール

10:00-11:30 第1部 事前課題を交えながらの自己紹介
12:30-14:00 第2部 講師による講義 エスノグラフィーの研究デザイン
14:00-14:30 コーヒーブレイク
14:30-16:00 第3部 グループディスカッション/総合的な質疑応答

事前課題

エスノグラフィーの研究デザインを構想する。

自分が実際に行なっている研究でも、仮定のものでもよいです。できるだけエスノグラフィーの基本的な考え方を踏まえて、研究デザインを構想してください。

研究デザインは以下の項目が含まれます。
1) 研究設問(何を明らかにしたいのか)
2) データ収集の方法(対象をどう選択し、どう調査するのか)
3) データ分析の方法(収集したデータをどう分析するのか)
4) 基本デザイン(研究全体をどう組み立てるか:定住型、多現場型など)
5) 理論枠組み(どのような視角から対象を捉えるのか)
*1)~3)は必須ですが、その他でわからない項目は空白でも差し支えありません。

参考文献

(1) エスノグラフィーの基本的な考え方については、『エスノグラフィー入門』(小田2010)の第1章と第3章。
(2) 質的研究における研究デザインについては、『新版 質的研究入門』(フリック2011)の第III部(特に第12章)
なお、事前課題は参加者全員に配布いたしますので、その点を考慮して作成してください。

申込・問合せ先

seminar140308あっとgmail.com(「あっと」を@に変換してください)
※上記は、第7回セミナーの申込・問合せ専用アドレスです。

申込時の記載内容

(1)氏名と所属(無所属でも可)
(2)連絡先
(3)あなたの質的研究との関わり
(4)あなたのエスノグラフィー研究との関わり
(5)あなたがこのセミナーに期待すること
(6)会員/非会員の別

申込期限

2014年1月31日(金) ※定員20名

※定員超過時は講師の先生と相談の上で、応募理由に書かれた緊急性により選抜します。また、大幅に定員を超過する申込みがあった場合、HP等で予告した上で、申込期限より早期に申込打ち切りとさせて頂く場合があります。

参加費

日本質的心理学会会員は2,000円、非会員は4,000円。

  • 大会外企画
  • 質的心理学会研究法セミナー第七回(3月8日)のお知らせ