企画趣旨

この世に受けた生に限りがあるということを知ると、たぶん自分の中で、 良い悪いの基準が大きく変わる気がする。自分の命であればもとより、自分 に近しい人の命のことであっても、しておきたいこと、しなくてはならない ことを決める基準がいつもとは異なる気がする。どうしてなのだろうか。も ともと命には限りがあり、永遠に生きることはできない。けれども、あると ないとのはざまでないということを直視するときほど、ある(ない)という ことの意味が際立ち、濃縮した時間が流れるように思われる。

がん看護ないしは医療の、特に終末期ケアの現場は、ある(ない)というこ とが他人事であったり、ある(ない)ということをあまり意識していない、 いつもの時間や意味と、命の限りをまのあたりにした人のそれとが交錯する 現場といってもいいだろう。そのような現場の倫理的課題や判断について、 ケア実践者、哲学者、社会学者の立場からお話していただき、質的研究から どう終末期の倫理的課題や判断に取り組むことができるのか、あるいは取り 組もうとするときにどのような倫理的課題があるのかについてご討議いただ く予定である。

開催日時

2009年3月11日(水) 14:00-17:15(受付は13:30から)

開催場所

大阪大学中ノ島センター 10Fホール

登壇者

話題提供者
田村恵子(淀川キリスト教病院 ホスピス主任看護課長/がん看護専門看護師)
鷲田清一(国立大学法人大阪大学 総長)
鈴木智之(法政大学社会学部 教授)

指定討論者
山田富秋(松山大学人文学部社会学科 教授)

司会
大久保功子(国立大学法人東京医科歯科大学大学院保健衛生研究科教授)
操華子(国際医療福祉大学小田原保健医療学部 教授)

会費

当日、受付にてお支払い下さい。
会員 500円
非会員 1500円

  • 大会外企画
  • ●研究交流委員会主催シンポジウム「 臨床の中の倫理—命の限りと向き合うとき」