日時

2011年6月10日(金)
13:00-18:00(開場は10分前です)。
第1部 公開保育(13:00-15:00)
第2部 研修会(16:00-18:00)
子どもをみて,それから研修会をはじめます。公開保育のみのご参加はご遠慮ください。

場所

大阪府八尾市聖光幼稚園(同園の園内研修を兼ねます)

費用

会員・現職保育者・保育者志望の学生は無料,他の方は資料代として300円を頂きます

定員

最大20名(予定)

お申込み・お問い合わせ

梅崎(umezaki「あっと」konan-wu.ac.jp(「あっと」を@に代えて送信下さい)までメールでお願いします。園への直接のお問い合わせはご遠慮下さい。スペースの関係上,定員に達し次第申し込みは締め切らせていただきます。

企画・司会

梅崎 高行

保育者は保育の場で,子どもの何を,どのようにみているのだろうか。また,みたことをどのように,保育実践に反映しようとしているのだろうか。
一方研究者は,子どもをどうみているのだろうか。研究者が採用するみかたは,実践者の全体的なみかたと比べたときに,何を重視し,反対に何を捨象することを余儀なくされているのだろうか。そもそも研究者はこの点に自覚的だろうか。また,そうしたみかたを選択した結果,どのような知見が保育の場に還元されているのだろうか。
保育者にとって,保育の場で子どもをどうみるかは,その後の保育にかかわる重要なプロセスである。保育者の観察は,各人のもつ保育観に基づき,経験によって洗練されると考えられる。以上の過程は研究者のみかたにも当てはまることだが,本会では,こうした研究者のみかた(および所産としての知見)が,実践者のみかたにとってどのような意味をもたらすものかという点について議論を行う。ここでは仮想的に,実践者にとっての「みる」行為が,その日常性がゆえに自明視されやすく,研究者の「みかた」は,実践者の「みかた」を揺さぶる視点刺激的な位置にあると捉える。議論を通し,このような仮想(あるいは研究者の期待)を現実のものとしていくための問題や諸条件について明らかにしたい。
以上の目的に向けて本会では,現場の保育者,定性的な観察法を採用する研究者,定量的な観察法を採用する研究者の三者に登壇いただく。三者からの話題提供を受けた後,質的・量的アプローチを併用した研究デザインによって,子どもの社会性の発達を研究する指定討論者からコメントをいただく。この後,フロアも交えたディスカッションを行うことによって,参加者相互の気づきに資することが期待される。登壇者4名および提供いただく話題は下記のとおりである。

登壇者

林 和代 氏(聖光幼稚園)
林氏は,「保育の仲間づくり研究会」の会員園でもある幼稚園の園長である。当研究会では「子どもを真ん中におく保育」を掲げ,月に一度の定例会や会員園同士の公開保育,さらには海外研修などを通し,学びや情報交換を精力的に行っている。2010年は「子どものみとり」をテーマに保育カンファレンスを重ね,中でも聖光幼稚園では,質の高い意見交換が行われた。また,同幼稚園はオープンなスタンスで,これまで多くの研究依頼を受け付けてきた。さらに氏自身は大学院に所属する研究者として,幼児を対象とした研究を進めている。これらの活動や実績を踏まえ,実践者の立場から子どもをみる行為について語っていただく。

野口 隆子 氏(十文字学園女子大学)
野口氏は,質的心理学会誌に掲載された『保育者の持つ”良い保育者”イメージに関するビジュアルエスノグラフィー』の第一著者である。また「保育プロセスの質」研究プロジェクトのメンバーであり,同プロジェクトが提示した映像を用いた保育観察の視点は,子どものみとりを具体的に進める手順を示唆したものとして有用である。「保育の仲間づくり研究会」が援用した子どものみとりの視点も,同プロジェクトが整理した視点であった。定性的な観点から子どもをみる行為について語っていただく。

松本 聡子 氏(お茶の水女子大学)
松本氏は,大規模・長期縦断的な手法を用いて子どもの発達プロセスを記述する研究に取り組んでいる。とりわけ子どもが生活する環境(人的・物的)の影響に着目し,子どもと環境の相互作用を分析することによって,子どもの発達を導く諸要因の影響を同定している。個別具体的な子どもの育ちをいかにすくいとるのかという縦断的な研究の課題に対しては,観察を併用し,得られた情報を量的に変換することによって対応されている。定量的な観点から子どもをみる行為について語っていただく。

酒井 厚 氏(山梨大学)
酒井氏も松本氏同様,長期縦断的な手法を用いて子どもの発達プロセスを明らかにする研究に取り組んでいる。2010年からは,研究プロジェクト-PEERS(Project of environmental effects of relationships and self)-を開始した。PEERSは,子どもの社会性の諸側面のうち,関係性と自己の発達に焦点化し,長期縦断的に1)他者への信頼感,2)自己受容感,3)向社会的行動および問題行動の発現プロセスを明らかにしようとするものである。PEERSでは,量(質問紙)と質(観察・実験)を併用した研究デザインが用いられ,フィールド(家庭や保育現場)でのデータ収集も計画されている。このような活動を踏まえて話題提供者の話題にコメントいただく。